ついに日本凱旋が実現…イヨ・スカイが語るWWE、そして林下詩美「奇跡のマッチアップ」
ついにイヨ・スカイの日本凱旋試合が迫ってきた。しかも、WWEの日本ツアーだけでなく、新興団体マリーゴールド初のビッグマッチという豪華版だ。マリーゴールドの記者会見を終えたばかりのイヨに、WWEでの6年間、そして日本での試合について聴いた。
トリプルHが女子部門を変えてくれた
ついにイヨ・スカイの日本凱旋(がいせん)試合が迫ってきた。しかも、WWEの日本ツアーだけでなく、新興団体マリーゴールド初のビッグマッチという豪華版だ。マリーゴールドの記者会見を終えたばかりのイヨに、WWEでの6年間、そして日本での試合について聴いた。(取材・文=橋場了吾)
イヨがWWEに移籍を果たしたのは2018年。6年が経過し、待望の日本凱旋となったわけだが、現状をどのように考えているのだろうか。
「想像以上ですね。遥かに上を行きました。チャンピオンになるというのは、もちろん野望として胸に秘めながら渡米したんですけど、(今年の)レッスルマニアXLでチャンピオンとして2日間通してのセミファイナルを務めさせてもらったというのは、ちょっと想像していない未来でした。(7万人を超える大観衆を前にして)高揚感と緊張感もあったんですけど、やっぱり飲まれないようにある意味冷静な部分もちゃんと持っていましたね。実は入場直前にコスチュームが壊れるハプニングがあったんですよ。本当に入場直前で。『やばい、どうしよう?』と思っているときに、同僚の選手やスタッフが必死に助けてくれて、私は本当にここに来て良かったなと。こんなすてきな人たちに囲まれて、仕事ができるのは光栄だなと思いました」
イヨは今『Damage CTRL(ダメージコントロール)』というユニットに所属しているが、行動を共にしているがカイリ・セインだ。カイリはWWEから日本に戻り、再びWWEに舞い戻った。
「昔からの友達としては一切変わらないですよ。アメリカでも日本でもずっと仲良しなんで。リング上はやっぱりDamage CTRLで一緒になったのは大きいですね。でも、彼女のインセイン・エルボーの切れ味は変わらないし、基本的な部分では大きく変わってないのかなと思います」
イヨがメインロースターに上がるのと同時期にクリエイティブのトップに立ったのが、トリプルH。イヨにとって彼はどのような存在なのか。
「すごく柔軟ですし、女子部門のことをすごく良い方向に変えてくれましたよね。ビンス(マクマホンJr.)とは直接同じ現場で仕事をしたわけではないんですけど、その中で私が感じるのは女子部門の急成長です。『Evolution』という女子だけのPLEも開催しましたし、ロイヤルランブルもマネー・イン・ザ・バンクも女子の試合ができましたから。(女性の活躍は)トリプルHに限らず世界的なムーブメントだとは思うんですが、トリプルHはしっかりとリング上やテレビ上に反映させてくれているというのは、私達にとってもやりやすいしやりがいにつながっています」
夢は簡単にかなうより、苦労して手に入れた方が心に残る
6年ぶりの日本での試合は『WWE Supershow Summer Tour』(7.25大阪、26&27東京)の予定“だった”。その前に世界中をにぎわせたニュースとなったのが、7.13マリーゴールド両国国技館大会参戦だ。しかも相手は、スターダム時代に“すれ違い”となった林下詩美だ。
「(渡米前は)鬼のスケジュールだったので、彼女(林下)の練習を見る機会はなかったです。その後、彼女の試合を見て思うのは、すごく芯が通っていて、体幹もしっかりしていますし、技の攻め・受けどちらもすごくしっかりしているという印象です。私は持ってない武器……体格だったり、パワーだったり、心の底から素晴らしい選手だと思います。とはいえ、(大きい選手は)百戦錬磨なんで、恐れというものはないです」
林下はマリーゴールドに入団してから、しきりに「戦いたい相手はイヨ・スカイ」と公言してきた。
「私がかつて紫雷イオだったときに、女子プロレス大賞を3年連続で受賞させていただきましたし、目立っていた選手だとは思うんですが、ほかの選手に比べて憧れられることが圧倒的に少なかったんです(笑)。なので、林下選手が私の名前を出してくれていることは、素直にうれしいですし気持ちの入り方も違いますね。だから、その彼女のデビューが私の渡米前に間に合わなくて入れ違いになったんですけど、それはそれで良かったと思いますし、プロレスラーになってすぐにその夢がかなっちゃったら……夢というものは苦労して手に入れた方が心に残ると思うんです。彼女は日本で、私はアメリカで、6年間成長した中だからこそ、こんな奇跡のマッチアップが実現したと。しかも紫雷イオではなく、WWEスーパースターのイヨ・スカイとして、マリーゴールドという新たに咲いた場所で戦えるというのは最高の奇跡だと思いますね」
最後にWWEの日本公演についても語ってもらった。
「Damage CTRLの一員としての試合になるのか、タイトルマッチを組んでもらえるのか、まだ分からないですけど、私はWWEの日本公演に出るのは念願かなったりという形なので、心から楽しんで試合をするつもりです。日本の WWE UNIVERSEの皆さんも、一緒に楽しんでもらえればと思います」