「ショック」「言葉を失った」 初代『ウルトラマン』の強烈なトラウマエピソード3選

1966年に放送開始された『ウルトラマン』は主人公で科学特捜隊のハヤタ・シンがウルトラマンに変身し、地球侵略を企む敵や怪獣と戦う物語。全39話の中にはトラウマ回と呼ばれるエピソードが存在する。その中から、とくに印象深い3つのエピソードを振り返ろう。

『ウルトラマン』トラウマエピソードを紹介【写真:Getty Images】
『ウルトラマン』トラウマエピソードを紹介【写真:Getty Images】

50年以上も前に描かれたトラウマエピソードたち

 1966年に放送開始された『ウルトラマン』は主人公で科学特捜隊のハヤタ・シンがウルトラマンに変身し、地球侵略を企む敵や怪獣と戦う物語。全39話の中にはトラウマ回と呼ばれるエピソードが存在する。その中から、とくに印象深い3つのエピソードを振り返ろう。

 まずは第22話「地上破壊工作」での偽アンヌ隊員だ。アンヌ隊員とは同話に登場するゲストキャラで、科学特捜隊パリ本部から派遣された人物だ。しかし、最初に登場するのは地底人が変装した偽者である。

 偽アンヌはハヤタを極秘任務だと連れ出し、そのまま拉致してしまう。その後に偽アンヌのみで行動しているところをパトロール中の科学特捜隊・イデが発見。追い詰められた偽アンヌはかけていたサングラスを外すと、目が存在しない不気味な顔だったのだ。

 目がないアンヌを見た当時の視聴者からは「『ウルトラマン』の本に載っていたアンヌの写真が怖くてそのページは飛ばすようにしていた」「これを見て以来サングラスの女性をみると、この時の恐怖が蘇る」と声があがっている。

 大人になった今、改めて見ると偽アンヌの目には肌色のパッチが貼られていることが分かり、恐怖はあまり感じないが、幼い頃に見た「目のない偽アンヌ」は夢に出るほど怖かったものだ。

 見た目ではなく展開のトラウマでいうと、最終回である第39話「さらばウルトラマン」のウルトラマン死亡エピソードも忘れられない。

 この話では、宇宙から円盤の大軍を引き連れて地球侵略を企む宇宙人と科学特捜隊の戦いが描かれている。科学特捜隊の活躍により円盤はほぼ撃墜するが、本部に潜入した宇宙人によって司令室が破壊されるなど、戦いは熾烈(しれつ)を極めた。

 そして満を持して登場するのが宇宙恐竜ゼットンだ。ゼットンに対して必死に戦うウルトラマンだったが、圧倒的な実力の前にウルトラマンは倒されてしまう。

 このシーンでは悲壮感たっぷりなBGMとともに、これまでの怪獣との戦いが走馬灯のように流れる。科学特捜隊の仲間たちが「死んじゃダメ!」「立つんだ!」と激励するも、ウルトラマンは再び立ち上がることはなかった。

 仲間の激励を受けて立ち上がる展開を期待していた幼い頃の筆者は「最終回なのにウルトラマン死んじゃった……」と絶望した記憶が鮮やかに残っている。

 SNS上では「ショックで立ち直るのに時間がかかった」「一方的にウルトラマンがやられる姿が見てられずTVを消した」など当時を振り返る視聴者の声が見られた。

 最後は悲しいストーリーからSNS上で「人類に見捨てられたジャミラの復讐劇が悲しい」「ジャミラが誕生した背景を知って言葉を失った」などと、多くのファンのトラウマになっているのは第23話「故郷は地球」だ。

 このエピソードでは、国際平和会議の出席者を乗せた旅客機や船を攻撃する敵として怪獣・ジャミラが登場する。ジャミラの姿を見た科学特捜隊パリ本部のアラン隊員は、正体が人間であると語り始めた。

 もともとジャミラは宇宙飛行士の人間で、遭難の末にたどり着いた水も空気もない過酷な惑星に適応するため、怪獣の姿になってしまったのだ。自分を助けてくれなかった地球への復讐のために現れたジャミラに対して、イデは戦いを放棄しようとするのも印象的だ。

 その後も暴れ回るジャミラだったが、イデの説得に一瞬動きを止めて躊躇する様子や、最後にはどれだけ欲しくても手に入らなかった水が弱点となり倒されてしまうなど、終始悲しい雰囲気が漂っている。

 子どもの頃に見たエピソードも大人になってみると違った印象となりトラウマ解消できるかもしれない。改めて『ウルトラマン』のトラウマ回を一気見してみるのも楽しいだろう。

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