2年間欠かさず“ギョーザ1個だけ”を投稿 SNSで注目…中華料理店主が明かす裏側

画面を埋め尽くすギョーザ、ギョーザ、ギョーザ……。どれだけ画面をスクロールしても、画面に出てくるのはギョーザばかり。365日、毎日1個のギョーザの写真を必ずアップし続けている中華料理店がSNS上で注目を集めた。なぜ、ギョーザ1個だけの投稿を続けているのか? 店主に話を聞いた。

画面を埋めるギョーザ、ギョーザ、ギョーザ… 約2年間、ギョーザ1個の投稿が並ぶ「成都」のインスタグラム(スクリーンショット)
画面を埋めるギョーザ、ギョーザ、ギョーザ… 約2年間、ギョーザ1個の投稿が並ぶ「成都」のインスタグラム(スクリーンショット)

高円寺にある中華料理店「成都」のインスタグラムを埋める餃子の写真

 画面を埋め尽くすギョーザ、ギョーザ、ギョーザ……。どれだけ画面をスクロールしても、画面に出てくるのはギョーザばかり。365日、毎日1個のギョーザの写真を必ずアップし続けている中華料理店がSNS上で注目を集めた。なぜ、ギョーザ1個だけの投稿を続けているのか? 店主に話を聞いた。

 X上で話題になったのは、東京・高円寺にある中華料理店「成都」のインスタグラムだった。2022年7月18日に開設された「成都」のアカウントでは、そこから365日欠かさず、毎日、焼き上がったばかりの皿に乗った美味しそうなギョーザ1個だけを投稿している。

 Xで「狂気」とまで表現されたこの“オンリーギョーザ”投稿。「成都」の代表・中原有継さんは「僕はインターネットやSNSが本当に不得意なんです。それでも何か始めないといけない、何かやろうと思って、ギョーザを1個だけ投稿し始めたのです。何か狙いがあったわけではなく、それしかできなくて……」と頭をかく。

「成都」は高円寺に1969年に開業し、今年で55年目になる。中原さんの父が店を始め、母が2代目。10年前に継いだ中原さんが3代目だ。コックは本場の中国から呼び寄せ、ホールスタッフはタイ人やネパール人の留学生と国際色豊か。調味料は中国から取り寄せている、高円寺に根付いた本格カジュアル中華料理店だ。

 インスタグラムに投稿しているギョーザは、母の代から作り始めた看板メニューの1つだと中原さんは言う。皮から手作りで、全て手包みとこだわりが詰まっている。ニンニクは一切使わず、餡は肉とニラだけ。想像以上に大きく、ボリューム満点な品だ。

 中原さんは毎日欠かさず、このギョーザを1個焼き、写真に撮り、インスタグラムへと投稿している。

「撮り終わったら自分で食べています。従業員にも驚かれます。『365個食べるんですか?』って。1年で365個食べていますね。遠出したりする際に撮りだめすることもありますけど、その時も1個1個、焼いて撮っています。形も違いますし、大きさも、焼き色も違う。手作りだからこそ、その違いが面白いですよね」

 これまで674件の投稿があり、ギョーザ以外の投稿は1番最初に投稿した店のロゴだけ。残りの投稿は全て1個だけのギョーザで、その中に同じものは1つたりともない。

 中原さん自身も友人からSNSで注目を集めていることを知ったそう。実際に効果はあったようで「ビックリです。その後からそれまでランチであまり出なかったギョーザが出るようになりました。皆さん見ていただいてありがとうございます。毎日続けていて良かったと思います」。SNSで注目を集めた“狂気のギョーザ投稿”には、店と店主のこだわりが詰まっていた。

次のページへ (2/2) 【写真】大きくボリューム満点の「成都」のギョーザ
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