登場シーンはわずかでも強烈なインパクト 人気漫画で大活躍したサブキャラといえば?

漫画作品において、物語を大きく動かすのはメインキャラクターであることが多い。しかし、時にはモブキャラと言えるほど出番の少ないキャラが大きな影響を与えることもある。今回は出番は少ないが作中で大活躍を見せたキャラたちを紹介する。

出番は少ないが作中で大活躍を見せたキャラたち(写真はイメージ)【写真:写真AC】
出番は少ないが作中で大活躍を見せたキャラたち(写真はイメージ)【写真:写真AC】

主要キャラでなくとも、作中で大きな影響を与えた存在も

 漫画作品において、物語を大きく動かすのはメインキャラクターであることが多い。しかし、時にはモブキャラと言えるほど出番の少ないキャラが大きな影響を与えることもある。今回は出番は少ないが作中で大活躍を見せたキャラたちを紹介する。

(※以下、漫画の内容に関する記述があります)

『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されていた『鬼滅の刃』(作:吾峠呼世晴)の第1話で登場する「三郎爺さん」は、ほとんど1話だけの登場であるにも関わらず、物語に大きな影響を与えた人物だ。彼は自宅に帰ろうとする主人公・竈門炭治郎に対して「鬼が出るぞ」と注意を促し、自分の家に泊まるよう勧めた。一泊した炭治郎が次の日に家へ帰ると、家族は妹の禰豆子を残して鬼に殺害されており、炭治郎は三郎爺さんのおかげで難を逃れている。三郎爺さんがいなかったら、そもそも物語が始まっていないと言えるだろう。

 その後、本編で三郎爺さんの出番はなかったが、鬼の首魁である鬼舞辻無惨を倒し、決着をつけた後の第204話で再登場する。三郎爺さんは人相の悪い容姿や、一般人には御伽話の存在だと思われている鬼を知っていることから、読者の間では「怪しい」「黒幕では」と予想されることもあった。しかし、特にそのような展開はなく、ただの善人だったと考えられる。

『週刊少年ジャンプ』連載作品の『NARUTO』(作:岸本斉史)に登場する「テウチ」も、隠れたMVPと評価されることが多い。彼は主人公のナルトたちが暮らす「木ノ葉隠れの里」で「一楽」という名のラーメン屋を営んでいる人物で、読者からは「一楽のおっちゃん」と呼ばれている。

 ナルトは以前里を襲ったバケモノ「九尾」を宿す人間として、里の人間から迫害を受けていた。しかし、テウチはナルトを差別することなく、ラーメンを振る舞っていた。作中で言及されているわけではないが、周りから邪険にされ、すさんでもおかしくないナルトの人格が善性を保つ一因となったのは、テウチのおかげであると考察する声もネット上で見られた。

 また、一般人でありながら、アニメ『NARUTO- ナルト- 疾風伝』エンディングテーマ『虹の空』(FLOW)の映像で、ラーメン屋に客として来るメインキャラたちをテウチの目線から描くという、サブキャラとして破格の扱いも受けている。目立たなくても、物語に影響を与える人物もいるというわけだ。

 人ではないものの、大活躍を見せた存在もいる。第1部が『週刊少年ジャンプ』で連載され、第2部が『ジャンプ+』(集英社)で連載中の『チェンソーマン』(作:藤本タツキ)に登場する「コベニの愛車」は、短い期間で大いに活躍し、読者から人気を得た。

 コベニの愛車、通称「コベニカー」は、コミックス7巻に掲載の第57話で初登場。その名の通り作中のキャラの一人であるコベニが所有する車だ。初登場話では、コベニと同じ組織に所属するパワーが気まぐれでコベニからハンドルを奪い、その結果起こしてしまった事故が、偶然味方に化けていた敵を轢き殺すという大金星を上げる。

 その後もコベニカーは、高所から落下した岸辺のクッションになったり、最後は引火したガソリンにより大爆発して敵にダメージを与えたりなど、ただの車でありながら何度も活躍する姿を見せた。この活躍から読者からネタ的な人気を集め、第1回人気投票ではまさかの第7位にランクインしている。ちなみに持ち主のコベニの順位は第8位であり「自分の車に人気で負けた」とネタになっている。

 それほど出番の多くないサブキャラでも、意外な影響を与えている人物も存在する。メインキャラだけでなく、サブキャラの活躍にも注目したいところだ。

次のページへ (2/2) 【動画】全キャラの人気投票でなんと36位にランクイン…『NARUTO』に登場するサブキャラのテウチの姿
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