波乱の半生を描いた映画「アイアン・シーク」 “性悪王”鈴木みのるの疑問も解消
“性悪王"鈴木みのる(51)が15日、シネマート新宿で開催されたドキュメンタリー映画「アイアン・シーク」(イガル・ヘクト監督)の特別イベント上映に登壇し、トークショーを行った。
ホーガンやロックら豪華キャストも話題
“性悪王”鈴木みのる(51)が15日、シネマート新宿で開催されたドキュメンタリー映画「アイアン・シーク」(イガル・ヘクト監督)の特別イベント上映に登壇し、トークショーを行った。
希代の悪役プロレスラー、アイアン・シーク(77)の知られざる逸話を描いた物語。本人のほか、“超人”ハルク・ホーガン(66)、“ザ・ロック”のリングネームで知られる俳優のドウェイン・ジョンソン(47)らが出演しているプロレスファン垂涎の一作だ。
プロレスでWWF(現WWE)ヘビー級王者に君臨するなど一時代を築いたものの、薬物におぼれて栄光から転落。家族や仲間からも見放され、人生のどん底に落ちたが、それでも、元トップレスラーとしての誇りは失わず、ツイッターやユーチューブで再脚光を浴びるまでの波乱の半生が描かれる。
みのるは、作品について「映画自体はものすごく面白かった」と評価。同じ“悪役”と見られがちだが、自身と重なる部分は否定し「アイアン・シークというオレの中では風貌しか知らないレスラー。実際のところ会ったこともないし。それが、こういう感じでプロレスの世界に入ってきて、こういう待遇を受けて、嫌だったのに、アメリカの権力者に『今日からこれかぶれ!』って(反米ギミックを)やられて、人種差別の国でそれを売りにして大スターになったっていう人でしょ。そのあと、ヘマこいて、ツイッターで逆転するっていうね。それのどこがオレにかぶってるわけ?」とストーリーを総括しつつ、苦笑した。
バックボーンはレスリングイラン代表の実力者
米国での大成功とは対照的に、日本では大成できなかった。新日本プロレスや全日本プロレスに参戦したものの、大きな勲章を手にすることはできなかった。とはいえ、母国イランではレスリングの強豪として名を馳せ、実力は折り紙付きだった。格闘技色の強いUWFインターナショナルに招聘されたこともある。時代が時代なら、ブレイクしていたかもしれない異色のレスラーだった。
「昔の強いレスラーなんだよね。なぜこの人がUインターに来たのかこの映画を見れば分かる。『なんでこんなオッサン呼んだんだろう』ってずっと思っていたんだけど、強い人だったんだっていうね。しかも、実はカール・ゴッチさんが絡んでるんだよね」
みのる「この人がいたからハルク・ホーガンが生まれた」
デビュー直後はベビーフェース。それが、米国のイラン敵視政策の流れを受け、頭からターバンのような民族衣装をかぶったアラブ系の悪役レスラーに転身した。リングで大バッシングを浴び、シークの存在感が増したところに立ちはだかったのが、ホーガンだった。
「あまりにも強くて、でも地味で、つまんない。勝っても、勝っても人気が出ない。ある時、偉そうななんとかマクマホンというのが『オマエ、そういえばさ、今アメリカとあそこの国、戦争始めそうだから今日からこれかぶれよ』。そしたらみんなが『コイツ悪者、悪者(となった)』。そこで生まれたのがハルク・ホーガンでしょ。アメリカのスーパースター。それ考えたら、確かにこの人がいたからハルク・ホーガンが生まれたのは間違いない」とみのるは分析した。
上映は一夜限定で行われたものの、好評を博したため、次回開催も検討されている。