生田斗真「おねだり」発言で話題の無痛分娩、なぜ普及しない? 専門医が語る文化的背景
俳優・生田斗真が妊婦に対して行った“無痛おねだり”発言の炎上が続いている。いまだに正しく理解されていなかったり、一部では偏見も根強い無痛分娩とはいったいどういったものなのか。リスクやデメリットも含め、専門医に話を聞いた。
妊婦からの「出産こわいよー」という声に「旦那様に無痛おねだりするか」と返信
俳優・生田斗真が妊婦に対して行った“無痛おねだり”発言の炎上が続いている。いまだに正しく理解されていなかったり、一部では偏見も根強い無痛分娩とはいったいどういったものなのか。リスクやデメリットも含め、専門医に話を聞いた。
騒動の発端は今月5日。生田が自身のインスタグラムでファンからの質問を募集、妊娠9か月の妊婦から「出産こわいよー」という声が寄せられた。生田がこれに「旦那様に無痛おねだりするか」と返信したところ、「『旦那様』に無痛分娩を『おねだり』してみろって嘘でしょ? すごいモラ(モラハラ)だよなんでこんなこと言えるの」「女見下してないとこんな発言出てこない」「いくらイケメンでもこれはない。ドン引き」と批判の声が殺到した。
炎上を受け、生田は7日に再びインスタグラム上で「僕の発言で傷つけてしまった方がいるようです。ごめんなさい。費用はかかってしまうけど恐怖心を緩和するためにも、一つの大切な選択だと勉強をしていたので それをご家族で話し合われる事もいいのではないかとお伝えしたかったのだけど 言葉足らずでした」と釈明。それでもなお、「謝るポイントがおかしい」「なぜ炎上してるか理解してない」という声が上がっている。
無痛分娩が一般的ではなかった高齢者世代や、出産の当事者でない男性にはいまだに誤解や偏見も多い無痛分娩。日本産科婦人科学会専門医のせきレディースクリニック・友影九樹院長は、「無痛分娩とは麻酔などにより陣痛を緩和しながら分娩に至ることで、『無痛』とは言いますが、難産症例等では、麻酔を薄めなければならなかったり、痛みが除ききれないこともあります」と解説する。
「麻酔は硬膜外麻酔といって、全体麻酔ではなく、背中からアプローチしてへその下くらいから効かせる部分麻酔になります。『痛みは取れるが力が入る(いきめる)』状態を保てるように調整するので、当然意識もしっかりとあります。費用は地域差も大きく、地方では正常分娩料金プラス5~10万円くらいが平均的かと思われます」
痛みがなく、恐怖心の軽減や産後体力の回復が早いといった大きなメリットがある一方で、力が入りにくくなるため分娩時間が長引いたり、吸引分娩(専用の器具で赤ちゃんを引っ張り出す施術)が必要になる確率が高まったりするデメリットもあるという。
「理解や普及が進まない理由として、昔から『お産には痛みが必要』と考える文化があります。日本では分娩施設の集約化がされていないため、各分娩施設の医師のスキルに顕著な差が出ています」と友影九樹院長。また保険適用外となるため、費用面での負担も普及が進まない背景にあるとしている。