動物園に“お花見ごみ”放置、マナー違反に悲痛 動物に深刻リスクも…シーズン到来で頻発懸念
東京で「桜の満開」が発表され、日本列島はいよいよ本格的な花見シーズンを迎える。ただ、毎年頻発するのが、お花見会場でのごみ問題。楽しい宴が終わって帰宅する際に、「面倒だからそのまま捨ててしまおう」は禁物だ。来場者や参加者は、ゴミを持ち帰るマナー遵守が求められている。こうした中で、今月1日、桜のスポットでもある神奈川・川崎の動物園が放置ごみに関して、「ジンダイアケボノザクラも悲しんでいました」と注意喚起のSNS投稿を行い、反響を呼んだ。当事者の川崎市夢見ヶ崎動物公園の担当者に話を聞いた。
東京で「桜の満開」 花見ピークが予想される
東京で「桜の満開」が発表され、日本列島はいよいよ本格的な花見シーズンを迎える。ただ、毎年頻発するのが、お花見会場でのごみ問題。楽しい宴が終わって帰宅する際に、「面倒だからそのまま捨ててしまおう」は禁物だ。来場者や参加者は、ゴミを持ち帰るマナー遵守が求められている。こうした中で、今月1日、桜のスポットでもある神奈川・川崎の動物園が放置ごみに関して、「ジンダイアケボノザクラも悲しんでいました」と注意喚起のSNS投稿を行い、反響を呼んだ。当事者の川崎市夢見ヶ崎動物公園の担当者に話を聞いた。
美しい夜桜の前に、放置されている大きな3つのビニール袋。青いビニールシートも丸められて置かれている。趣深い情景が台無しだ。
「桜が咲き始めたくさんのお客様がご来園されました。が、こちらは昨晩広場に放置されていた大量のゴミです。ほかにもペットボトルや缶などが園内の至る所に散乱していました。花見などで出たゴミ等は、各自の責任で必ず持ち帰るようお願いします。後ろのジンダイアケボノザクラも悲しんでいました」
職員が見つけて写真を撮影し、同園の公式Xが啓発の投稿を行った。1万件以上の写真の閲覧数を記録するなど、反響を集めている。
川崎市が運営する同園は1974年に開園し、現在は55種類・約327頭の動物を展示している。年中無休で、入場無料。園内には多くの桜の木が植えられており、入り口の道沿いから広場、シマウマ舎などで桜の見物も楽しめる。地域をはじめ、多くの来場者に親しまれているという。
同園の担当者によると、今回のごみは、ひもで結ばれたビニールシートのほか、食べ物の残りやコップ類など。束ねられて置かれていた。忘れ物の可能性もあるというが、一般論で考えても花見のあとの放置ごみであることが推測される。
マナーや景観の問題だけでなく、動物の命に関わる危険性がはらんでいるという。
同園は投稿で、「紙ゴミ、ティッシュ、マスクなども、動物が食べてしまうと体調不良や重篤な症状を引き起こす可能性があります。ゴミは必ず回収していただけますようお願いします。
また生えている草花を抜いて草食動物に与える方がいますが毒性のある植物があるため、決して与えないで下さい」と、注意を促した。
担当者は「ここは動物公園ですので、ごみやビニール袋が風に飛ばされて動物舎に入ってしまい、動物たちが誤って食べてしまう心配もあります」と重ねて言及。動物たちの健康被害につながるリスクについて改めて訴えた。
今週末にかけて花見の人出が増え、全国的にも盛り上がりがピークを迎えていくことが予想されている。ルールやマナーに気を付けたいところだ。
同園は「利用者の皆様が気持ちよく過ごしていただくには、マナーは大切な要素かなと思っています。ぜひお願いできればと思っています」と呼びかけている。