線路内の草を伐採、警告看板を移動…撮り鉄の迷惑行為に鉄道会社が怒り「マナーというか、常識の範ちゅう」

千葉・銚子市に本社を置くローカル鉄道、銚子電鉄が3日、ホームページと公式X上で電車撮影のマナー違反に対する注意喚起を掲載。撮り鉄の悪質な迷惑行為に批判の声が相次いでいる。

公式Xとホームページ上で被害を訴えた銚子電鉄(写真はイメージ)【写真:写真AC】
公式Xとホームページ上で被害を訴えた銚子電鉄(写真はイメージ)【写真:写真AC】

キロポストや警告看板を抜き取り

 千葉・銚子市に本社を置くローカル鉄道、銚子電鉄が3日、ホームページと公式X上で電車撮影のマナー違反に対する注意喚起を掲載。撮り鉄の悪質な迷惑行為に批判の声が相次いでいる。

 銚子電鉄は3日、公式X上に「撮影マナーをなぜ守っていただけないのでしょうか。伐採やキロポストの抜き取り、警告看板の位置移動などの迷惑行為が発生し、警察に被害届を提出しています。列車の運行に支障がでたり、他の方に迷惑がかかることを看過できない為、誠に遺憾ですが警察と連携し、取締まりを強化せざるを得ません」と相次ぐ迷惑行為について投稿。

 ホームページ上でも「マナーを守らない写真撮影はおやめください。2/29に以下の内容で、皆様にお願いをさせて頂きましたが、マナーを守らない方による、伐採やキロポストの抜き取り、警告看板の位置の移動などの迷惑行為が発生し、警察に被害届を出しております。こういった行為は、犯罪です。絶対におやめください」と注意喚起をしつつ、「マナーを守らない方により、列車の運行に支障がでたり、他の方に迷惑がかかることを弊社としても看過できません。誠に遺憾ですが、警察と連携し、取り締まりを強化せざるを得ません。このような悲しい状況を引き起こさせないため、どうかマナーを守っての撮影をお願いいたします」「22000形の運用に対しての問い合わせは、業務に支障が出ますので、運転士や駅員・係員へのお問い合わせもお控え願います。皆さまの安全と列車の定時運行のためにご理解とご協力をお願いします」と今後の対応をつづっている。

 3月29日から運行している22000形は、南海電鉄から譲受された「シニアモーターカー」の愛称を持つ人気の車両。その新車両を写真に収めようと、多くの鉄道ファンが集まる状況になっているという。

 一連の投稿に、SNS上では「言うだけ無駄だから警察対応でよし」「撮り鉄じゃなくて器物損壊犯の常習犯って呼ぶべき」といった批判の声が相次いでいるが、一部の撮り鉄と思しきアカウントからは「草刈りされたくないなら自社で刈れよ」といった、開き直りとも思われる声も上がっている。

 銚子電鉄の担当者は、ENCOUNTの取材に「撮影行為自体は構いませんが、迷惑をかける行動や度を越した行為はやめてほしい。安全に電車を運行するうえで、非常にストレスに感じております」と回答。「今に始まったことではありませんが、他の鉄道各社でも問題になっています。マナーというか、常識の範ちゅうのこと。当たり前のことが当たり前に伝わらないのが悲しい」と切実な胸中を語った。

 銚子電鉄では2000年代から経営難が続いており、「鯖威張る(サバイバル)弁当」や「鮪渡り号(つなわたりごう)」、「あきらめたらおしまい(姉妹)鉄道提携」など、さまざまな企画やコラボ商品を開発し人気を博している。

次のページへ (2/2) 【画像】銚子電鉄が公開した被害状況
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