「全体的に楽しい」「人々が素晴らしい」国内外から有明に2万人が集結、フォーミュラEに熱狂の理由
日本初開催となる電気自動車(EV)レースの世界選手権「フォーミュラE」の2023-24シーズンの第5戦が、30日に東京・江東区で開催された。マセラティのマクシミリアン・ギュンター(ドイツ)が通算5度目の優勝を果たし、幕を閉じた。会場を訪れた国内外の観客に大会の雰囲気や、盛り上がりについて話を聞いた。
国内初となる公道を使用した自動車レース
日本初開催となる電気自動車(EV)レースの世界選手権「フォーミュラE」の2023-24シーズンの第5戦が、30日に東京・江東区で開催された。マセラティのマクシミリアン・ギュンター(ドイツ)が通算5度目の優勝を果たし、幕を閉じた。会場を訪れた国内外の観客に大会の雰囲気や、盛り上がりについて話を聞いた。
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特設コースが設置された有明の東京ビッグサイト周辺は20度以上の暖かさを記録したが、それに負けないほどの熱気が会場にはうずまいていた。詰めかけた来場者は2万人(30日現在の公式発表、周辺イベントの来場者を含む)。国内初となる公道を使用した自動車レース、EVの真剣勝負を間近で体験しようと、多くのモータースポーツファンが押し寄せた。
埼玉県から訪れた夫婦は国際イベント初参加。レンタカー会社勤務の男性は、普段からF1などのモータースポーツを視聴していると語り、「海外の人も多く、全体的に楽しそうな雰囲気が良いですね」と笑顔。この日しか味わえない特別な空気感を味わっていた。
SUPER GTをよく現地観戦するという親子は川崎から来場。父は20代の頃から30年以上、モータースポーツを見ていると話す筋金入りだ。さらに息子は2~3歳ごろから15年来のファンというのだからDNAがしっかりと受け継がれている。東京スカイツリーものぞく会場に「豊洲とかお台場というのが良いんじゃないですか。見慣れた景色、東京で(開催)、というのが良いです」と2人でうなづく。熱烈な“車”愛を持つ父は「やっぱり日産。ポールポジションを取った(オリバー・)ローランド選手に期待です。サッシャ(・フェネストラズ)選手も頑張ってほしいです」と熱いエールを送っていた。
「車やレース自体のクオリティーがすごく良い」と称賛も
日本のファンだけではない。コロンビア出身の男性2人組は、選手がデザインされた巨大な旗の前で写真撮影をするなど大会を満喫していた。ロンドン在住で、昨年は現地でフォーミュラEを観戦し、「とても良かったよ。フォーミュラEは、車やレース自体のクオリティーがすごく良い。(速度が)速くはないだろうと思っていたんだけど、本当にパワフルで良いから、いつかはF1とフォーミュラEは融合するんだと思う」と魅力を熱弁した。さらに「日本はこれまで訪れた中で最も素晴らしい場所のひとつだよ。最も重要なことは、人々が素晴らしいということだね。人々がこの場所を作っているのだと思う。そして僕が感銘を受けたのは、日本人が互いに、そして国や文化に敬意を払っていることだ」と日本を絶賛していた。
インドネシアとメキシコ出身の女性2人組が楽しみにしていたのは、他のファンとは少し違った観点だ。「フォーミュラEは東京だから行きやすいし、(F1)より環境にも優しいと思うわね。あと、今日はどんな音がするのか楽しみだわ。F1では音がとても大きいから」。EVはエンジンがないため、F1よりはるかに静音だ。2人は走行中のモーター音や加速音を楽しんだ。
また、2年前に来日したドイツ出身の男性はポルシェのパスカル・ウェーレインを応援。日本語を話すのは難しい、とはにかんだ男性。ウェーレインを応援する理由を尋ねると、「同じドイツのシュツットガルト出身なんだ。ポルシェの本社はシュツットガルトにあるからね」と理由を明かしていた。日本の印象については「日本はとても清潔で整理整頓されているね。みんな整列しているし、口論もない。美しいよ」と口にしていた。
日本初上陸ともあり、さながら“祭り”の様子を見せた1日。多くのファンにとって、貴重な時間となったようだ。