多目的トイレ使った若い女性を高齢者が叱責 実は「正当な理由」…スカートから見えた証拠
ショッピングモールの多目的トイレを高校生くらいの女性が使っていたところ、外で待っていた高齢者に一方的に責められる場面を目撃したという投稿が、ネット上で議論を呼んでいる。高校生には多目的トイレを使う正当な理由があり、外見からは判断がつかない状態だった。投稿した唐草(@karakusa0827)さんに詳しい話を聞いた。
「困った顔してたから…」、車いす利用者が高齢者に声がけ
ショッピングモールの多目的トイレを高校生くらいの女性が使っていたところ、外で待っていた高齢者に一方的に責められる場面を目撃したという投稿が、ネット上で議論を呼んでいる。高校生には多目的トイレを使う正当な理由があり、外見からは判断がつかない状態だった。投稿した唐草(@karakusa0827)さんに詳しい話を聞いた。
「多目的トイレで待っていたら 中から高校生位の女の子が出てきたら 私の前のばあさんが 若いんだから云々言い出して 女の子困った顔してたから
あの~入るなら早く入ってもらえます?じゃなきゃ先入りますけど?と言ったら 早々に入っていった
女の子が ありがとうございます 義足でちょっと痛くて付け直したくて すみません
正当な理由よ」
3月24日、唐草さんがXに投稿すると、2600件を超える“いいね!”が集まる反響に。「人様々事情を抱えるから、責めるのはおかしいです」「自分も言われたことあります。脳出血の後遺症は見た目じゃ判別出来ないので色々辛い…」「これは大切な事やね」「女の子救われただろうな」「我慢できなかったりしてイライラしていったにしろ嫌みや文句いうのは違う」など多くの声が寄せられた。
事が起こったのは、同日、とあるショッピングモールの多目的トイレだった。
車いす利用者の唐草さんがトイレに並んで2~3分後、トイレから出てきた女性に高齢者が詰め寄った。
義足の女性がどれくらいの時間トイレを利用していたかは分からないが、高齢者はかなり強い言い方をしていたという。
「このトイレは高齢者や障がい者、赤ちゃん連れ等が使うトイレなの。若いアナタが使うと車いすの方が困るでしょ? と私を指差しながら言って一方的に怒っていました」
唐草さんは女性のスカートの裾から金具が見えたことからすぐに義足と判断したが、高齢者は気づいていなかった。
「彼女もどうしていいか分からない感じでしたし、私も正直トイレに入りたかったので『トイレに入らないなら先に入りますが』と言いました。それが結果として彼女がそれ以上責められずに済んだのは良かったです」と振り返った。
高齢者も障がい者かも…互いに思いやりを持てる社会に
同様の問題は、電車やバスの優先席でも起こりうる。高齢者に立つことを促された若い女性が、妊婦だったということもある。今回のケースも、高齢者が義足に気づいていれば、口調は変わっていたはずだが、“証拠”を示さなければ寛容になれないというのも本来の目的とは違う。
唐草さんは「多目的トイレに関しては誰でも使えるトイレと位置付けしてしまっているので、正直何とも言えません」と前置きしつつ、「どんな障がいがあるか分からないのにと言いますが、じゃ相手が本当に障がいのあるなしは相手に聞かないと分からないし、話たくない人もいますし、難しい問題だと思います」と指摘。
「ただ、対処法はあると思います。例えば男女各トイレ全部に手すりがちゃんと付いていれば多目的トイレを使う必要がなくなるなど、とにかく誰でも使いやすいトイレが増えれば、多目的・多機能トイレは本当に必要な方だけが使えるようになればトラブルも減るかと」と訴えた。
投稿が反響を呼んだことには、「今回の事がこんなに反響するとは思っていませんでした。今回のようなやり取りは何も特別な事ではありません」と冷静に受け止めている。
一方で、高齢者に批判が集まることは望んでいない。「高齢者も元気そうですが、障がいがあるのかもしれません」。女性を叱責するような言い方を除けば、主張は理にかなったものだった。事情は知らなくても、互いに思いやり、配慮する姿勢が利用者には求められている。
「多目的トイレなので義足の女性も高齢者も車いすの私も使えるトイレ。ただ、今回は出てきた女性が若くて健康そうですが義足だというのが高齢者には分からなかった。世の中には一見健康に見えても実は障がい者ですという方がたくさんいるということを知ってください」と結んだ。