EXILE NAOTO、ボーイズグループ戦国時代に思うこと「軸を曲げない」「スキルを地道に磨き続ける」

EXILE NAOTOが、40歳にして初の写真集『Onesta(オネスタ)』(幻冬舎刊)を出版した。普段は見せない素顔、肉体美を披露している。昨年は、音楽特番で他事務所のグループとコラボ。ENCOUNTに、若手メンバーとの交流、ボーイズグループ戦国時代になった今、パフォーマーとして抱く思いなどを語った。

インタビューに応じたEXILE NAOTO【写真:冨田味我】
インタビューに応じたEXILE NAOTO【写真:冨田味我】

40歳で初写真集を出版「これは鼠径部の写真集です!(笑)」

 EXILE NAOTOが、40歳にして初の写真集『Onesta(オネスタ)』(幻冬舎刊)を出版した。普段は見せない素顔、肉体美を披露している。昨年は、音楽特番で他事務所のグループとコラボ。ENCOUNTに、若手メンバーとの交流、ボーイズグループ戦国時代になった今、パフォーマーとして抱く思いなどを語った。(取材・文=近藤加奈子)

――初写真集のロケ地でイタリア・シチリア島を選んだきっかけを教えてください。

「大好きな漫画や映画のロケ地の舞台になっている土地なんです。『いつか行ってみたい』と思っている中で、今回の写真集のお話があり、ダメ元でロケ地の候補に挙げさせていただきました」

――その漫画と映画のタイトルは。

「漫画は『ジョジョの奇妙な冒険』。正確に言うと、舞台はシチリア島の北西にあるサルデーニャ島とかで、位置はずれるんですけど(笑)。あと、映画なら『グラン・ブルー』『ゴッドファーザー』『マレーナ』。これらはシチリア島が舞台でずっと行ってみたかったんです」

――写真集では肉体美を披露されていますが、自慢のパーツはどこですか。

「ええ! それを自分で言っちゃうのは気持ち悪くないですか(笑)。う~ん。でも、ブラックマヨネーズの小杉(竜一)さんからは『なんや、この鼠径部(そけいぶ)』って驚かれたので、そこだと思います。もちろん、写真集でも出していますよ。むしろ、これは鼠径部の写真集です! 冗談ですけど(笑)」

――最もお気に入りのカットは。

「スーツでお風呂に入っている写真です。これは漫画『呪術廻戦』に出てくるキャラクターの“日車寛見カット”と呼んでいます。日車寛見は僕の好きなキャラクターで、彼の登場シーンがまさにスーツでこんな感じでお風呂に入っているんですよ。ちなみに撮影の時は、特にそのことを意識していなかったんですけど、できあがった写真を見て『日車寛見じゃん!』ってテンション上がりました」

――NAOTOさんはグルメで知られていますが、現地の料理はいかがでしたか。

「本当に全部、おいしかったです。写真集の撮影のためにずっと節制していたので、初日に裸になるシーンを全部終えた瞬間にパスタを食べました。水抜きもしていたので、レストランで最初に飲んだ水が、カラッカラの体に行き渡るんですね。そのときの全身に水が染み渡る感覚がすごかったです。だから、イタリアで最初に感動を覚えた味はレストランの水です(笑)。炭水化物や糖分も体の中に入ってきて、筋肉が『やっとだよ~』って言っていました」

――パフォーマーとしては昨年、TBS系『音楽の日』やフジテレビ系『FNS歌謡祭』で、事務所の垣根を越えたダンスコラボが実現しました。

「すごく楽しかったです。普段は出会えない子ばかりでしたが、自分が続けてきたダンスが橋渡しとなって、彼らと一緒に作品を作れたのは感動的でした。ダンスがいろんなものを越えていけることは何となく分かってはいたんですけど、実際に事務所の垣根を越えて実現しましたし、本当に面白い試みだったと思います」

ボーイズグループの活動について語ったEXILE NAOTO【写真:冨田味我】
ボーイズグループの活動について語ったEXILE NAOTO【写真:冨田味我】

世代の違う若手たちのコラボに「心地良かった」「良いヒリヒリ感」

――他事務所の若手メンバーと組んでみた感想は。

「フレッシュな気持ちをいただけました。世代が違うから、『子どもの頃、ライブ行っていました』と言われると『おお、そういうレベルか』と。でも、みんながめちゃくちゃダンスうまかったです。『FNS歌謡祭』のときは、リハーサルでダンスを見せ合う時間があって、2人くらいでユニゾンを組んでみんなの前で踊るんです。昔に戻ってレッスンを受けている感覚になりましたし、パフォーマーとして燃えました。仲間だけど、勝負し合っている。だからこそ生まれる緊張感があって、心地良かったです。良いヒリヒリ感でした」

――SNSを拝見していると、BE:FIRSTのメンバーの方は三代目 J SOUL BROTHERSのライブにも来られたみたいですね。

「SOTAくんが『NAOTOさんのカード持っていて、部屋に飾っていました』『ライブはあのときとあのときのに行っていて』と言ってくれて、びっくりしました。あと、&TEAMのKくんとも、プライベートでご飯に行きました。『FNS歌謡祭』で披露したファイブフォーティーという技があるんですけど、『NAOTOさんを見て、まねしました』と言ってくれて。自分が続けてきたものを今、アーティストとして活躍している子が見てくれていたんだと思うと、やってきたことにちゃんと意味があったんだなとうれしくなります」

――現在、ボーイズグループの活動が盛んですが、この状況をどう受け止めていますか。

「群雄割拠過ぎて、この中で存在感やオリジナリティーを出すのは大変だろうなと思います。今、KID PHENOMENONというグループのクリエイティブ・コーディネーターをしているんですが、『本当にすごい時代に誕生したな』と。全員、戦国時代に投げ出されたようなものだと思うんですよ。僕も最大限のサポートをしたいですけど、つかみ取るのは彼ら自身ですからね。とはいえ、僕自身も三代目 J SOUL BROTHERSに身を置いています。だから、この時代にグループで戦っていくのは、自分自身に課したチャレンジでもあります」

――これからも他事務所のボーイズグループたちと最前線で戦っていきたいと。

「解散したわけでもないし、活動休止をしたわけでもないので(笑)。『三代目 J SOUL BROTHERSここにあり』というパフォーマンスを見せ続けます」

――三代目 J SOUL BROTHERSが、今の時代にデビューしていたらどうだったと思いますか。

「燃えているんじゃないですかね。どの時代にデビューしても、『三代目 J SOUL BROTHERSが一番取ってやる!』という気持ちに変わりはないです。実際に僕らがデビューしたときもそのモチベーションでしたし」

――LDHの後輩には、この時代にどういう思いで戦って欲しいですか。

「他のグループを見て、刺激を受けたり、焦るのも全然アリだと僕は思います。比べるから身を正せる部分もあると思うので。でも、そこに引っ張られ過ぎて自分たちの軸まで曲げてしまうと、周りもついていけなくなっちゃう。自分たちのスタイル、スキルを地道に磨き続けることが、グループとして強くいられる秘訣なんじゃないのかなと思います。今って情報量が多いので、つい惑わされますけど、本当に集中しなきゃいけないことって単純で少ないはずなんです。自分たちの芯だけはブレないようにしてほしいです」

――NAOTOさんはヒップホップグループ・HONEST BOYZRでも活動されています。ファーストアルバム『HBZ』では、小沢健二さんの名曲『ラブリー』をカバー。NAOTOさんが音楽に目覚めたきっけが、小沢さんと公言されていますが。

「子どもの頃、初めて小沢さんのアルバム『LIFE』を聴いたときは衝撃を受けました。僕の中では90年代の名盤です。だから、こうして小沢さんの『ラブリー』をカバーさせていただけているっていうのは、センセーショナルな出来事でした。正直、『いちファンとしてチャレンジして良いかどうか』と迷うくらい、恐縮しました」

――写真集では、小沢さんやEAST END×YURIと90年代の音楽について語られていました。

「あの頃って自分でCDを買いに行って、それをテープに録音して聴く時代だったので、とにかく音楽に対する熱がすごかったんですよね。EAST END×YURIは初めて触れたラップミュージックで『DA.YO.NE』の全国方言版があるんですけど、僕はそれを1つのテープに入れてミックステープを作っていました。ちなみにHONEST BOYZRも最近のラップというよりかは、この時代の楽曲に影響を受けているので、アルバムを聴いてもらえたら僕の伝えたいことが分かると思います」

――90年代はNAOTOさんの音楽人生に欠かせないキーワードなんですね。

「音楽に初めて触れたのが10歳くらいで、中学生の時にGLAYやL’Arc~en~Cielが来ました。間違いなく、それらが僕の原点になっています」

後輩との交流について語ったEXILE NAOTO【写真:冨田味我】
後輩との交流について語ったEXILE NAOTO【写真:冨田味我】

憧れの木村拓哉が三代目JSBのライブに「カリスマです…考えられない」

――NAOTOさんと90年代をつなぐものといえば、木村拓哉さんもイメージします。木村さんが三代目 J SOUL BROTHERSのライブを見に来られた際、NAOTOさんがSNSに「ロンバケを見て、5年続けたエレクトーンからピアノに転向したあの頃の自分に自慢したい」と投稿されていたことも印象的でした。

「あっさり、ピアノに転向しました(笑)。中学生のとき、木村さん演じる瀬名のようにピアノが弾きたくて弾きたくて……。『ピアノを弾いたら木村さんになれる』と思って。それぐらい、木村さんの影響力がすごかったんです。カリスマですし、そんな方が僕らのライブに来てくださるなんて、考えられないことです。でも、子どもの頃に僕のダンスを見ていたBE:FIRSTのSOTAくんが、最近、僕らのライブを見てくれたパターンもある。アーティストになって憧れの人に会えるのは、夢がありますよね」

――他事務所の若手メンバーからもそうですが、NAOTOさんはLDHの後輩からは特に慕われているイメージです。

「本当ですか? いじられてはいますけど、その後輩は誰ですか? 粗品をプレゼントしなきゃ(笑)。でも、おいしい飯屋は知っているので、ご飯に誘うのは多いですね」

――最近はどなたと。

「THE RAMPAGEの陣とかですね。事務所の後輩ではないけど、&TEAMのKくんとは普通に居酒屋に行きました」

――4月からは、『HBZ』を引っさげ、NAOTOさんにとって初のライブツアー『NAOTO PRESENTS HONEST HOUSE 2024』を開催。ファンにメッセージを。

「『HBZ』はHONEST BOYZRが2016年に楽曲を出して初めてのアルバムになります。ファンの皆さんに自信を持って提供できる作品に、やっとたどり着けました。豪華な客演を迎えた新曲を含めた全8曲入りの素敵なアルバムに仕上げたので、ぜひ、これを聴いてライブに遊びに来てください」

□EXILE NAOTO 1983年8月30日、埼玉県生まれ。2007年、二代目 J Soul Brothersにパフォーマーとして加入。09年にはEXILEに加入。10年にはEXILEの活動と並行しながら、三代目 J SOUL BROTHERSのリーダー兼パフォーマーとして活動を開始。16年には、ヒップホップユニット・HONEST BOYZRのメンバーに。俳優、デザイナーとしても活動し、アパレルブランド『STUDIO SEVEN』を手掛けている。血液型B。

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