鶴瓶、『A-Studio+』ゲストの下調べ「1人に7時間」 これまで2000人以上と対談…堤真一の母と電話も

TBS系『A-Studio+』(毎週金曜午後11時)が15周年を迎え、MCを務める笑福亭鶴瓶、藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)が報道陣の囲み取材に応じ、番組が長く続いている秘けつや目標などを語った。

『A-Studio+』MCの笑福亭鶴瓶(左)と藤ヶ谷太輔【写真:(C)TBS】
『A-Studio+』MCの笑福亭鶴瓶(左)と藤ヶ谷太輔【写真:(C)TBS】

『A-Studio+』が15周年を迎えた

 TBS系『A-Studio+』(毎週金曜午後11時)が15周年を迎え、MCを務める笑福亭鶴瓶、藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)が報道陣の囲み取材に応じ、番組が長く続いている秘けつや目標などを語った。

 同番組は「Actor(男優)」「Actress(女優)」「Artist(アーティスト)」「Athlete(運動選手・アスリート)」で注目の人、旬の人の素顔に迫るトーク番組。通常、ゲストを迎える多くの番組は番組スタッフが事前にゲストと打合せを行い、トーク内容(台本)を構成しているが、ダブルMCの鶴瓶と藤ヶ谷がそれぞれゲストについて自ら事前取材を慣行している。

 スタジオ収録はMCの2人がゲストと事前打合せなし、トーク台本なしで行う。またMCの事前取材の模様が、取材相手の人となりや和気あいあいとした取材の雰囲気を伝える温かい写真で紹介されることも番組の大きな特徴であり魅力となっている。

 以下、鶴瓶、藤ヶ谷のインタビュー。

――15周年を迎えられる率直な感想と、長年続けられる秘けつを教えてください。

鶴瓶「15年ってあっという間。15年続く番組って、あんまりないとかって言われるんですけど、自然とこうなってきたっていうか。僕、わりと長い番組多いんです。通過点であってほしいけどね。これ全部しゃべって、『ありがとうございました』言うて(放送が)終わる番組ありますからね(笑)」

藤ヶ谷「僕は2020年から参加して5年目に入ります。いつまでっていうのも全然聞いてなかったので、これだけ長く続けさせていただけてるのはすごくうれしいです。毎週、べーさんの人間力をすごく学ばせていただいてます」

鶴瓶「僕は日に日に怖いですね。乗っ取られるんやかないかと(笑)。すごいお上手な方でね。この番組も多分、キスマイのファンもずっと見てくれてますから、そういうのはありがたいよね」

――お2人でMCとしてタッグを組んでから今年で5年目ということで、共演する中でお互いに信頼できるなと感じたところや、新たに発見した相手の魅力はありますか。

鶴瓶「俺なんか取材していることをフッと忘れてしまいますから。それを自然に助けてくれるところはありますね」

藤ヶ谷「すごいですよね。15年続いてる番組の中でラフ感というか、そういうのは素敵だなって思います。一緒に取材をさせていただくことも多いんですけど、べーさんは自然と、あのこと聞かなきゃというよりは、結構たわいもない話から入っていって、本題に入っていく姿をよく拝見させていただいていて、べーさんのキャリアとか繋がり、人間力ですかね、そういうのをすごく感じます。常にゲストファーストというか。それはべーさんを見ていて感じます」

――今後の番組の目標や抱負をお聞かせください。

鶴瓶「目標ないことがいいんですよ。目標どうこうよりも、やらなあかんことを着実にやっていくっていうか、A-Studio+のやらなあかんことね」

――手に持っていた黒バッグの中身は15年間にもおよぶゲストに関する大量のメモ書きが入っていた。

鶴瓶「アーティストとかお笑いとかみんな分けて」

藤ヶ谷「字、綺麗ですね」

鶴瓶「ありがとう」

藤ヶ谷「べーさん、2000人以上会っているらしいんですよ」

鶴瓶「だから、このゲストに来られる人のことを知るのは当然やけども、その人の家族とかも仲良くなったりするんですよ」

藤ヶ谷「収録前に電話してますもんね」

鶴瓶「そうそう。堤真一のお母さんとかね」

藤ヶ谷「僕は今までMCの経験も全くないですし……。最初の頃は、ゲストの友人の方から聞いた話をできるだけたくさん言わないとと思ってたんですが、捨てていく勇気みたいなものが必要だなっていうのは感じました。“取材こんなにしました合戦”になっちゃうと、また変わるじゃないですか。だから捨てていく勇気が必要だったのを覚えてます」

鶴瓶「だから(メモを)出す必要ないんやけど、分かりにくいから出してるだけで。俺これだけやりましたってことじゃない。自分の記憶の中にこれだけあるっていうことがすごい大事やし、今日のゲストにもやってるっていうことが大事で。何年間経ったからやめようとか、そんなんないんですよ。永遠続くんでしょ、これ。こんなんもう病気みたいなもんですよ。早く、こんなんやめたいですよ(笑)」

藤ヶ谷「周年のときに、そんな言葉出ることあるんすか(笑)」

鶴瓶「いや、番組やめたいとかじゃなく、こういう作業を1回目からやってしまったから、(今後も)ずっとやるしかない。ぶっちゃけて言うと、(下調べで)1人に7時間ぐらいかけるんですよ。それでメモをかき上げる。(基本的に収録は2本録りで行われるため)それがもう1人ですから、朝から晩までずっとそういう日があるんですよ。それでも満足いくって少ないよね、やっぱり。だから、淡々と続けることがすごく大事なんですけどね、やめたいですよ。資料書くとき、朝7時30分くらいから起きて、夕方までやってるから、うちのやつが『ええ加減しときや』って言うわ。だけど、会う勇気みたいなものありますよ。ミュージシャンの場合、新しいアルバムだけじゃなく前のやつも調べるんですよ。もう、頭おかしくなってくる」

藤ヶ谷「『頭おかしくなってる』『もうやめたい』とか、ちょっとネガティブなワード書かないでください、あんまり(笑)。だから要は長く続けたいってことですね。それをお願いします。絶対見出しに『もうやめたい』なりますから!(笑)」

――番組が長く続いている秘訣は。

藤ヶ谷「スタッフさんが汗水垂らしてるというか、自分の足で情報を集めているところが、僕はこの番組のやっぱり長く続く秘けつとか、愛される秘けつなのかなって。ネットで調べてっていうことを全くしない」

――藤ヶ谷さんは鶴瓶さんから人間力を学んでいると仰っていましたが、この5年間で成長したと感じることは。

藤ヶ谷「2020年の頃はよくベーさんから収録終わりに電話をいただいて、僕は『もう少しこうした方がいいとかありますか』とアドバイスを求めていたんですけど、べーさんは『お前には何もない』って。最初から言ってくださってて、『お前は自然体のとこがええ』って。そこを自分の良いところだとより認識するようにしています。しゃべるのが上手い人はいろんなパターンがあると思うんですけど、自分はあまりしゃべるというよりは、聞く力をつけたいなと思って。聞く力をすごく意識するようにはなりました。あとは自然でいることです。

 やっぱり、べーさんの前だと、みなさん心を開示して『こんなことまで言っちゃった』とか、収録終わりに『テレビでこんなこと言ったこと初めてです』って。だからその空気を作り上げてるべーさん。人としても本当に素晴らしいし、尊敬するから、自分もそうありたい。『あの人はしゃべりが上手いね』というよりは、『藤ヶ谷くんの前だとなぜか結構しゃべっちゃったな』とか、なんかそういう風に少しでもお手伝いできればっていうのは意識しています」

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