『葬送のフリーレン』ベスト戦闘シーンは? アニメならでは魅力が光った展開3選
日本テレビ系アニメ『葬送のフリーレン』が3月22日に最終回を迎えた。アニメならではの美しいバトルシーンとしびれる物語の展開が同作の魅力のひとつといえるだろう。本記事ではそれぞれに“人類の勤勉さ”、“勇気”、“策略”を駆使した1期のバトルシーンを振り返ろう。
バラエティー豊かな戦闘に心奪われる!
日本テレビ系アニメ『葬送のフリーレン』が3月22日に最終回を迎えた。アニメならではの美しいバトルシーンとしびれる物語の展開が同作の魅力のひとつといえるだろう。本記事ではそれぞれに“人類の勤勉さ”、“勇気”、“策略”を駆使した1期のバトルシーンを振り返ろう。
まず紹介するのは、シーズン1エピソード3「人を殺す魔法」での、“人類の勤勉さ”を物語る痛快バトルだ。登場するのは1000年以上生きるエルフの魔法使い・フリーレンと、その弟子で人間の魔法使いフェルン、そして魔王軍に所属する魔族で“腐敗の賢老”と呼ばれるクヴァールである。
クヴァールはかつて、勇者ヒンメルたちとの戦いの末に封印されていたが、80年後に封印が弱まり復活することになった。クヴァールの開発した「ゾルトラーク(人を殺す魔法)」は彼が封印されている間に、大陸中の魔法使いたちに研究される。その結果、人類の魔法体系に組み込まれ、現在では一般攻撃魔法と呼ばれるほどに浸透したのだった。
フリーレンはフェルンに防御を任せる指示を出し、期待に応えたフェルンはクヴァールからの攻撃を見事に防ぎ切り、フリーレンの放った一撃によってクヴァールはあっけなく倒れることに。
アニメならではの大迫力の魔法演出は、フリーレンの魔力の強さをうまく表現している。すべてが終わったあとの静寂が、1000年以上生きてきたフリーレンの持つ時の長さを表現しているようだった。
シーズン1エピソード6「村の英雄」ではリーゲル峡谷沿いの村で暮らす青年・シュタルクにスポットライトがあたる。このバトルシーンのキーワードは“勇気”といえるだろう。
彼は、かつてフリーレンとともに旅をしていたドワーフの戦士・アイゼンの弟子であり、大岩を切り裂くほどの高い力を持っている。戦闘能力に恵まれ、フリーレンにも実力を見込まれているが、とにかく臆病なのだ。
にもかかわらず、シュタルクはリーゲル峡谷沿いの村の住民たちに英雄と持ち上げられている。3年前、村に出現した魔物・紅鏡竜が、シュタルクの姿を見て逃げ出したからだ。
そんなシュタルクに対しフリーレンは紅鏡竜の討伐に加わるように持ち掛け、彼は恐怖に震えながらも討伐に加わった。長い間世話になった村の人々のため、彼は覚悟を決めて紅鏡竜に挑んだのである。
アニメでは、紅鏡竜の巻き起こす風に乗って軽々と戦うシュタルクの姿が印象的である。その躍動感はもちろんのこと、シュタルクの髪や身に付けた衣服が紅鏡竜と同じ赤色なので、画面いっぱいに赤が広がり、思わず目を見張るほどの美しさだ。
結果として敵前から逃げず恐怖で震えながらも紅鏡竜討伐をひとりで成し遂げたシュタルクの姿に、フリーレンはシュタルクの師匠であるアイゼンの姿を思い出す。身体を震わせながら強敵に挑むアイゼンの「怖がることは悪いことではない この恐怖が俺をここまでつれてきたんだ」という言葉は、作中のなかでも名言のひとつとして数えられている。
そして最後に紹介するのは、七崩賢のひとりとして恐れられる魔族・アウラと、フリーレンの真剣勝負である。ここではフリーレンのある“策略”が光っており、彼女が「葬送のフリーレン」と呼ばれる理由も明かされている。さらにフリーレンと彼女の師匠である大魔法使い・フランメとの過去が描かれるなど、作中屈指の重要なパートといえるだろう。
シーズン1エピソード10「強い魔法使い」では、アウラがフリーレンに、自身の持つ「服従の天秤」を使い、自分より劣った魔力の相手を永遠に操るという「服従させる魔法<アゼリューゼ>」を使う。
しかし、フリーレンはフランメの教え通り、魔族を欺くために1000年以上も自分の魔力を制限し続けていたのだ。魔力を解放したフリーレンはアウラを圧倒するほどの魔力量だったため、アウラはフリーレンを服従させるつもりで逆に服従させられることになってしまう。アウラを服従させたフリーレンは「アウラ、自害しろ」と言い放つのだった。
大勢の人間の首をはね、死者たちの体を使い捨てのように扱ってきたアウラが、フリーレンの命令によって自ら首を切らなければならないという皮肉な決着となった。エピソード10の最後は、絶命し倒れるアウラの視界で終わっている。彼女は最後の瞬間に何を思ったのだろうか。
今回紹介したのは、“人類の勤勉さ”、“勇気”、“策略”が織り込まれたそれぞれ違ったタイプのバトルシーンである。さらにアニメならではのド派手な演出、美しい作画、そして音楽や声優陣の演技力により、本作のバトルシーンはより一層面白いものとなっている。