デビュー20周年の仲里依紗、転機になったYouTubeは登録者数198万人超「生きやすくなった」

劇場版長編第2弾『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』(3月20日全国公開)でゲスト声優を務めた俳優の仲里依紗(34)は今年デビュー20周年イヤーを迎えた。20年の転機はなにか。

インタビューに応じた仲里依紗【写真:冨田味我】
インタビューに応じた仲里依紗【写真:冨田味我】

現在は「自分らしく、自由に表現できている」

 劇場版長編第2弾『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』(3月20日全国公開)でゲスト声優を務めた俳優の仲里依紗(34)は今年デビュー20周年イヤーを迎えた。20年の転機はなにか。(取材・文=平辻哲也)

 2004年のデビュー以来、ドラマ、映画の出演をはじめ、モデルとしても活躍。自身のインスタグラム、YouTubeでは、家族との私生活が垣間見える投稿やファッショニスタとして人気を集め、マルチに活躍している。

「(長崎の)実家を離れて、東京に出てきて、20年。本当にあっという間でした。20年といえば、成人式ですからね。感慨深いですね。ただ、自分の想像だと、20年もいたら、スターなんだけどなと考えると、もっとやれることはあったかな、もっとやりたいこともあるなと思っています」

 06年公開の細田守監督のアニメ映画『時をかける少女』で主人公・真琴の声を担当して注目を集め、『純喫茶磯辺』(08)で第30回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。実写版『時をかける少女』(10)、『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』(10)では第34回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。現在もTBS系連続ドラマ『不適切にもほどがある!』が好評。秋放送スタートのNHK連続テレビ小説『おむすび』ではヒロイン(橋本環奈)の姉役も決まっている。

「今は以前よりも、自分らしく、自由に表現できているな、と思います。いろんな作品で評価していただいたり、ちょっと派手な役、キャッチーな役を演じたときのみなさんの反応を見て、こういう風にやっていいんだ、と思った部分はあります。後はYouTubeも大きいですね」

 20年に開設したYouTubeチャンネル『仲里依紗です。』では私生活も公開し、その飾らない性格、親しみやすさが受け入れられ、198万人を超える登録者がいる。

「芸能人ってファミレスとか行かないんでしょとか、みんなの芸能人に対する想像が、私の生活とかけ離れていたので、私はそんなものじゃないよ、みんなと一緒だよと言いたかったんです。芸能人だから、きれいなものしか見せないっていうのがイヤだったんです。それで、ありのままをお伝えしたら、みなさんに受け入れてもらえた。そういうことをやってもいいんだと思わせてくれたのがYouTubeだったんです」

YouTubeは「好きなことをやっているだけ。大変なことはない」【写真:冨田味我】
YouTubeは「好きなことをやっているだけ。大変なことはない」【写真:冨田味我】

 今や、仲は女優という存在を超えて、時代のアイコンとも言える。「昔の女優さんには、女優さんって、こうあるべきみたいなものがあったと思います。そういうものが時代とともに変わってきて、生きやすくなったとは感じます。見ている方も、自分らしくいられるきっかけになれば、と思いますし、誰かの背中を押せるような立ち位置になればいいなとは思っています。と、きれいごとを言っておきながら、私は好きなことを自由にやっているだけなんですけどね」と笑う。

 見ている方も、気持ちよくなるような爆買いも人気コンテンツのひとつだが、「それも、昔からやっていることなんです。うちの親に聞いてもらえばわかるんですけど、昔からお小遣いあげたら全部使い切る人だったので、今も全うしている感じですかね(笑)。私としてはみんなも欲しいでしょ、と思っているものを買っていますが、みんなのコメントは違いますけど(笑)」

 YouTubeは、家族の記録という面もある。

「撮っている時はただ食べているだけ、妹や友達としゃべっているだけ。大変なことは一切ないです。楽しい会話が思い出としてクラウドに残るのが嬉しいなと感じています。前の動画を見ると、息子の声が結構、変わっているのが分かって、キュンとします。ちょっと寂しくなった時は見返しています」

 今後も20周年イヤーが目白押し。新たなレギュラーラジオ番組、約6年ぶりとなるオリジナルブックの製作が進行中。今冬には初のファンイベントとなる『RIISA FES(仮)』を開催する。「やりたくても、やれなかったことを少しずつやっていければ、と思っています」と仲。人見知りの面は昔から変わらないそうだが、みなさんに感謝を伝える年にするつもりだ。

□仲里依紗(なか・りいさ)1989年10月18日生まれ、長崎県出身。『アイランドタイムズ』(2006)で映画デビュー。細田守監督のアニメ映画『時をかける少女』(06)で主人公・真琴の声を担当して注目を集める。『純喫茶磯辺』(08)でヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。実写版『時をかける少女』(10)、『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』(10)の2作品で第34回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な映画出演作に『モテキ』(11)、『ハラがコレなんで』(11)、『土竜の唄』シリーズ(14、16、21)、『羊と鋼の森』(18)、「生きてるだけで、愛。」(18)、『はるヲうるひと(21)、劇場版『TOKYO MER 走る緊急救命室』『白鍵と黒鍵の間に』『屋根裏のラジャー』(23)など。

スタイリスト:遠藤リカ
ヘアメイク:三浦咲衣(FLEURI)

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