【光る君へ】柄本佑、道長役で思わぬ反響「近所の花屋さんから」 プレッシャーだった大石静氏の言葉
俳優の柄本佑がこのほど、藤原道長を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(日曜午後8時ほか)の合同取材会に出席。第11回までの本作や道長の印象について語った。
合同取材会に出席
俳優の柄本佑がこのほど、藤原道長を演じるNHKの大河ドラマ『光る君へ』(日曜午後8時ほか)の合同取材会に出席。第11回までの本作や道長の印象について語った。
吉高由里子が千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を生み出した主人公・紫式部(まひろ)を演じる本作。紫式部の人生を描き、きらびやかな平安貴族の世界と懸命に生きて書いて愛した女性の一生を大石静氏の脚本で物語を紡ぐ。柄本演じる道長は、のちの最高権力者で、まひろの生涯のソウルメイトという役どころだ。
本作について「自分が出ている作品を見るのがなかなか苦手でして、客観的なことはあまり言えないんです」と述べつつも、「大石さんの書かれた台本がとても面白いです。まひろと道長のラブストーリーの部分で、気持ちは通じ合っているけれどもなかなか結ばれていかないところや藤原家の政治の部分が、面白い交わり方をしています。台本で読んでも、あっという間に終わっちゃうんですよね」と、脚本の印象を明かした。
また、完成したドラマも見ていると明かし、「面白くてスピーディー、かつ重厚なところもある台本に画がフィットしていて、見ている方もあっという間に感じていただける作品になっているんじゃないかなと思います」と手応えを語った。さらに、「監督によって、演出の違いがあって、僕は『あ、こんなふうにしたんだ』『この角度から攻めてるのか』とか、監督の個性みたいなものがしっかりあるんだなと感じました」と感想を口にした。
反響について問われると、知り合いに声をかけてもらったといい、「うちの近所の花屋さんと会って、『いや~面白いよ、すごい面白い』と言ってもらいました。今回のことで初めて知ったんですけど、その人もね、割と時代オタクなんですって。だから、そういう方の意見を聞けたのはとてもうれしいですね」と笑みがこぼれた。
柄本が演じる道長といえば、「学校の教科書に載っている偉い人」というイメージが強い。柄本自身も今作への出演が決まるまでは「時の権力者としての、ヒールっぽい」印象を抱いていた。しかし、大石氏からそのイメージを覆されたという。
「最初に打ち合わせをさせてもらった際に、道長に実は人間味があって、末っ子でのんびり屋だと言われました。兄たちが政治に向かって、自らも関わらないわけにはいかないけど、そこまで前に出ることはなくのんびり生きていくと本人は思っていた。そんな三男坊の道長が、あれよあれよという間にいろいろな関係で頂点にいってしまう、そういった道長像をやりたいんです、と」
さらに大石氏からは映画『ゴッドファーザー』の「(マイケル・コルレオーネを演じた)アル・パチーノみたいにしていきたい」と声をかけられた。「何がプレッシャーって、そっちの方がプレッシャーでした(笑)。しかもそのときね、何の因果かちょうど新文芸坐(東京・池袋の映画館)で『ゴッドファーザー PART II』を見たばかりだったんですよ。あれかい、と思って」と苦笑して、報道陣の笑いを誘った。
そんなのちの最高権力者となる道長について、柄本自身も「末っ子ののんびり屋だった」ことが道長の人物像の根底にあると説明し、演じるうえでの心がけを明かした。
「今まさに道長が奮闘している真っ最中で、あまりハッキリとしたことが言えないんですけれど、道長自身が『最高権力者だ』と思わないみたいなことが演じるうえで大事かなと。当然、上の立場として差配をしなくてはいけない瞬間はあります。でも、根っことしては、のんびり屋だったことが最高権力者をこれからやっていくうえで1番大事になってくると思います。そこの人間味がないと、最高権力者の道長をこれから演じてみても、どこかフワフワしたものになってしまうような気がしています」