元夫の江宏傑さん（35）から「長男の引き渡し」を求められていた卓球女子の五輪2大会連続メダリスト福原愛さん（35）が15日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で行われた記者会見に登場した。福原さん本人は冒頭のみ同席し、江さんと和解したことを発表。福原さんの代理人弁護士からは、和解に至った経緯について説明がなされた。

　少しやせて見える福原さんは冒頭に登場し、「この度はみなさんにご心配やご迷惑をおかけして申し訳ありません。この度、江さんと和解いたしましたので、ご報告させていただきます。これからは江さんと協力して子どもを育てていきたいと思います。みなさんには温かく見守っていただけると幸いです」と簡単なスピーチを行った。

　会見が始まってわずか5分。退席間際には深く頭を下げた。その後、会見を欠席した江さんのコメントが発表された。

「心からの感謝を伝えたいと思います。日本の裁判所が合理的な判断を下してくれたことに感謝します。また、ここで会見を開かせた後、たくさんの応援の声をいただきました。それが励みになりました」

　福原さんと江さんは、2016年リオデジャネイロ五輪後の9月1日に結婚。福原さんは17年10月に長女、19年4月に長男を出産した。だが、21年3月には福原さんと知人男性との不倫疑惑報道、江さん側にはモラハラ疑惑報道があり、同年7月に離婚を発表した。

　2人の子どもについては、離婚後も双方が親権を持つ「共同親権」とし、江さんと子どもたちは台湾で暮らしていた。

　その状況下、22年7月23日には福原さんが夏休みを利用して台湾へ。空港で面会した長男を日本に連れて帰り、江さん側は「1週間後に（福原さんが）連絡を絶った」「面会交流期間は夏休みが終わるまでとなっていた」などと主張していた。

　そして、23年7月27日に同協会で行った会見で、福原さんに対し、東京家裁から長男の引き渡しを命じる「保全命令」の判決が出たことを公表。「7月20日に日本の裁判所の審判結果を受け取りました。福原愛さんに対し、息子を私に引き渡すように命じる内容です。『早く息子に会いたい』ということを申し上げたいです」となどと語り、江さん側は長男の引き渡しに応じなければ福原さんを「未成年者誘拐罪で告訴する」選択肢も検討すると主張していた。一方で、福原さんの代理人弁護士（当時）は、国内の司法手続きは確定していないとし、「引き渡しは子どもの状態、意思などの利益を考慮して慎重に行わなければならない。突然、記者会見が行われたことに驚いており、子どもに悲しい思いをさせるものだ」などとするコメントを出していた。

　今回、和解に至った経緯については、江さん側の大渕愛子弁護士と福原さん側の酒井奈緒弁護士が説明した。

　江さんは、東京家裁での命令後も福原さんが長男を引き渡さないことで、刑事告訴に踏み切った。これを受け、福原さんは新たに酒井弁護士らに相談。酒井弁護士は「その前の民事事件については、私たちは知らないこと」と前置きした上で、「福原さんの行動は不適切であったと言わざるをえません」と指摘した。そして、「そのような行動をしたのは、この件を相談していた方から、そのようなアドバイスをされていたからでもありますが、私たちは率直に『そのような態度を改めなければダメだ』と伝えました。福原もそれで理解し、納得しました」と説明した。

　その流れで江さん側に和解を認め、刑事告訴を取り下げ、民事での争いも解決したとしている。