「法令破っているの一般車だよなあ」 路線バス運転士が理不尽な謝罪 ネットは怒り

路線バス運転士をしている同僚が一般車のドライバーから理不尽なクレームを受け、謝罪に追い込まれた。こんな投稿がいまネット上で大きな話題になっている。「これが路線バス会社のリアル」とつづった現役路線バス運転士のバビちゃん(@chuuken28kou)さんに詳しい話を聞いた。

バス運転士(写真はイメージ)【写真:写真AC】
バス運転士(写真はイメージ)【写真:写真AC】

現役運転士の投稿が反響 「なんで会社が謝罪するんだ?」

 路線バス運転士をしている同僚が一般車のドライバーから理不尽なクレームを受け、謝罪に追い込まれた。こんな投稿がいまネット上で大きな話題になっている。「これが路線バス会社のリアル」とつづった現役路線バス運転士のバビちゃん(@chuuken28kou)さんに詳しい話を聞いた。

「路線バス実車中
駐停車禁止の場所に一般車が停車
邪魔だったらしく運転士が外マイクで注意喚起
一般車の運転手から苦情の電話
事務所は全面謝罪
それでも一般車の運転手は納得せず
本人に謝らせろって言われ本人が謝罪

これが路線バス会社のリアル」

 10日、バビちゃんさんが事の一部始終をXで報告すると、事務所の対応に怒りの声が殺到。「なんで会社が謝罪するんだ?」「法令破っているの一般車だよなあ」「運転士が不足するのはこういうのもあるだろうね」「迷惑駐車は警察案件ではないの」「私もバス運転士ですが、全く同じことがありました」などの反応が続出した。

 バビちゃんさんによると、今回被害を受けたのは同僚の運転士だった。「場所は駅手前の混雑する交差点との間。一般車は子どもの送迎だったようです」と状況について明かした。

 バビちゃんさんから見ても、「謝罪するところが見当たらない」という事例なのに、なぜ、運転士の過失とされたのか。

 そこには事を荒立てたくない事務所側の意向があった。

「会社が社員を守らないのは運転士に謝罪させることで処理が簡単にできるからと思われます。警察や会社の上層部を巻き込むと面倒になります」

 この事務所では責任者が数年単位で異動。「波風たてずに過ごすのが一番」と、ことなかれ主義がはびこっていると嘆く。

 もちろん、同僚にとって謝罪は不本意だった。「納得いかなかったが、事務員に“謝罪すれば終わる”と説得されたようです」。日ごろは「基本的にメンタル強い」同僚も、さすがに落ち込んでいたという。

 バビちゃんさんは、路線バス業界の現状について、運転士が日々ストレスを蓄積させていると指摘する。

「客観的にふかんしてみると、昨今の運転士への細かいルール等による締め付けやお客からの苦情でストレスを抱えている運転士が多数います。ルールを無視した一般車がいると、ルールを盾にここぞとばかりにクラクションを鳴らしてストレス発散する運転士もいます。悪循環ですね」

 社会的にカスタマーハラスメント(カスハラ)が問題視される中、客とバス会社の関係について、「お客様は神様系は、金を払えば立場が上と思っている人が多い。会社側のお客様への配慮が過剰過ぎるのも原因かと」と話した。

 投稿が注目を集め、「これからも業界の問題点を発信していきたい」というバビちゃんさん。

 今後の対策として「やはり普段から警察に取締りしてほしい」と訴える一方で、「運転士が何も言わずに一般車をかわして通過することもひとつの手段だったかなと。そうしていれば結果的に謝罪することも無かっただろうし。ただ、コレでは問題を先送りにしているだけ。難しい問題です。こういう事例が運転士不足につながっているのが現状」と問題の根深さを指摘していた。

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