【虎に翼】伊藤沙莉、兄のオズワルド伊藤俊介と共演なら「重要人物にはしたくない」
俳優の伊藤沙莉が、主人公・猪爪寅子を演じるNHKの次期連続テレビ小説『虎に翼』(4月1日スタート、月~土曜午前8時)の取材会に出席し、役への思いや撮影の様子などを語った。物語は日本で初めて法曹界に飛び込んだ女性の実話に基づく骨太なストーリーを追いながら、事件や裁判が見事に解決される爽快感も味わえるリーガルエンターテインメント。まずは昨年9月28日のクランクインから半年たった心境を聞いた。
次期朝ドラ4月1日スタート 主人公は日本で初めて法曹界に飛び込んだ猪爪寅子
俳優の伊藤沙莉が、主人公・猪爪寅子を演じるNHKの次期連続テレビ小説『虎に翼』(4月1日スタート、月~土曜午前8時)の取材会に出席し、役への思いや撮影の様子などを語った。物語は日本で初めて法曹界に飛び込んだ女性の実話に基づく骨太なストーリーを追いながら、事件や裁判が見事に解決される爽快感も味わえるリーガルエンターテインメント。まずは昨年9月28日のクランクインから半年たった心境を聞いた。
「撮影が始まる前からいろんな人に『大変だよ』と脅されてきましたが、今のところ楽しい日々を送っていて、大変さより楽しさが勝っています。大変なことも皆で考えて作っていくので、とても充実した有意義な日々を過ごしています。支えてくださる方が大勢いて仲間意識があり、絆もどんどん深まっている気がします。この半年、楽しくていい人生でした(笑)」
ヒロインに決まって周りの反響はどうだったのか。
「法律をテーマにした朝ドラは『ひまわり』以来ですが、朝ドラでどう“法律ドラマ”をやっていくのか、周りには想像できていない部分があるようです。それが伝わるのが楽しみ。みんな早く4月にならないかなと言ってくれてうれしいです。『えっ! 面白い』と驚いてもらえる自信はあります」
ストーリーの魅力も尋ねてみた。序盤の女性の権利が弱い時代、いろんな立場の人の葛藤も描かれる。
「いろんな人の人生が入り混じり、立ちはだかるものも違い、夢も違う。そういう部分を一個一個丁寧にフォーカスしているのがすてきな部分。寅子が正解ばかりを出さないのも好きなところ。一歩外に出ると、寅子が抱える問題や疑問以上のものを抱える人がすごくあふれていて、そこを共有していくことで寅子も人間性が深くなり、考え方が広くなっていく展開がすてきです」
母を石田ゆり子、父を岡部たかしが演じる。現場の家族の雰囲気はどうだろう。
「すごくいいです。本当に消え物(劇中に登場する食事)がおいしくて、現場が普通に食事の場所になっているんです。食事シーンには、みんなご飯を食べずに参加し、撮影が終わっても次の撮影があるのに誰も動きません。『これおいしい』とか言って、ちゃんと家庭の食卓になっていて楽しい時間です」
ヒロインをどういう人物ととらえているのかも聞いた。
「人間らしいけど動物的と言いますか、すごく素直な人だと思います。『虎に翼』と言うだけあって、一番合っている法律の世界に入ったと思います。何かが変わる時は、興味、疑問からスタートすると思うんです。『何でこうなのか』『なぜこうならないのか』と。この感覚は寅子の持って生まれたもので、その世界に行くべき人。若い頃は思ったことをすぐに口にしたりしますが、発言をちゃんとできるのは後にいい作用が生まれたり、人の心を救ったりできる才能があります。それが備わっている人だから動かせることがあると感じます」
伊藤の顔が少し引き締まった印象だが。
「ここまで毎日、しかも長時間、人やカメラに見られると体に緊張感があるでしょうし、無いとだめだとも思っています。食べられないわけではないですが、次のシーンは緊張するから食べるより準備に時間をかけたいということが増えると、こうした感じになります。体重は1、2キロ減っています。でも今、とにかく生活が規則正しいんです。朝、スタジオに集合する時間や夜、終わる時間がルーティン化され、今まで睡眠は3時間で大丈夫だったのに、しっかり眠って体の調子がよくなりました」
最近、大河ドラマや朝ドラにお笑いタレントが出演し、高い演技力を見せている。伊藤の兄で、お笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介も近年、ドラマや映画に出演している。
「彼はアドリブを何回もやるのが恥ずかしいと相談してきたことがあるので、ぜひ、アドリブで闘ってほしいです(笑)。どうも同じボケを何回も言うのはお笑いの現場ではないらしく、別角度で同じボケを言うのが恥ずかしかったようです。最近も生意気にもお芝居の仕事をしているうわさを聞くので、楽しんでほしいです」
『虎に翼』で兄と共演してみたいという思いはあるだろうか。仮に出演となったらどうか。
「あまり重要人物にはしたくないです。通り過ぎていく人をやって頂きたいです」
座長としてどう兄と接するのか。
「先輩面をしようかと思います(笑)」
最後に伊藤にとって『虎に翼』は俳優人生において、どんな位置づけになりそうか尋ねた。
「確実に代表作だと思います。昔、参加したワークショップである人の人生を映画化する際、その人にとって絶対に外せないと思うワンシーンを演じる講義がありました。私の人生を描く上でも今は絶対に外してはいけない期間だと思います。私自身、少しだけですが人間的に成長している気がしていて、人との関わり方や、ものの伝え方も学んでいる期間であり、この期間中に私は30歳になりますし、すごくいろんなことが折り重なった日々になっています。生涯で、今後いろんなことをやらせていただくとしても、トップで大事な作品になると思います」