俳優の橋本環奈が2月29日、都内で行われた舞台『千と千尋の神隠し』製作会見に上白石萌音、川栄李奈、福地桃子らとともに出席した。

『千と千尋の神隠し』は2001年7月に公開された宮崎駿によるアニメーション映画。10歳の少女・千尋が、神々の世界に迷い込み豚の姿に変えられてしまった両親を救う為に懸命に働き、生きる力を呼びさます姿を描く。

　22年に英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアードによる翻案・演出で初めて舞台化。千尋役は橋本と上白石が演じたが、24年公演はオーディションで選ばれた川栄と福地を加えた4人でローテーションを組む。

　カンパニー初参加となった川栄と福地は、ワクワクと不安を抱きながら稽古場へ。川栄は「不安も大きかったけど、環奈ちゃんと初めて稽古場で会ったとき（私よりも）年上かな？　と思うくらい悩みを聞いてくれて、“スナック環奈”みたいな状態。私と桃ちゃんの悩みや大変なことをひたすら聞いてくれた。本当に（私よりも）年上だな、先輩だなと思っていました」と告白。福地も「会って2日とかで悩みを聞いてくれた」と感謝した。

　川栄は続けて「『大丈夫っしょ！　できるよ！　いけるっしょ！』みたいな感じで、本当に明るくて」と橋本のポジティブさに背中を押されたことを紹介すると、上白石も「私も橋本環奈の『大丈夫だよ』を聞きます。これで励まされてしまいます」とにっこり。取材中、上白石が「大丈夫って言ってよ」と催促する場面もあり、橋本は「言わせるの好きでしょ？」とツッコみながらも、笑顔でリクエストに応じていた。

　22年の上演された本作で、初舞台となった橋本。「語り尽くせないほどの思い出がある。私にとってかけがえのない作品となりました。大変なこともあったけど、一言では語りきれない経験をした。幸せ」といい、「大切な千尋を今回も演じることができて本当にうれしい」と続投を喜んだ。

　国内での公演に加え、初の海外公演として英国での上演も決まっている。「正直、まだ想像できない部分もある。会場の写真を見てもまだ実感がない」としたが、「言葉が通じなくても楽しいと思う。世界中のみなさんに楽しんでほしいです。どれだけ期待していただいても、それを裏切らない作品になっている」と自信をにじませた。

　本作は11日に東京・帝国劇場での公演を皮切りに、愛知、福岡、大阪、北海道、そして英国で上演される。

※宮崎駿の「崎」の正式表記はたつさき