高嶺のなでしこ、メジャーデビューで目指す舞台「ラスアイでかなえられなかった夢を」
TikTokなどSNS上でバズった楽曲『可愛くてごめん』の公式カバーミュージックビデオ(MV)が1300万回再生を突破し、昨年末にはフジテレビ系音楽特番『2023FNS歌謡祭』に出演するなど勢いに乗るアイドルグループ・高嶺のなでしこは、オーディションによって選ばれた7人に元ラストアイドルの3人を加えた10人で活動している。2024年2月21日には『美しく生きろ/恋を知った世界』で待望のメジャーデビューを果たした。22年8月の結成から約1年半。彼女たちはどのような思いで活動を続けてきたのだろうか。
2月21日に『美しく生きろ/恋を知った世界』で待望のメジャーデビュー
TikTokなどSNS上でバズった楽曲『可愛くてごめん』の公式カバーミュージックビデオ(MV)が1300万回再生を突破し、昨年末にはフジテレビ系音楽特番『2023FNS歌謡祭』に出演するなど勢いに乗るアイドルグループ・高嶺のなでしこは、オーディションによって選ばれた7人に元ラストアイドルの3人を加えた10人で活動している。2024年2月21日には『美しく生きろ/恋を知った世界』で待望のメジャーデビューを果たした。22年8月の結成から約1年半。彼女たちはどのような思いで活動を続けてきたのだろうか。(取材・文=中村彰洋)
――メジャーデビューおめでとうございます。決まったときの心境をお聞かせください。
松本ももな「1周年のライブでメジャーデビューできることを知りました。ファンの方たちと同じタイミングで知ったので、一緒に喜びを分かち合えたことがすごくうれしかったです。メジャーデビューは目標の1つでもあったので、これから活動の幅が広がっていくのがすごい楽しみです。私は元ラストアイドルですが、そこでかなえられなかった夢を、たかねこの10人、いつも支えてくださるファンの方と一緒に実現できるように頑張っていきたいです」
城月菜央「メジャーデビューというものが初めてだったので、今こうして取材を受けていることでも緊張してます。皆さまに、応援していただけるように頑張って活動したいです」
星谷美来「結成当初から2年で武道館に立つという目標を掲げていました。まさかメジャーデビューのお話をいただけるとは思っていなかったので、本当に驚きました」
――メジャーデビューシングル『美しく生きろ』はとてもメッセージ性が強い楽曲に感じました。
葉月紗蘭「この曲は、メンバーがオーディションやこれまでのインタビューなどで発言した言葉が歌詞に散りばめられているんです。サウンドプロデュースを務めているHoneyWorksさんの『このアイドルはこうあってほしい』という意思が込められています。強さだけではなく、弱さだったりも描かれているので、そういう部分にも注目してほしいです。HoneyWorksさんが、高嶺のなでしこに対して、強いメッセージ性のある楽曲を書いてくださったことがとてもうれしかったです。歌詞にも『高嶺のなでしこ』と入っている通り、たかねこだけが歌えるこの楽曲をぜひたくさん聞いてもらいたいです」
――結成から約1年半がたちましたが、これまでにあった印象的な瞬間を教えてください。
日向端ひな「4月に他のアイドルさんを招いた『全国お招きツアー』を開催させていただきました。お互いに楽曲交換をして披露させてもらったんですけど、練習期間が短かったりするときもあって、ものすごく大変でした。でも、そういう経験をしたからこそ、さらに一致団結してみんなで高め合うことができました。私たちにとってすごく成長できたツアーでした」
籾山ひめり「2023年の夏は、たくさんの対バンライブなどに出演させていただきました。高嶺のなでしこは、すごく盛り上がる楽曲というよりも、聞いて感動してもらうような曲が多かったので、夏フェスでどうやって戦っていけばいいのかということを2022年の夏に悩んでいたんです。『どうやってコールしてもらえばいいのかな』とか、『私たちがどうやって動いたら盛り上がってくれるのかな』などをすごく考えた夏でした。
他のアイドルさんと比べることがすごく多かったです。私たちの前に出演したアイドルさんが盛り上がっているのを見ると、どうしても『私たちって全然何もできてないんじゃないかな』と不安を感じていました。でも、たくさんメンバーで話し合って、少しずつライブ仕様の楽曲が完成していった2023年だったと思っています。とても成長できた1年でした。ファンの方々も私たちにすごく寄り添ってくださって、一緒に作り上げていけた1年だったなと思います」
――高嶺のなでしこならではの魅力を教えてください。
橋本桃呼「HoneyWorksさんがサウンドプロデュースしてくださっていることが、強みだと思っておます。『可愛くてごめん』というすでにバズっていたすてきな曲を高嶺のなでしこの10人でカバーさせてもらうこともできました。後は10人全員の個性が全く違うんです! 顔の系統もバラバラで、覚えやすいと思うので、これも魅力の1つだと思っています。バラエティーに適している、歌がすごくうまい、ライブで光る、モデルができるなどマルチに活躍できるメンバーがたくさんいるので、推しメンが見つかりやすいと思います!」
――10人という人数も珍しいと思いますが、苦労などはありますか。
橋本「こういうインタビューで誰がしゃべるかのタイミングが……(笑)」
籾山「点呼をたくさんされますね。エレベーターに乗ったとき、マネジャーさんが全員いるか確認するときとか(笑)」
――元ラスアイの3人(松本、橋本、籾山)にお聞きします。当時の経験はどのように生きていますか。
橋本「とにかくつらかった思い出が多いです(笑)。でも、アイドルとしての経験を積ませていただいたので、“場慣れ”という部分はすごく生きているなと思います。トークだったりの部分で、みんなのことをサポートできているかなと思います」
――3人はラスアイ時代から仲が良かったのでしょうか。
籾山「(ラスアイ内での)グループも違ったので、1回も話したことないんじゃないかって感じでした。“さん付け”で呼ばれていたぐらいです。私も2人に話しかけられるような距離感ではなかったので、3人が顔を合わせたときは、『あ、一緒にやるんですね』みたいな感じでした(笑)。こんなに仲良くなれると思っていなかったです」
――アイドル経験者の3人から教わることも多かったのでしょうか。
春野莉々「私たちがここまでこれたのは、3人のおかげと言っても過言ではないぐらいです。私は初心者だったので、マイクの持ち方すら分からないところからのスタートでした。MCでも私たちは全然しゃべれなかったので、率先して話してくれたり、話を振ってくれたり、ダンスも詳しく教えてくれたり、本当に3人がいなかったら、今の私はいないです。本当に本当に尊敬していて、本当に大好きです!」
籾山「たかねこは本当にメンバー1人1人の努力がすごいなと思います。初心者だったメンバーも今では同じ振り入れの時間で全員が覚えられるぐらいまでに成長していて、本当にすごいと思います。私はラスアイで3~4年活動して、やっとMCをできるようになったくらいなのに、みんなは自分の立ち位置を把握しながら、立ち回りもできる。『なんてすごいんだ。なんて素晴らしいんだろう』と思いながらいつも見ています(笑)。
ラスアイでは最年少で、恥ずかしかったり、緊張してしまって、発言したりすることが苦手でした。そういう経験もしてきたからこそ、たかねこでは全員に輝いてほしいなと思っています。なので、MCをするときには全員に話を振りたいなとか思いながら活動しています」
高嶺のなでしこの知名度向上へ「いろんな方から愛されるグループでありたい」
――『可愛くてごめん』で知名度が急上昇しましたが、反響はいかがでしたか。
東山恵里沙「私たちがカバーさせていただく前から有名な楽曲だったので、フェスとかでも『あ、この曲知ってる』と足を止めて見てくださる方がいらっしゃいました。そこで、たかねこを知って、好きになってくださったり、TikTokでもたくさんの反応をいただいて、日本だけではなく、海外の方にもたかねこの輪を広げられるきっかけになりました」
春野「あっという間にYouTubeでの再生回数も100万回を超えて、今では1000万回も突破していて、『すごい楽曲をカバーさせていただいてるんだ!』と改めて実感しました」
――2、3月にはマカオで海外初ライブですね。
橋本「そもそも何の荷物を持っていけばいいかすら……(笑)」
一堂「そうそうそうそう!」
橋本「日本ではない場所で、日本語で歌うので、お客さんとの熱量に差があるんじゃないかなとか不安の気持ちもあります。でも、だからこそ高嶺のなでしこの楽曲の良さを知ってほしいです。曲だけではなく、みんな顔もいいので! そういうところにも注目して、マカオでも人気になりたいです!」
――昨年末には『FNS歌謡祭』に出演されましたが、反響はありましたか。
涼海すう「メンバーのSNSフォロワー数がすごい増えました。個人的には、アイドルをしていることを学校では、隠していた……というか言ってなかったんです。でも徐々にバレ始めて『FNS出てた?』と連絡がきました(笑)。大阪から東京に引っ越してきたんですけど、『FNS』を見た大阪の友達からも連絡がきて、久しぶりに連絡が取れてうれしかったです。『あ、ついにバレたか』って(笑)」
星谷「私も今年の成人式後の同窓会で5年ぶりに会った同じ中学校の友達から『友人がたかねこのライブ見に行きました』って(笑)。それまで一切連絡も取っていなかったし、会ってもいなかったので、すごくうれしかったです。身近な友達が高嶺のなでしこを知ってくれたんだと実感できて、びっくりしました」
葉月紗蘭「『FNS』に出るときに、話したこともない子から声を掛けられたり、地元に戻ったときに、何も伝えてないのに、知っていてくれたりして、すごくうれしかったです。アイドルになったことを友達にも全く言っていなかったので、受け入れてもらえないかなとか思ったりもしていたんですけど、全くそんなことはなくて、すごく応援してくれました。メンバーやたくさんのファンの方にも出会えて、アイドルを始めて良かったなと思っています」
――これまで、アイドルをやっていて良かったと感じる瞬間はありましたか。
松本「私たちを好きでいてくれて、味方でいてくれて、ステージ上で輝かせてくれるファンの方々がいてくれて、すごくうれしいです。『ももながアイドル卒業するまでファン続けるよ』と言ってくださる方もいらっしゃって、本当にいつも支えてもらっているなと実感しています。大切なファンの方との出会えたことが、アイドルをやっていて本当に良かったち思う瞬間です」
橋本「ラストアイドルが活動終了して、正直、私はあまりアイドルらしい性格ではないと思っていたので、続けようか迷っていました。でも、本当にファンの人ってなんでもお見通しなんですよ。そういう悩んでいるタイミングに限って『桃呼ちゃんがアイドルしてる姿が1番好きだよ』とか言ってくるんです(笑)。そういう言葉で『やっぱりアイドルが好きだな』って思えたんです。たとえファンの方が1人になったとしても、その人のためにアイドルを続けたいです」
――高嶺のなでしこをこれからどんなグループにしていきたいですか。
涼海「メンバーそれぞれに個性があって、得意なものがあって、すてきだなと思っているので、個人個人がそこを伸ばしていって、テレビや広告などに出ていけるようになりたいです。グループでのお仕事もうれしいですが、個人個人がそれぞれの場所で輝けるようになったらいいなと思っています」
東山「十人十色ですてきなメンバーがそろっているグループだと思うので、メンバーの誰かにまずは興味を持ってもらって、そこからグループを詳しく知ってもらえればいいなと思っています。HoneyWorksさんがサウンドプロデュースをしてくださっていたり、心強い部分がたくさんあるので、そういうところを生かして、高嶺のなでしこの魅力をたくさん伝えていける1年にできたらいいなと思っています」
籾山「テレビ番組だったりに出演させていただけることに感謝の気持ちでいっぱいです。高嶺のなでしこがもっと大きくなって、『あ、たかねこ呼びたいな』と思われるようなグループになりたいです。10人そろったときに『なんかすてきだよね』って思われるような、いつまでもいろんな方から愛されるグループでありたいです」
□高嶺のなでしこ 2022年8月にJDOLオーディションで選抜された7人と元ラストアイドルの3人の10人で結成。HoneyWorksがサウンドプロデュース、スペシャルサポーターを村重杏奈が務める。数多くのオリジナル曲もリリースし、TikTokの総再生回数は1.5億回を超える。24年2月21日には『美しく生きろ/恋を知った世界』でビクターエンタテインメントより待望のメジャーデビューを果たした。