『めぐる未来』原作者・辻やもり氏「ドラマの力」を実感 アンダーグラフ真戸原直人との対談実現
俳優の萩原利久主演、早見あかり共演の連続ドラマ『めぐる未来』(読売テレビ・日本テレビ系、木曜午後11時59分)は「愛する妻はなぜ死んだのか?」を巡って物静かな男が“病の力”で妻を救おうともがく、新感覚タイムリープ・サスペンスだ。話題を集める同ドラマの原作者・辻やもり氏と原作のコマを使用した『めぐる未来』TVドラマ化決定ティザーPRのナレーションを担当したロックバンド・アンダーグラフの真戸原直人の緊急対談が実現した。
アンダーグラフ真戸原直人との対談が実現
俳優の萩原利久主演、早見あかり共演の連続ドラマ『めぐる未来』(読売テレビ・日本テレビ系、木曜午後11時59分)は「愛する妻はなぜ死んだのか?」を巡って物静かな男が“病の力”で妻を救おうともがく、新感覚タイムリープ・サスペンスだ。話題を集める同ドラマの原作者・辻やもり氏と原作のコマを使用した『めぐる未来』TVドラマ化決定ティザーPRのナレーションを担当したロックバンド・アンダーグラフの真戸原直人の緊急対談が実現した。
――初対面ということですが真戸原さんから辻先生へ聞いてみたいことはありますか。
真戸原「漫画をゼロから作るとき、エンディングは一番最初から決めているんですか?」
辻「『めぐる未来』に関しては最初に結末を決めて、そこから逆算で描いていきました」
真戸原「途中書いていて、大きくストーリーを変えようとか、っていうのはありました?」
辻「『めぐる未来』では大きく逸れることはなく、最後まで描くことができました」
――真戸原さんがティザーのナレーションをやると聞いたときの心境はいかがでしたか。
辻「『アンダーグラフの方がやってくれるのか!』と驚きました。最初は主題歌かな~と思ったのですが……」
真戸原「僕も思いました! あ、違うか~って(笑)」
辻「とてもぜいたくなナレーションで、ティザーの段階からすでに作品のことを考えて作ってもらえたのはうれしかったです。真戸原さんの声もシリアスサスペンス感が出ていて良かったです。アンダーグラフさんの音楽を初めて聞いたのが小学校の音楽の授業だったのですが、まさかこのような形でつながるとは思わなかったのでびっくりしています」
真戸原「小学校のときに聞いてくれていた人が、先生になるなんて時代の流れを感じます(笑)。長く音楽をやっていなかったら、こういう出会いもなかったですし、ティザーのナレーションも、ミュージシャンとして経験してきたことなど最大限活かしてやろうと思いました」
――真戸原さんのナレーションが入ったティザーを初めて見たときどうでした。
辻「自分のコマが使われると思ってなかったので、それがうれし恥ずかしかったです。でもすごいすてきなティザーで、真戸原さんの声とドラマチームの方が作る作品の世界観や方向性が合っていたのでドラマがより一層楽しみになりました」
――ここまでのドラマで好きなシーンは。
真戸原「めぐるの『未来くんが泣いてる姿を見たことがなかった』というシーンですが、結婚した2人でも知らないところがあるのは当然ですし、普段感情をあまり出せない人が、ふと見せた感情を見たときに喜びのような悲しみのような、一言では言い表せない、いろんな意味があるセリフだなと僕は感じました」
辻「原作のときはそこまで考えずに描いていました(笑)。そこはもうドラマの力だと思います。僕も普段感情をそこまで出すわけではないのですが、漫画を描いていく上で、未来と近づいているところはあるかもなと感じています」
真戸原「僕は自分で歌を作って歌うことが多いので、あまり外れたこと言えないですね。たとえば普段お酒を飲んでるのに、歌に乗せる時にお酒は一切飲みませんのようなことは言わないですね(笑)。原作を書いてドラマになっていくのは、曲を書いて違う方に歌ってもらうような感覚に近いのかなって思ったりはします。誰かのフィルターを通して伝えたいことを伝えているような感覚なのかなって思うと、気持ちよく自分じゃないものを出せるっていうのは結構快感だったりしますか?」
辻「そうですね。キャラの数だけやっぱりいろんな自分を出せる部分もあるし、全然思ってないことを言わせたり、逆に本音を言わせたり、描いてる中での楽しみではあります。展開で何か伝えたいことをキャラクターに言わせたり、遠まわしに言う場面やダイレクトに言う、みたいなものが漫画を描いていて楽しいですね。逆に歌詞もダイレクトに書いていたりしますか?」
真戸原「もちろん全部が本当というわけではないと思うんですけど、自分を通して、伝わる言葉なので、そんなに危険なことはできないんですね。責任が全部僕が乗るっていう感じなので(笑)。キャラクターに対して、この言葉を当てるっていうのを考えるのは、めちゃくちゃ楽しそうだろうなって聞いていて思いました」
真戸原の音楽活動との向き合い方「自分にプレッシャーかけないように」
――もし真戸原さんを『めぐる未来』に登場させるとしたらどんなキャラをイメージしますか。
辻「かっこいいお兄さんの感じを持っておられるので、主人公の良き理解者で、一言何かかっこいいセリフを言って、主人公がハッとするみたいな。でも事件の鍵を知っているばかりに、途中で死んじゃうみたいな(笑)。最後はバッドエンドみたいな」
真戸原「そういう最悪な最後いいですね(笑)。もしモデルとして、使ってもらえるなら最悪な人間で、『こんなやつ大嫌い』って言われるキャラでもうれしいです」
辻「一つ真戸原さんに聞きたいのですが、長く音楽活動とか続けられてて、僕は長くなるべく作品を作っていきたいという思いがあるのですが、真戸原さんは心がけていることや大切にしていることはありますか?」
真戸原「実は目標を持たないんですよ。そういうのが苦手で、5年後の自分はこうだ。というようなものを持たずにずっとやってきたんです。ただ僕自身は続けていくことが目標だったんでそのために、あんまり自分にプレッシャーかけないようにしています。曲書く人なんですが、書けないときはもうはっきり『書けない!』と諦めます。やっぱり長くやるって休まないといけないと思います。マイペースっていうのを覚えるのがいいんじゃないかなって僕は思います。まあ、周りを敵に回しますけどね(笑)。自分の好きなことが嫌いにならないために、距離を置くといったことも大事になってきます」
――『めぐる未来』の漫画を読んだ最初の感想をお伺いできますか。
真戸原「『めぐる未来』という曲名のようなタイトルに惹かれました。僕の中の漫画ってもっと派手なタイトルのイメージがあったんですが、曲名みたいで引き込まれました」
辻「タイトルから本気で考えたのでめちゃくちゃうれしいです」
真戸原「実際に読んでみると、登場人物の『・・・・』の数が気になって全員が犯人に見えたりしていました。作品に没頭してみちゃいました。あと、僕が曲を作るとき、たとえばアップテンポの曲の中にもっと違うテーマを入れたりしているので、辻先生もサスペンスやタイムリープ以外に何か違う別のテーマがあるんじゃないかって見たりもしていました」
辻「めっちゃうれしいです。漫画の中にキャッチーな要素もありつつ、でも『こういうのを本当は入れて』みたいな、そういう思いを持っていました」
――最後にお互いにエールをお願いします。
辻「いつかまた、作品同士で混じり合えたらいいなと思ってます」
真戸原「これから忙しくなると思うんですけど、ぜひ今の仕事を嫌いにならないように続けていってもらえたらと思います。作品同士で混じり合える日が来るのを楽しみにしています」
□アンダーグラフ 2000年に地元である大阪(枚方・寝屋川)にて結成。メンバーは真戸原直人(vo、g)、中原一真(b、cho)、谷口奈穂子(ds、per、cho、vo)の3人。04年のデビュー曲『ツバサ』が世代を超えて支持され、13年『弱虫ペダル』ED曲『風を呼べ』など多くのタイアップソングを書き下ろし、リリースする。15年には『NHK みんなのうた』に『こころ』が使用される。また、音楽活動を行う傍ら、青年海外協力隊の海外視察など、社会支援活動への参加も行なっている。24年1月よりデビュー20周年企画として「The Acoustic Request Live」を実施。2月21日に、アミューズメントメディア総合学院CM タイアップ曲『新しい自分へ』を配信リリースする。9月22日には「Debut 20th Anniversary Live」としてCOTTON CLUBでの公演を控えている。
記事提供:読みテレ(https://www.yomitv.jp/)