歌舞伎俳優の中村勘九郎、中村七之助、中村鶴松、中村虎之介が23日、『歌舞伎町大歌舞伎』の記者懇親会に出席した。新宿の歌舞伎町で開業1周年を迎えるTHEARER MILANO-Zaで、歌舞伎を上演する。

　もともと新宿は、1945年の空襲後に戦災復興事業として劇場や映画館などの娯楽機能を集中させる動きがあり、歌舞伎の劇場の誘致を図っていたことから、『歌舞伎町』と命名された。今回は歌舞伎町の地で、舞踊『正札附根元草摺（しょうふだつきこんげんくさずり）』『流星（りゅうせい）』、落語の『貧乏神』を題材にした新作歌舞伎『福叶神恋噺（ふくかなうかみのこいばな）』を上演する。

　新宿での思い出を聞かれた勘九郎は、「ロボットレストランに行ったよね、面白かったよね」と、歌舞伎町にあったロボットやダンサーがパフォーマンスショーを行うレストランに行ったことがあると告白。後輩を引き連れて行ったといい、七之助は「舞台が真ん中にあって、客席が対面で（舞台を）挟んでいるんですよ。チケットの関係で全員が一列に並べなくて、向こうの席に座っている人たちの騒いでいる姿がとっても滑稽で（笑）。歌舞伎の役者さんって、『こういう方が歌舞伎見に来てくれたらうれしいな』って思うくらい盛り上がる。一般のお客さんの10倍くらい盛り上がるから」と、後輩たちの盛り上がる姿に笑ったという。

　勘九郎が「歌舞伎町は特殊な店が多いので、飲むとなったら花園やゴールデン街の方に移動するかな」と話すと、突然七之助が、「この間、びっくりしたことがあったんだ！」と何かを思い出した様子。七之助は、「ゴールデン街の、1本ずつ道がある中で、『1本1軒行こう』という計画を立てまして」と、ゴールデン街で飲んでいたという。

「1軒目はまずはスタンダードなところで飲んで、2軒目は歩いてふっと見て、なんか足が止まったんです。『ここだ！』って。本当に全然分からない、2階の扉をカチャって開けたら、『あら、どうしていらっしゃったんですか？』って言われて。父も行っている所だったんです」と、父・十八世中村勘三郎さんの行きつけのお店にたまたま入っていたという。「『お父様のボトルもありますよ』って。これはびっくりしましたね。こういう縁があるんだなって、今思い出しました」と振り返った。

　また、ホストのオーナーが友人だという勘九郎は「ホストクラブに男だけで行きました（笑）」と語り、「ホストの方も仕事なんでしょうね、男にもちゃんと命がけでコールをしてくれました。これ、楽しい！　女の人ならハマっちゃうかもしれない」と明かした。

　今回の歌舞伎町での歌舞伎上演にあたり、ホストが宣伝に使用するアドトラックでの広告も提案されたという。七之助から「ホストっぽく？」と聞かれた勘九郎は、「もちろん、ホストっぽい写真で」と笑い、虎之介は「白いスーツとか着てやりたい」とまんざらでもない様子だった。