「カッコつけてアメリカ行くんじゃねぇよ」は食わず嫌い 箕輪ひろばが朝倉兄弟ジムの海外化に納得したワケ
格闘家の箕輪ひろば(25=総合格闘技道場STF)は今月28日に行われるONEの日本対会「ONE 165」で元レスリング五輪代表選手のグスタボ・バラート(36=ATT/キューバ)と対戦する。箕輪が所属ジムとは別にトレーニングを積んでいる「JAPAN TOP TEAM」ついて話を聞いた。
箕輪ひろばは今月28日に元レスリング五輪代表選手のグスタボ・バラートと対戦
格闘家の箕輪ひろば(25=総合格闘技道場STF)は今月28日に行われるONEの日本対会「ONE 165」で元レスリング五輪代表選手のグスタボ・バラート(36=ATT/キューバ)と対戦する。箕輪が所属ジムとは別にトレーニングを積んでいる「JAPAN TOP TEAM」ついて話を聞いた。(取材・文=島田将斗)
箕輪は2020年10月、コロナ禍でONEに参戦。2連勝を飾っていたが、ここ2戦は連敗を喫した。自身のジムで練習する傍ら、朝倉兄弟の所属する「JAPAN TOP TEAM」でもトレーニングを積んでいるストロー級(57キロ以下)のファイターだ。トライフォース赤坂(現在はJAPAN TOP TEAM)との出会いをこう明かす。
「ONE参戦のタイミングが新型コロナとかぶってしまって、どこにも出稽古にいけないってなったときに試合のオファー(リト・アディワン戦)をそのままもらってしまいました。練習をしなければいけない状況のなかでストライキングが強くて腰も強い選手で対策したいとなったときに国内で朝倉海選手だろうと。
日本ではロックダウンは明けていたけど緊急事態宣言が発令されていました。『一緒に練習してくれない?』って海くんに相談したら、未来くんと海くんとヒロヤくん、西谷くんで『朝練をしてるから来なよ』って言ってくれて、それで行かせてもらうようになりました」
トライフォース赤坂は23年10月に「JAPAN TOP TEAM」にジム名を変更、エリー・ケーリッシュら海外コーチを招へいした。MMAやグラップリング面では元UFCファイターの中村K太郎や元五輪レスリング代表の宮田和幸氏がインストラクターを務め、立ち技部門ではRISEの現ISKA K-1ルール 世界ライトウェルター級王者の原口健飛がコーチを務めている。各部門のトップを集め、文字通りトップチームと化した。
「いままで自分にとってはスパーリングをする場所でした。JTTに変わってからはカリキュラムを組んで選手を育成する場所になりました。簡単に言うと、授業が午前中にあります。午後練は各々のトレーナーと選手が予定を合わせて、もう1度練習をする。彼ら(JTT所属選手)に合った練習メニューをやっていますね。僕は午前のレッスンを受けて、月曜日はミットも持ってもらったりしています。すごく良いと思います」
ジムの体制が変わってすぐに結果が出るわけではないが、昨年大みそかに行われた格闘技イベント「RIZIN.45」の結果だけを見るとJTT勢は3勝(ヒロヤ、ヴィンス・モラレス、朝倉海)している。なかでもヒロヤは修斗2階級同時王者の格上・新井丈をKOする大金星をあげた。力を証明しつつあるが、箕輪はトップチーム化に実は反対していた。
「日本人が外国人のまねをしたところで強くならないというのが僕の意見なんですよ。体格もそうだし、練習をしない方が良いっていう風潮もある。僕はそれに反対で練習はすればするほど良いと思っています」
その思いはいまも変わっていない。しかしエリーら海外コーチのテクニック指導は想像を超えてきたようで「彼らの技術はやっぱりすごい」と称賛する。ファイターとして考え方が変化した。
「教えてもらって自分が使える技術かどうかは自分が選択すればいいだけ。授業は受けられるだけ受けていた方がいいなって思うように変わりましたね。『俺らはこうだから』『カッコつけてアメリカ行くんじゃねぇよ』って食わず嫌いだっただけ。いまは取捨選択をするように考え方がシフトしていますね」
次戦の相手バラートは堀口恭司もいるATT所属のレスラーで現在、3連勝中。日本人選手では猿田洋祐、澤田龍人も敗れた。この一戦へかける思いを明かした。
「僕は2連敗しているので、多くを語る必要はないと思っているんですけど、そのなかでも目の前の試合には勝たないといけないと思っています。かつてストロー級4強と言われていた僕なので、そこ(4強)とは違うっていうところを見せないといけない」