TBS上村彩子アナ、東京五輪延期で落胆も励まされた選手たちの姿勢「プラスに考えている」
「Sportsには世界を1つにするチカラがある。」をテーマに、スポーツの魅力を伝えるTBSの大型スポーツ番組「S☆1」(土曜深夜0時30分、日曜深夜0時)。新型コロナウイルス感染拡大の波がさまざまなスポーツにも影響を及ぼしている中、スポーツ報道の前線にいる人々はなにを思うのか。「S☆1」に出演するTBS上村彩子アナウンサーに、スポーツ報道の今、そして延期が決まった東京オリンピックへの思いを聞いた。(前編)
TBS「S☆1」「SUPER SOCCER」を担当する上村彩子アナウンサーにインタビュー
「Sportsには世界を1つにするチカラがある。」をテーマに、スポーツの魅力を伝えるTBSの大型スポーツ番組「S☆1」(土曜深夜0時30分、日曜深夜0時)。新型コロナウイルス感染拡大の波がさまざまなスポーツにも影響を及ぼしている中、スポーツ報道の前線にいる人々はなにを思うのか。「S☆1」に出演するTBS上村彩子アナウンサーに、スポーツ報道の今、そして延期が決まった東京オリンピックへの思いを聞いた。(前編)
――新型コロナウイルスの影響で、日本のスポーツが停滞してしまう期間がありました。この状況についてどう感じていましたか
上村アナ「まずは、スポーツのニュースを伝えるというのは日常があるからこそ成り立っていたことなんだなと強く感じました。悲しいニュースが多かったですね。インターハイ中止、甲子園もなくなって……。サッカーも始まったかと思ったらすぐにストップ、プロ野球も開幕延期になってしまって。スポーツが当たり前のように存在した日常が、一挙に崩れてしまったことが悲しかったですね。
特に東京オリンピック・パラリンピック。自分が2015年に入社してから、“5年後にあるもの”だと思って自分の中でも勉強してきたつもりだったので。手帳を書いているのですが、開会式の日を消した瞬間、『ああ、本当に延期になっちゃったんだ』と初めて自分の中で現実味を帯びてきました。その日は1日落ち込みましたね」
――気持ちを切り替えるのは大変だったのでは
上村アナ「この期間中はアスリートの方にリモートインタビューをさせていただくことが多かったのですが、皆さんがちゃんとこの事態をプラスに捉えていている姿にとても影響を受けました。選手のみなさんはもっと大きな思いを持って挑戦してきたと思います。ただ、その人たちがみんな1年延期になったことに対して、『もっと上達できるから』『試したいことをもっと試せるから』と、それぞれプラスに考えていて。そのことが自分の中で支えになって、選手やスポーツを伝える自分が落ち込んでいる場合じゃないと気持ちを切り替えました。
特に競泳の瀬戸大也選手。今年に入って日本新記録や自己ベストを連発して絶好調だったところで延期が決定。オリンピックのタイミングに自分のピークを合わせていたはずなので、ツイッターで『気持ちの整理ができない』と言っていたのを見て、アスリートの気持ちを代弁してくれているような気がしてやりきれなくなりました。延期になったオリンピックを迎えるまでに、もしかしたら怪我をするかもしれないし、不調の時期が重なるかもしれない。けれど瀬戸選手がすごいのはここからで、このタイミングで小学5年生から指導してもらったコーチのもとを離れ、新たなコーチのもと『違ったアプローチで挑戦』するんだそうです。それには『ここで1年後のために変化をつけるんだ』と、とても驚きました。調子を維持するという考えよりも、来年にむけて攻めた選択をしたことを、番組に出演している松田丈志さんもとても褒めていて。そのようなアスリートの姿に背中を押してもらうことができました」