現役OL・花宮いのり、兼業を続ける理由 金銭事情にはゆとりも「常識を忘れないでいたい」

本業でOLをしつつ、コスプレイヤー、期間限定アイドル・Couleur Clarity(クルールクラリティ)として活動している花宮いのりが、昨年の12月30、31日に東京ビッグサイトで開催された「コミックマーケット103(以下、C103)」に参加した。ENCOUNTは、クリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」が出展していた「神椿神社」で、バーチャルロックシンガー・幸こ(正式表記はしめすへんに古)の公式コスプレイヤーを担当していた花宮を取材。コスプレ&OLの2軸で活動する理由、アイドル卒業後の展望などを聞いた。

「コミックマーケット103」に参加した花宮いのり【写真:ENCOUNT編集部】
「コミックマーケット103」に参加した花宮いのり【写真:ENCOUNT編集部】

兼業で「社会人としての常識を忘れないでいられる」

 本業でOLをしつつ、コスプレイヤー、期間限定アイドル・Couleur Clarity(クルールクラリティ)として活動している花宮いのりが、昨年の12月30、31日に東京ビッグサイトで開催された「コミックマーケット103(以下、C103)」に参加した。ENCOUNTは、クリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」が出展していた「神椿神社」で、バーチャルロックシンガー・幸こ(正式表記はしめすへんに古)の公式コスプレイヤーを担当していた花宮を取材。コスプレ&OLの2軸で活動する理由、アイドル卒業後の展望などを聞いた。(取材・文=大野代樹)

――コスプレのお気に入りポイントを教えてください。

「今回は企業さんの公式コスプレイヤーということで、衣装やウィッグは用意していただいたんですけど、ウィッグはいつも頼んでるウィッグをセットしてくれる子にお願いして、自分の顔に合わせて作り直してもらいました。できるだけ忠実に原作を再現することができていたらいいなと思います」

――コスプレを始めたきっかけは。

「『ラブライブ!』という女の子が頑張ってスクールアイドルを目指すアニメが大好きで、作中のキャラクターに憧れて始めました」

――グラビア活動もされていますが、体作りのためにしていることはありますか。

「エステがすごく好きです。今日のために昨日エステに行って、フェイシャルとボディーの施術を5時間くらいしてもらいました。食事面もやらないといけないときはしっかりやるようにしています」

――万全の状態を整えているんですね。C103に参加してみていかがですか。

「コミケ歴5年目くらいになるんですけど、屋上展示場コスプレエリアに行ったら身動きできないくらい人が多くて。私が初めてコミケに参加した時くらい人がいましたが、コロナが明けてからどんどん熱気が戻ってきているということだと思うので、すごくうれしいです。コミケは年に2回のお祭りなので、すごく楽しいです。いつも冬は『大みそかか……』となり、夏は『暑いよな……』と思いながら参加しているんですけど、来ると楽しいんですよね。やっぱり、コミケ好きだなと思って『オタクでよかった……!』ってテンション上がっちゃいます」

――コミケに初参加したときの印象に残っている思い出はありますか。

「初めては冬コミでした。そのときは『ラブライブ!』の東條希のコスプレをしたんですけど、始めたばっかりだったのでXのフォロワーも100人くらいしかいませんでした。誰も私のことを知らない状態だったので、端っこでコソコソコスプレしていましたね(笑)。2回目は夏コミで、屋上展示場コスプレエリアの照り返しがすごくて焼けちゃって……。コスプレしている時は夢中だから気づかなかったんですけど、多分、熱中症になっていてフラフラでした。クーラーボックスを持ってきていた人に冷たい飲み物をもらってしのいだことは、今でも覚えています」

――夏のコミケは気をつけないといけませんね。平日はOLをされているそうですが、コスプレイヤーとの両立は大変じゃないですか。

「同世代ではコスプレやグラビアなどの活動で食べていけるようになると、もともとの仕事を辞めちゃう人が多いですね。でも、そうすると活動がうまくいかなくなったときに、メンタル面や経済面で安定できないと思うんです。あと、社会とつながっていることによって、社会人としての常識を忘れないでいられます。それで辞めずに続けていて、これからも辞める予定はないですね」

――現状、収入面的にはどうなんでしょう。

「ありがたいことに、コスプレとグラビアの活動だけでギリギリ食べていけるくらいにはいただけています。なので、『(OLは)やらなくていいじゃん』となるのも分かるんですけど、お金のためだけではなく、他にも続ける理由があるからやっているという感じです」

――OL、コスプレに加えて、期間限定でアイドル活動もされています。デビューから約8か月ほど経過しましたが、これまでの活動を振り返っていかがですか。

「ファイナルライブを11月8日に開催するんですけど、どうやってファイナルを成功させるか、その間にどんな対バン、イベントをやっていくかということを一生懸命考えています。休んでる暇はないです! 毎日、ダンス練をしているわけではないんですけど、考えなきゃいけないことはたくさんあります。私は経理やスケジュールまわり、売り出し方などを中心になって仕切っているので、気づいたらずっとアイドルのことを考えています」

――アイドル活動を経験して成長したことはありますか。

「メンバー7人をまとめて、1つの目標達成に向けた道順作りをしたんですけど、今までやってこなかったことなので、チャレンジできたなと思います。企画作りや人をまとめる力は、少しは成長できたんじゃないかなと思っています」

――最後に、アイドル卒業後の展望を教えてください。

「OLをしながら被写体の活動も続けていく予定です。2023年は毎月スケジュールを立てて被写体活動すると決めたんですけど、2025年以降は未定です。きっぱりと辞めたりはしませんが、『推しは推せる時に推せ!』ということで、今のうちに推してください!」

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