高島屋の崩れたケーキ問題、なぜ原因特定できず? 当事者「今一度しっかりと調査して」
昨年クリスマスに高島屋が販売した冷凍ケーキがグチャグチャに崩れていた問題で、高島屋のその後の対応に、注文した当事者から疑問の声が上がっている。ケーキを受け取ったLeon@Valefor(@elpiscat_leon)さんに話を聞いた。
少なくとも807個が…疑問残る原因特定の放棄
昨年クリスマスに高島屋が販売した冷凍ケーキがグチャグチャに崩れていた問題で、高島屋のその後の対応に、注文した当事者から疑問の声が上がっている。ケーキを受け取ったLeon@Valefor(@elpiscat_leon)さんに話を聞いた。
高島屋は12月27日に記者会見を開き、一連のトラブルを謝罪。「私どもが販売いたしました冷凍クリスマスケーキが崩れていたことにより、多くのお客様の期待を裏切る結果となってしまいましたこと、並びに多くの消費者の皆様にご心配をおかけしましたこと、まことに申し訳ございませんでした」(横山和久専務)と頭を下げた。
一方で、破損原因については、商品の製造委託先と配送委託先に確認した上で、特定できなかったと説明。「総合的に確認いたしました結果、まことに遺憾ながら、原因の特定をすることは不可能という判断に至った」と話した。
Leon@Valeforさんが同ケーキの写真をネット上に投稿したのは12月24日だった。
「あれ…我が家は今年高島屋のケーキだったような?
不安になって届いてた冷凍ケーキ確認したら今話題のケーキでした
我が家は無事に届きましたが、事故に逢われた方は折角のクリスマスが台無しに(´・ω・`)」
ベンガル猫のブリーダーをしているLeon@Valeforさん。クリスマスケーキを高島屋で注文したのは、「仕事で忙しく、外出して人混みの多い中に買いに行くのがおっくうだったため、老舗デパートでもある高島屋で注文させていただきました」との理由があった。
幸い“崩れたケーキ”ではなかったが、それでも違和感があったという。
「崩れておらずホッとしました。が、生クリームの味などに少し違和感がありました。また、取扱説明書が入っているという内容でしたが、入っておりませんでした」
ケーキの見た目も、サンプル写真とは異なる印象を受けた。
「いちごについて明らかに少ないです。また盛り付け方も異なります。盛り付け方を別店舗宛のケーキと間違えたのでは? という記事も拝見しまして気になっております」と、モヤモヤが残っている。
脳裏によぎる食中毒マフィン騒動 揺らぐ信頼
ケーキは、「レ・サンス」の「ストロベリーフリルショートケーキ」で税込み5400円。総販売数2879個のうち、少なくとも807個が崩れた状態だったことを考えると、はっきりとした原因がありそうなものだ。何より、健康にかかわる“食の問題”だけに、崩れていないケーキだとしても、不安を拭えなかった。
昨年11月には、都内の洋菓子店が提供したマフィンを食べた人が食中毒が疑われる症状を相次いで報告し、問題となったばかり。
「今回の事故について不明瞭になっている部分があまりにも多く、楽しみにしていた方々はかなりがっかりしている部分も多いと思います。食品関連では食中毒等報道があった最中、そういった詳細も含め、今一度しっかりと調査していただきたいなというのが本望です」と訴えた。
高島屋は、「お客様に対する全責任は弊社にございます」とし、返金や交換対応を行っている。
Leon@Valeforさんも「高島屋からはおわびの品をお送りしますとご連絡がありました。信頼回復に向けて頑張っていただきたいです」と受け止めた。
再調査はするのだろうか。高島屋はENCOUNTの取材に、「会見でお話しました通り、ピンポイントで原因を特定するだけの明確な根拠を見出すことが不可能であると判断しております」との方針を示している。