東山紀之、引退宣言の背景に滝沢秀明氏の前例…状況変わって高まる「復帰を」の声

SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)社長で年内引退を表明している東山紀之(57)が26日、都内のホテルでディナーショーを行い、現役のラストステージを飾った。29日には、主演のABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『必殺仕事人』(午後9時)が放送されるが、タレントとして表舞台に登場する機会は、この日が最後になった。だが、その姿を見たファンは口々に「これが最後とは思いたくない」「絶対に戻って来る」と復帰を願っていた。

ラストステージで情熱的に歌い、踊った東山紀之
ラストステージで情熱的に歌い、踊った東山紀之

ラストステージを見たファン「こんなにすごい人を失ってはいけない」

 SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)社長で年内引退を表明している東山紀之(57)が26日、都内のホテルでディナーショーを行い、現役のラストステージを飾った。29日には、主演のABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『必殺仕事人』(午後9時)が放送されるが、タレントとして表舞台に登場する機会は、この日が最後になった。だが、その姿を見たファンは口々に「これが最後とは思いたくない」「絶対に戻って来る」と復帰を願っていた。(取材・文=柳田通斉)

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 午後10時過ぎ、東山のラストステージを見終えたファンたちがホテルから出てきた。涙ぐんだまま帰路に就く女性もいたが、少年隊のデビュー時から東山を推してきた千葉県在住の女性は立ち止まって言った。

「歌も踊りも最高のままで、私も含めて多くの人が感激の涙を流していました。そして、『こんなにすごい人のエンタメを失ってはいけない』とあらためて思いました。今、本人が立場的に言えないと思いますが、『絶対に戻ってくる』と信じています」

 初めて東山のディナーショーを見たという女性は「全てに感動しました。私も泣きましたが、東山さんは最後まで湿っぽくならないように明るくされていました」と振り返り、「ここにいた多くの人が、『これが最後』とは思ってはいないはずです。私は『できるだけ早く戻ってほしい』と願っています」と言葉に力を込めた。

 旧ジャニーズ事務所は9月7日の記者会見で、故ジャニー喜多川元社長による性加害を認め、正式に謝罪。藤島ジュリー景子社長は引責辞任、東山の社長就任が発表された。そして、東山は「年内をもって表舞台から引退します」と宣言した。10月2日の会見では、新たに設立するマネジメント会社の社長も兼務すると言った。しかし、今月に入って設立発表された新会社のSTARTO ENTERTAINMENT社長には、コンサルティング会社経営の福田淳氏が就任。東山は被害者補償に特化し、補償終了後に廃業するSMILE-UP.の社長に専念することになった。

 引退を表明した際、東山や周囲は「被害者補償を最優先しながら、事務所を再建すべく、タレントを育成、管理していく。経験も生かせる」「そのためにタレントを引退するのもやむなし」の考えだった。当時の事務所内をよく知る関係者も、東山が決断した背景を説明した。

「ジャニー氏は亡くなる前に滝沢秀明氏(現TOBE社長)を後継者に指名し、彼はタレントを引退した。亡くなった後にジャニーズ事務所の副社長に就任。その前例もあって、東山さんは『事務所の危機に先頭に立つのは自分の役目』『経営側に入るならタレントを続けられない』と判断したということです」

 だが、世論の目は厳しく、旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)がマネジメント業務を継続し、利益を得続けることを「良し」とはしなかった。そして、資本、経営陣も違う別会社が設立。東山はSMILE-UP.社長に専念、SMILE-UP.の副社長を務めていた井ノ原快彦は同職を辞職。STARTO ENTERTAINMENTのCOO(副社長)になった。

 結果、タレントのマネジメント、育成にも関われなくなった東山に対しては、「気の毒」「かわいそう」「ハシゴを外された」などの声が上がり始めた。それでも、被害者補償は最優先事項。会見でも東山は「被害者と向き合っていきたい」と話しており、引退後はその業務に打ち込むことになる。

 同社は被害者救済委員会を設立。9月30日時点で478人から連絡があり、被害を申告して補償を求めているのは325人と発表した。そして、12月1日には「30人が補償内容に同意し、23人に補償金支払いを完了」などと伝えた。また、元ジャニーズJr.で被害を訴えていたダンサー兼俳優・橋田康は「今月15日に補償金が入金されました」と明かしている。

 だが、被害相談者の数も増えており、全体の「補償終了」は見えてはいない。この状況も踏まえて、橋田は言った。

「東山さんは少なくとも加害者じゃないのに、ずっと矢面に立たされています。タレント引退についても、『なぜ』と思いました。補償終了はいつになるか分からないけど、SMILE-UP.は終了後、廃業が決まっている会社。最高のエンターティナーである東山さんには、やっぱり復帰してほしいです」

 東山自身はショーの最後に「お元気で。さようなら」と言ったが、補償終了後のビジョンは明かしていない。ファン、芸能関係者、橋田ら後輩も「いつの日か」を信じて、東山の復帰を待ち続ける。

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