【RIZIN】堀口恭司が「神龍戦は盛り上がるのか」と気をもむワケ アイポークから5か月での再戦

2023年も残すところあとわずか。大みそか、さいたまスーパーアリーナでの「RIZIN.45」まであと12日と迫ってきた。そこで今回は、堀口恭司の兄であり「TOP BRIGHTS」の健太代表&山田義則代表に、神龍誠戦に向けた堀口の近況と、年明けに開催される「TOP BRIGHTS」(1月21日、オープンハウスアリーナ太田)の最新情報を聞いた。

「TOP BRIGHTS」の堀口健太共同代表、堀口恭司、山田義則共同代表(左から)
「TOP BRIGHTS」の堀口健太共同代表、堀口恭司、山田義則共同代表(左から)

神龍戦は盛り上がるのか

 2023年も残すところあとわずか。大みそか、さいたまスーパーアリーナでの「RIZIN.45」まであと12日と迫ってきた。そこで今回は、堀口恭司の兄であり「TOP BRIGHTS」の健太代表&山田義則代表に、神龍誠戦に向けた堀口の近況と、年明けに開催される「TOP BRIGHTS」(1月21日、オープンハウスアリーナ太田)の最新情報を聞いた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)

「体調はすこぶるよさそうですね」

「TOP BRIGHTS」の山田代表が堀口恭司の近況をそう話した。

「堀口選手はRIZINさんの公式インタビューも受けていました。『いつも通り』としか言わないですけどね。オファーを受けた際に堀口選手が一番気にしていたのは、今夏にあった神龍誠戦がああなって(※堀口のアイポークで無効試合に)、大みそかに再戦を組んで盛り上がるのかということ。今さらにはならないのか、そこにやる意味があるのか。そこを気にしている感じでしたね」

 元々、2016年までUFCを拠点にしていた堀口が、翌年から日本、つまりRIZINを主戦場としてきた理由は「日本を盛り上げたい」だった。そう考えれば、堀口にとっては「勝利」と同じくらい、日本の格闘技界が盛り上がるのか。そこにも気を配っているに違いない。

 最近、SNS上で物議を醸している、アイポーク関連の堀口の言動も、すべてそこにつなげるためのもの。

 ちなみに堀口は20日に来日する予定だ。

 これに関して兄の健太代表は、「恭司は日本に帰ってきたら、1日休んで、群馬に来て空手の練習をするんです。その場合は自分か、いつも恭司のセコンドに付いている二瓶(孔宇)が恭司の相手をしてますね」とのこと。

 堀口による空手の練習は、試合前々日まで毎日1、2時間くらいは行われるという。

現在、絶賛発売中の堀口恭司著『EASY FIGHT』(幻冬舎)
現在、絶賛発売中の堀口恭司著『EASY FIGHT』(幻冬舎)

堀口が試合前の空手の稽古で調整するもの

「恭司が『今日はいいや』って言わない限りは、だいたい空手をやっていますね。主に打ち込みと、あとは間合いの感覚の確認です。恭司の場合、他の人に比べると、間合いが違う(※相手の間合いより遠い距離から、いきなり至近距離に入る)じゃないですか。向こう(ATT)での練習だと、空手をやっていた選手はいないので、その感覚が多少は狂ってくるんですよ。それを日本に帰ってきて修正する感じですね。空手の間合いの感覚を掴むというか」(健太代表)

 健太代表いわく、さすがの堀口も「帰ってきてすぐだと時差もあるのでスピードが遅いと感じたことはある」ものの、「3日もすると、急激に早くなりますね」(健太代表)と話した。

 さて、大みそかの堀口VS神龍戦の結果同様、気になるのは年明けに開催が決定している「TOP BRIGHTS」になるが、注目されるのはドーピング検査だろう。

 というのも今大会には、元UFCファイターのグレイゾン・チバウが参戦するが、チバウは2015年に薬物検査で陽性認定を受けているため、ドーピングチェックに焦点が集まるからだ。

 これに関して山田代表は「僕の考えでは、三権分立だと思ってまして」と答え、以下のように続けた。

「何事に於いても運営が最終責任者ではありますが、団体、ドクター、レフェリーの三つはそれぞれが独立して動くべきと考えています。薬物検査は尿ですぐにできるんですけど、当日、抜き打ちでランダムにドクターがやることになっています。ただ、この選手をしろとか僕らが言ってしまうと、逆に平等ではなくなると思うんです。前科があるからチバウは必ずやるってことじゃなくて、ドクターがランダムに抜き打ちでやります。レフェリーに関しても、試合を止める権限はあくまでレフェリーにあると思っています。とにかく平等にやりたいなと思っています」

「ごちゃごちゃ語るな。やることをやれ」

 さらに今大会における最大の目玉は、日本人初のラジャダムナン・ルンピニー統一王者の吉成名高が参戦することだろう。山田代表はこう説明する。

「吉成選手の対戦相手は現在調整中です。チャンピオンクラス、ムエタイではSクラスっていうんですけど、それと同等クラスが来ると思います。日本VSタイの5対5をマッチメイクしていますけど、日本人は全員チャンピオンですね。オールジャパンVSオールタイになると思います」

 堀口がMMAの本格派だとすれば、吉成は立ち技の本格派になる。「両者は似ていると思いますね。親和性は感じています」。

「今回のマッチメイクは素晴らしいと思いますよ、自分で言うのもなんですけど。一発目にしてここまで集まってくれたのは、ホントにありがたいことで。嬉しいですね」(健太代表)と鼻息は荒いが、それとは別に、もちろん堀口の出番も用意されている。

「まだ発表になってないですけど、出番はつくると思います。それと山本一太群馬県知事も来場予定です」

 堀口といえば、先ごろ発売となった著書『EASY FIGHT』も話題になっている。

 これに関しては、山田代表が「本の反響としては、タイトル名と帯に付いている『ごちゃごちゃ語るな。やることをやれ』はよく言われますね。堀口恭司っぽいですよねって。この2点。タイトルは出版社の方が付けたんですけど、言葉のチョイスが上手だと思いますね。やっぱり興味を持ちますもんね」と言えば、健太代表は「まだ読んでいませんけど、普通に予約して買いましたよ」とマイペースぶりを爆発させていた。

 いずれにせよ、大みそかの結果によって著書の売れ行きも大会の盛り上がりも変わってくるだけに、まずは大みそかに良い結果を残すこと。それが堀口に課せられた、年内最大の使命になる。

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