KinKi Kids「2人でステージに立つこの光景が全て」東京ドーム公演でファンへメッセージ
KinKi Kidsが、年末年始恒例のコンサートツアーを今年も開催。ツアータイトルは、最新アルバム『P album』をかけた『KinKi Kids Concert 2023-2024 ~Promise Place~』となっており、17日には東京ドームにて公演を行った。
12月27日発売の『シュレーディンガー』でスタート
KinKi Kidsが、年末年始恒例のコンサートツアーを今年も開催。ツアータイトルは、最新アルバム『P album』をかけた『KinKi Kids Concert 2023-2024 ~Promise Place~』となっており、17日には東京ドームにて公演を行った。(取材・文=水谷賀奈子)
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本ツアーのメインステ―ジの上部にはゴールドに輝く『KinKi Kids』の看板、その下にはツアー名『CONCERT 2023-2024 PROMISE PLASE』と『244 TSUYOSHI(=堂本剛・つよし)、51 KOICHI(=堂本光一・こういち)』の文字が。中央と上手・下手にスクリーンが設置され、正方形や長方形のゴールドの額縁がそれらのスクリーンを囲んでいる。黒とゴールドを基調としたブロードウェイの劇場を思わせるようなきらびやかなメインステ―ジと、会場後方にもバックステージが1つあるという構成だ。
開演10分前から会場のあかりが少しずつ暗くなり、ピアノ音楽のみが流れるムーディーな雰囲気に。開演3分前には観客から拍手コールが起こるとともにペンライトが続々とともった。
待ちに待った開演時間になると、ステージの上手下手からダンサーやバンドメンバーを乗せた5台のオープンカーが登場。そのうちの1台が中央に停車すると照明があたり、1本のベースの音が鳴り響いた。メインステージの中央が左右に開くと、オープンカーを運転する主役の2人が登場。ゴールドのジャケットを羽織り、車から降りて歌い出すと、まさに“ショータイム”の始まりだ。
25周年を経た2人の新たなスタートとなる47枚目シングル『シュレーディンガー』でライブの幕が開いた。王道ポップスにシティーポップ要素の加わった口ずさみたくなるサビでファンからも「どこか懐かしく新しい」と好評だ。12月27日発売ということもあり、今年最後のKinKi Kidsからの“ご褒美的存在”の一曲となっている。合間には、光一が「ぶちあがってまいりましょう!」と呼びかけ、ファンをあおった。
再び車に乗り込むと、ステージの照明がよりカラフルで鮮やかになり、2人を乗せた車が発進。会場のアリーナ席の間や外周をゆっくりと走り、ファンとの距離を縮めながら歌ったのは、ミステリアスで疾走感あふれるジャズ・ナンバーの『Secret Code』だ。間奏ではファンに向けて手を振り、バックステージにたどり着くと車を降りた。続けて披露した『99%LIVERTY』では花火の演出もあり、オープニングから勢いが止まらない。
MCが多めで有名なKinKi Kidsは、さっそくここでファンへあいさつ。光一が「みなさん、こんばんは。KinKi Kidsでございます」と一言。続けて、「1年ぶりの東京ドームとなります。ずっとコロナ禍だったので声出しもしない、着席という形でしたけれども、ルールがない中でやれるのは久々となります。盛り上がってくださって、ありがとうございます」と感謝を伝えた。そして、オープニングから登場しているオープンカーの話に。光一が剛に「剛くん、(この車)買っちゃえば?」と提案するが、剛は「白菜みたいに簡単に買わないのよ、買えないのよ」とお断り。また、車の値段をスタッフに聞いたと話す光一が「私が乗っていた方、5000千万くらいなの。何台もいたでしょ? 全部で3億円くらい」と明かすと、会場からは「えー!」とどよめきが。車のナンバーが「244(つよし)」「51(こういち)」になっていることもアピールしつつ、「始まったばかりです! まだまだぶちあがってまいりましょう!」と呼びかけ、次の曲へ。
『X-Day』では再び乗り込んだ車でメインステージへと移動。メインステージで最後まで歌い終えるとゴールドのジャケットを脱ぎ、黒のスパンコールで輝く衣装へと一変した。『BANANA』では、ダンサーらとともにキャッチーで中毒性のあるメロディーと振り付けで観客を魅了。一方で『アン/ペア』では、2人が得意とするちがうジャンルの振り付けをそれぞれが踊る。白一色の照明のなか、剛は曲のなかにちりばめられた一音一音に動きをあてはめていくような力強い振り付けで、光一は歌詞に振り付けをあてはめたような繊細な振り付けで歌い踊り、2人の異なる魅力が感じられる一曲に。
その後にはステージ裏でのエピソードや健康診断の話題など、笑いの絶えない2回目のMCタイムがスタート。MCから曲への切り替えが難しいと言いつつも、バラード曲『もう君以外愛せない』ではピアノの生演奏と2人の歌声だけというぜいたくな時間に。美しくやわらかい歌声で場内を包み込むと、観客からは拍手がわきあがった。『銀色 暗号』では剛は赤の、光一は青の、互いのメンバーカラーの装飾がほどこされた衣装へとチェンジ。ステージの中央でステンドグラスや雪景色の映像をバックに2人の絶妙なハーモニーを響かせた。
『シンデレラ・クリスマス』ではスペシャルコラボも
KinKi Kidsは、97年のCDデビュー翌年の98年から、東京ドームで公演を行っている。公演回数は66回(23年12月17日時点、コンサートと周年イベントをふくむ)で、自身の持つ「単独アーティストによる東京ドーム最多公演数」の記録を更新した。3回目のMCではこの話題について触れるワンシーンも。光一が「一番最初に東京ドームで公演やったのいつだったか覚えてます?」と問いかけるも、剛は「覚えてないよ」と即答。「デビューの翌年の1998年からコロナ禍を除いて、ずっとやってきているんですよ。1000万人以上(12月17日公演終了時点、KinKi Kidsのコンサート・イベント・海外公演を含む全公演総動員数)の方に来ていただいたという話をしたかったの。ありがとうございます」と感謝の気持ちをあらわにした。
続けて、20年に行ったクリスマス限定配信ライブ『X’mas with KinKi Kids gift selection 2020』についても振り返ると、そのライブにて楽曲『フラワー』で共演した花咲徳栄高等学校吹奏楽部のOB・OGそして現役生らがこの日会場に来ていることをサプライズ発表。ステージにも登場し、3年ぶりの共演がここで実現した。先日、King & Prince公式YouTubeチャンネルで公開されたスペシャルコラボも話題になった『シンデレラ・クリスマス』を、吹奏楽部のOB・OGと現役生らによる生演奏とクリスマスカラーの照明に包まれた豪華なパフォーマンスでお届け。
続くMCで光一が「スタッフが味をしめたコーナーがあるらしいよ」とボソリ。スタッフが選んだ曲をセットリストの“日替わり曲”としてその場で発表し、いきなり歌うというコーナーだ。KinKi Kidsの楽曲ではあるが、2人は「自分たちの曲でも覚えていないのもある」と暴露。スクリーンに楽曲名『さよならのエトランゼ』の文字が映し出されると、2人は「エトランゼってなに?」と声をそろえた。スタッフから歌詞の書かれた紙を受け取り、イントロの演奏が始まっても不安げな表情をする2人は、正解の通り歌えず、思わず笑いが込み上げた。音源を聞くと「最後の『エトランゼ~』はあってたやん!」と主張しながらも「これは無理だ!」「お付き合いいただき、ありがとうございました」と“失敗に終わったコーナー”を笑顔で締めくくった。
ライブが始まって約1時間たったころに一度2人はステージからはけると、スクリーンにはこれまで発売してきた楽曲のCDジャケットとともに2人の歴史を振り返る映像が。そして、白黒のモノトーン衣装に着替えた2人が再び登場。上手と下手に設置されたリフターで高く上がった状態で『愛のかたまり』を歌い上げた。カップリング曲でありながらもファンのみならず広く知られ支持され、2人が年を重ねるごとにさらに楽曲の魅力は高まっていく一曲だ。『やめないで,PURE』では、高く上がる炎に紫やオレンジ・赤のレーザー照明でステージは大人の強さ、あでっぽさが加わった雰囲気に。一方で、『全部抱きしめて』では「こうちゃーん!」「つよしー!」とファンからのコールに包まれ、『フラワー』では会場内のペンライトが左右にいっせいに揺れ、ファンによる大合唱も起こり、会場が一つになった。そして、2人からの「どうもありがとう」という感謝の言葉とともに公演の本編が終了。
しかし、スクリーンに流れるエンドロールが終わっても、観客からのアンコールを求める手拍子は鳴り止まない。それに応えるかのように2人がスタンドマイクを手に再び登場すると、オープニング曲『シュレーディンガー』のダンスバージョンを、ミュージックビデオで着用していたゴールドにきらめくセットアップの衣装を身にまとって披露。スクリーンの映像までもミュージックビデオに登場するネオン文字看板などが映し出され、まさに目の前でミュージックビデオそのものを見ているかのようだ。オープニングとはガラリと変わった雰囲気でのパフォーマンスは、まさに、KinKi Kidsからの“ご褒美”だ。
続く『無重力みたいな愛』ではトロッコに乗り、「ずっとずっといよう 一緒に」と剛が手掛けた心あたたまる歌詞をファンにより近い距離で届けた。そして、『硝子の少年』『ジェットコースター・ロマンス』を手掛けた山下達郎が制作し、KinKi Kidsの2人が歌詞を担当したスペシャルな楽曲『Amazing Love』がアンコールのラストを飾った。25周年を迎えた2人が互いを思う曲であり、2人からファンへの思いが込められた曲でもあるこの楽曲で、KinKi Kidsらしさあふれる“歌を届ける”ライブを締めくくった。
最後に、光一は「今年もステージに立てることをうれしく思っております。今、不安に思うこともある日々かと思いますが、2人でステージに立っているこの光景がすべてだと思ってください。先のことはわからないですが、これまでもやってきましたし、これからもみなさんと1ページ1ページを刻んでいけたらと思っています。楽しい時間をまた来年も迎えられるように、またお会いしましょう。ありがとうございました」と笑顔で会場を見渡した。さらに、剛も「みなさんとこうして一緒にいる時間をどうすればつなぐことができるか、考えております。みなさんと一緒に、美しい未来を描けたらなと思います。どうもありがとう!」と手を振り、2人はステージをあとにした。