はるな愛、幼少期に救われたエンタメの存在「こういう性別で生まれてきて、不安がいつも目の前に」
タレント・はるな愛が、“エアあやや”の原点となった人物と初対面することになった。その人はヴィクター・トレビノ。米国の人気バレエダンサーで、男性だけのコメディー・バレエ団「グランディーババレエ団」を創設したことでも知られている。同バレエ団は、1996年の初来日から通算12回目の日本公演を12月22日からスタート。このたび、はるなが同公演のアンバサダーに就任したことで、憧れの人との対面が実現する運びになった。ドキドキのはるなが、ヴィクターへの思い、幼少期にエンターテインメントに救われたこと、将来のある子どもたちへの支援活動について語った。
グランディーババレエ団日本公演のアンバサダーに就任
タレント・はるな愛が、“エアあやや”の原点となった人物と初対面することになった。その人はヴィクター・トレビノ。米国の人気バレエダンサーで、男性だけのコメディー・バレエ団「グランディーババレエ団」を創設したことでも知られている。同バレエ団は、1996年の初来日から通算12回目の日本公演を12月22日からスタート。このたび、はるなが同公演のアンバサダーに就任したことで、憧れの人との対面が実現する運びになった。ドキドキのはるなが、ヴィクターへの思い、幼少期にエンターテインメントに救われたこと、将来のある子どもたちへの支援活動について語った。(取材・文=福嶋剛)
――12月22日からグランディーババレエ団の日本公演が始まります。
「そうなんです。今回なぜ私がアンバサダーを務めるかというと、グランディーババレエ団の創設者で日本でも人気のバレエダンサー、ヴィクター・トレビノさんの舞台を10歳の頃に見ているんです。当時は『トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団』という50年近い歴史のある男性コメディー・バレエ団にいらっしゃって、笑いと本物のバレエが合体したような舞台を目の当たりにして、ものすごく感動したんです」
――はるなさんから見たグランディーバの魅力とは。
「何と言っても世界レベルの本物のバレエを笑いながら楽しめるところです。『白鳥の湖』のパロディーで『瀕死の白鳥』という有名な演目があるのですが、チャップリンや志村けんさんみたいなみんなが笑える要素が踊りの中にたくさんあります。ユニークな表情をしたダンサーたちがぎこちない動きに見せかけて、難しいダンスを披露するんです。今まで見たことがない人は『こんなにバレエって面白いんだ』ってビックリすると思います。元気をたくさんもらえるので、ぜひ子どもたちに見てほしいです」
――はるなさんの芸風にも影響を与えたと。
「私の“エアあやや”(口パクをしながらの松浦亜弥のものまね』なんかは、ヴィクターさんの演技の影響を受けていて、どんなに小さな会場でも大きなコンサートホールでやっているくらいのオーバーアクションを心がけています。たくさんの人に笑ってもらいたいという思いはグランディーバと同じです」
――エンタメ好きは育った環境が大きかったそうですね。
「こういう性別で生まれてきて、小っちゃい頃から苦しみや不安がいつも目の前にあって、本当に『逃げたい』『今日で人生終わってしまおうか』と何度も思ったこともありました。でも、そんな全てを忘れさせてくれたのはテレビだったし、エンタメでした。ここまで来るのにすごく遠回りした人生ですけど、遠回りした分、出会いも感謝もたくさんあったし、全てが大切なものになりました。今ってできるだけ近道を通って成功をつかもうとする人がいっぱいいるけど、成功したと思っても、その後に次の困難が必ずやってくるんです。そんな時、大変だった若い頃の経験が前に進む大きなきっかけになるから、私は遠回りの人生って悪くないと思いますよ」
――今年の日本公演では5か所の会場で子供無料席が設けられています。
「子どもたちが元気に一歩踏み出すきっかけになってもらいたいですし、ぜひ、家族みんなで見て欲しいです」
はるな愛が思う「これからの自分の役割」
――はるなさんも、経営するたこ焼き店や子ども食堂の支援活動を通じて子どもたちを応援しています。
「タレント活動と同じスタンスです。子ども食堂やボランティア活動も必要としてくれてる人がいれば、喜んでやらせていただいています。生まれ育った市営団地では困っている時に互いに助け合うというコミュニティーがあって、小っちゃい時から『お互い様』という言葉が私のベースにあるんです。今は社会が難しくなったのか、難しくしてしまったのか分かりませんけど、大人たちも余裕がなくなって、子どもの目線に合わせることができない社会だなって感じます。そんな時こそ子どもたちに『大丈夫』って言ってあげられる人が必要なんです。辛いけれど、困難は向き合った分だけ、後になって必ずそれが強く生きるきっかけになるので、私は子どもたちに『絶対に自ら人生を終わらせないで欲しい』と伝えていきたいし、子どもたちに夢のある世界を見せてあげるのがこれからの自分の役割かなと思っています」
――今回の日本公演のテーマ曲にはるなさんの新曲『まぼろし ザ ワールド』が選ばれました。
「ちょっと昭和っぽい懐かしい感じがする曲なんです。MVの振り付けはバブリーダンスで有名になったakaneさんに担当していただきました。akaneさんがプロデュースするダンスグループ・アバンギャルディは、今年の『アメリカズ・ゴット・タレント』で決勝に進んだんですよ。グランディーバの雰囲気にもピッタリの曲なので、ぜひ劇場で聴いてください」
――アンバサダーに就任したはるなさんですが、ヴィクターさんとは会ったことがないと。
「そうなんですよ。やっとヴィクターさんに直接お会いできるんですよ。テレビにかじりついていた10歳の頃のけんじくん(=本名・大西賢示)に『後に一緒にお仕事できるから大丈夫よ』と言ってあげたい。本当にうれしいです」
□はるな愛 1972年7月21日、大阪府生まれ。松浦亜弥のコンサート音源を流し口パクで完コピする「エアあやや」で大ブレーク。以降、バラエティータレントとして歌手、俳優などマルチに活動。2009年、タイで開催された「ミスインターナショナルクイーン2009」で優勝。近年は被災地への訪問、炊き出しの他、自身の経営店で子ども食堂を開催するなど、社会貢献活動にも力を入れている。血液型O。
グランディーバ バレエ団 ジャパンツアー 2023
https://arch-ent.jp/topics/grandiva2023/