『キン肉マン』II世超人なのに父と息子で全く違う? 壮絶生い立ちを歩んだキャラ3選
1979年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載開始した漫画『キン肉マン』(作:ゆでたまご)は、魅力的な超人たちが繰り広げるバトルが魅力の作品だ。アニメシリーズ待望の最新作となる「完璧超人始祖編」が2024年から放送されることも発表された。その人気は根強く、主人公・キン肉マンの息子・キン肉万太郎を主役にした漫画『キン肉マンII世』(作:ゆでたまご)も、1998年から『週刊プレイボーイ』(集英社)にて連載され、本作品には、万太郎以外にも、前作に登場した超人の息子たちが登場。その中でも父のイメージとはまったく異なる3人のII世超人を作り上げた壮絶な生い立ちを振り返る。
父の思いを託された後継者の哀しい運命
1979年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載開始した漫画『キン肉マン』(作:ゆでたまご)は、魅力的な超人たちが繰り広げるバトルが魅力の作品だ。アニメシリーズ待望の最新作となる「完璧超人始祖編」が2024年から放送されることも発表された。その人気は根強く、主人公・キン肉マンの息子・キン肉万太郎を主役にした漫画『キン肉マンII世』(作:ゆでたまご)も、1998年から『週刊プレイボーイ』(集英社)にて連載され、本作品には、万太郎以外にも、前作に登場した超人の息子たちが登場。その中でも父のイメージとはまったく異なる3人のII世超人を作り上げた壮絶な生い立ちを振り返る。
1人目は、正義超人の中でも実力者として知られるロビンマスクの息子・ケビンマスクだ。コミックス1巻で万太郎は悪行超人から地球を守るため、新世代正義超人の1人として派遣される。ケビンは万太郎たちに対抗するために悪行超人の三派閥(残虐超人・悪魔超人・完璧超人)が作り上げた刺客「d・M・p」(デーモンメイキングプラント)の一員として登場。正義超人の中心的存在であるロビンの息子が悪行超人になっていたのだ。
ケビンは、幼いころからロビンによる正義超人としての英才教育を受けてきた。父の厳格な指導に耐えかねたケビンは、家を飛び出し悪の道に足を踏み入れる。しかし、悪行超人と万太郎の戦いを目にしたケビンは、d・M・pの弱さに愛想をつかして決別。その後は一匹狼として活動する。
ロビンにたたき込まれた正義超人としての強さと、d・M・pで身につけた残虐ファイトの両方を使いこなすケビン。超人オリンピックでは万太郎を下し優勝を果たし、人気投票ではほとんど1位から動くことなく、万太郎以上の人気超人となったのだ。
ケビン同様、偉大な正義超人の父を持つII世超人がテリー・ザ・キッドだ。彼の父親は、キン肉マンの名パートナー・テリーマン。万太郎の父であるキン肉マンの華々しい活躍を傍で喜ぶだけの地味な父親にキッドは反抗心を抱いていた。さらに万太郎のふがいない姿を見たキッドの反抗心は高まり、自分がナンバー1正義超人になると宣言する。
そんなキッドも、キン肉マンが抱くテリーマンへの尊敬を知り、父への誤解が解け、万太郎の名パートナーとして父同様に大活躍を見せるのだった。
ネット上では「弱い」との声が見られるキッドだが、彼を主役にした作品『キン肉マンII世』特別読切『テリー・ザ・キッドの夜明け』を読んだファンは、作品内で見せる彼の戦いぶりに対し「いつか単行本に収録して欲しい」「アメリカン青春映画のような展開が最高」と称賛している。
最後に紹介するII世超人は、キン骨マンを父にもつ悪行超人のボーン・コールドだ。かつてキン骨マンは、打倒キン肉マンを掲げて悪事をくり広げていた。しかし、その思いが成就することなく、幼いボーン・コールドに八つ当たりする日々。父親からの暴力に心をゆがませてしまったボーン・コールドは悪の限りを尽くす悪行超人になった。
しかし、ボーン・コールドは万太郎との勝負で、万太郎の友情パワーに触れて改心し始めるのだった。試合後ボーン・コールドは、間違った子育てをしてしまった経験を悔いるキン骨マンから、自らを殺すように依頼を受ける。しかし、彼はその依頼を拒否し、今までの罪を償うために刑務所へと移送されるのだった。
キン肉マンではギャグキャラとしておなじみのキン骨マンの息子が、これほどかっこよく、シリアスなキャラであることに、初代キン肉マンからの読者は驚いたことだろう。
今回紹介したII世超人の性格の歪みは、いずれも父親の影響が大きかったようだ。後継者育成は難しいという人も少なくないが、マンガの世界でも同じなのかもしれない。