平松賢人、ボイメン初期は「シェアハウス」 事務所で雑魚寝の過去「衝突もあった濃い時間」

愛知県を拠点に活動するボーイズグループ・BOYS AND MEN(ボイメン)の平松賢人(29)が、12月1日から順次全国公開の映画『右へいってしまった人』に主演している。12年前の選択をきっかけに、パラレルワールドに迷い込んでしまう役どころ。平松はストーリーにちなみ、自身の人生も振り返った。

インタビューに応じたBOYS AND MEN・平松賢人【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じたBOYS AND MEN・平松賢人【写真:ENCOUNT編集部】

今は個人活動も充実 公開中の映画『右へいってしまった人』に主演で40歳役

 愛知県を拠点に活動するボーイズグループ・BOYS AND MEN(ボイメン)の平松賢人(29)が、12月1日から順次全国公開の映画『右へいってしまった人』に主演している。12年前の選択をきっかけに、パラレルワールドに迷い込んでしまう役どころ。平松はストーリーにちなみ、自身の人生も振り返った。(取材・構成=大宮高史)

――本作では、40歳のサラリーマンの鷹介が、妻の水帆(高田夏帆)と出会うはずだった12年前のパラレルワールドに迷いこんで物語が展開します。年上の男性を演じた印象は。

「髪を黒くしたり、メイクなしのロケで水帆との生活に疲れている感じを出してみました。ただ、『特別に老けこんだ芝居をしなくては』とは考えなかったですね。今、29歳の僕が将来40歳になったとして、『多少容姿は変わっても人としての根本的なところは変わらないだろうな』と思っていて、それは鷹介も同じなのかなと。だから、『老け役をやるんだ』というような意識はなかったんです」

――九十九里浜に友人と遊びに行って、本来の道とは逆の駐車場に車を停めてしまう。そこから28歳の若い頃の鷹介としてのシーンが続きますね。

「見た目は28歳とはいえ、中身は12歳年をとった鷹介です。でも、彼に見えているのは28歳の時の光景なので、その懐かしい風景の中に鷹介の心もなじんでいって、『40歳の自分がおじさんだということを忘れていくのかな』と想像しました」

――若き日の鷹介として、当時バンドを組んでいた友人と一緒に何曲もパフォーマンスをする場面もあります。

「鷹介の気持ちも歌で表現することも多いです。お芝居だけでは伝えられなかったり、セリフにすると重くなってしまう気持ちも歌で伝えられました。何より僕の武器である音楽で作品に深みを出せたので、歌唱シーンもぜひ注目してください」

――鷹介は水帆との恋がなくなったパラレルワールドでは、諦めた音楽を続けることになります。平松さんにとって音楽とは。

「もちろん、僕にとって人生の大きな一部ですが、リスナーの皆さんにはそんなに重く捉えてもらう必要はなくて…。もっとシンプルに僕らの曲を楽しんでほしいです。リスナーそれぞれの人生次第で、どんな音楽や歌詞が馴染むか、好きになってもらえるかというのも変わってくると思うので。僕から一方的に伝えるものではなく、リスナーの皆さんにフィットする曲を楽しんでくれればうれしいです」

――28歳の鷹介は仲間とシェアハウスをして濃密な時間を過ごしていましたが、平松さんにもそんな経験はありましたか。

「ボイメンの活動初期は本当にシェアハウスみたいな環境でした。一緒に住んでいるわけではなくても、売れていない時はホテルにも泊まるお金がなくて小さい事務所に皆で雑魚寝していたこともあります。にぎやかといえばにぎやかだし、衝突もあった濃い時間でした。今はそれぞれ1人の時間を大切にしていて、でも、一緒にやりたいことがあれば集まって活動していますね。家族との関係にも言えると思いますが、特別な関係だからってずっと一緒にいないといけないということはないです。仕事で一緒になれば、今まで通りにぎやかに過ごしつつ、『1人の時間では好きなことをやる』。そんな日々です」

――平松さんは個人でも歌謡曲風のソロ曲をリリースしたり、カメラを生かした個展も開催しています。

「そうなんです。11月にも名古屋で個展をさせてもらって、ありがたいことに好評で12月7日まで会期も延長させてもらいました。写真集も出していますし、音楽と趣味のバランスも今くらいがベストですね。カメラがいい気分転換です」

――もし、過去に戻っても、ボイメンとして音楽をやりたいと思いますか。

「もちろんです。ボイメンではない自分が想像できないし、僕が僕でいる存在価値のかなりの部分を占めています。僕がクールに振り切ったグループにいたとしてもそれなりに売れるかもしれませんが、ボイメンらしいバカなことも楽しんでいたいです。やっぱり、このグループが1番ですね」

――鷹介のように、過去に置いてきてしまった夢などは。

「やり残したことってほとんどないんです。僕の12年前を振り返ると、自分で目標を作るというよりは、目の前の仕事にがむしゃらに応えていました。その蓄積でこれだけ長い期間ボイメンとして活動してこられて…後悔はほとんどないですね。もちろん、小さなことでは、僕も『何であの時、ああしなかったんだろう』と思う過去の選択はあります。そういった人生の選択は誰もが経験することだと思うので、共感できることも多い映画です」

――平松さん自身としては、どんな40歳になっていたいですか。

「くたびれていたくないですね。年齢を重ねていくとどうしても落ち着いていきますが、ボイメンでポップスを激しく歌って踊っていく日々は失いたくない。『僕たちの音楽が年齢相応のものになってしまったら、それはもうボイメンではなくなってしまう』と思っています。13年間続けて来られたボイメンらしいにぎやかさを大切にして、これからも歩んでいきたいです」

――あらためて作品の見どころを。

「『ふとした選択が人生を左右する』というのは、僕たちにも皆さんにもすごく身近なテーマだと思います。人生を振り返って、大切な人たちを思い浮かべながら鷹介と水帆の物語を見てもらえたら、もっと人に優しくなれそうな。そんな気づきを与えてくれる映画になりました。現場で俳優同士で演出も考えながら作っていった作品ですので、皆さんの過去にも思いを寄せながら楽しんでください」

□平松賢人(ひらまつ・けんと)1994年11月14日、愛知県出身。2010年に東海エリア出身・在住のメンバーで構成されたBOYS AND MENに参加。22年10月5日に『灼熱ロマンス』でソロデビューを果たし、演歌・歌謡曲ジャンルにも進出。今年10月21日には、『ア・ヤ・シ・イ・ネ』を配信。趣味のカメラでは、17年1月にNHK名古屋1階で初写真展を開催。その後も、たびたびイベントを開催している。175センチ。血液型O。

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