『キングダム』空席の六大将軍は誰に? 史実や物語の展開から考えてみた
2006年から『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて連載されている漫画『キングダム』(作:原泰久)は9月末、コミックス70巻到達に伴い、集英社青年マンガ誌史上初の累計発行部数1億部(電子版含む)を突破した。これは集英社青年マンガ誌史上初の快挙となった。古代中国の戦国時代を舞台に、主人公・李信が奴隷のような身から、天下の将軍を目指して成長する姿が描かれている本作。670話で、信が仕える戦国七雄の1つである「秦」の王・政は、ほかの六国を滅ぼし中華を統一するため六大将軍の復活を宣言。この六大将軍について今後、誰が選ばれるのか現在までの展開と合わせて考察する。
史実を踏まえた長編物語で台頭するのは誰なのか?
2006年から『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて連載されている漫画『キングダム』(作:原泰久)は9月末、コミックス70巻到達に伴い、集英社青年マンガ誌史上初の累計発行部数1億部(電子版含む)を突破した。これは集英社青年マンガ誌史上初の快挙となった。古代中国の戦国時代を舞台に、主人公・李信が奴隷のような身から、天下の将軍を目指して成長する姿が描かれている本作。670話で、信が仕える戦国七雄の1つである「秦」の王・政は、ほかの六国を滅ぼし中華を統一するため六大将軍の復活を宣言。この六大将軍について今後、誰が選ばれるのか現在までの展開と合わせて考察する。
(※以下、漫画の内容に関するネタバレ記述があります)
六大将軍とは、政の前の王である昭王によって作られた役職で、王の命令ではなく自身の裁量で戦争が行える権利を持った特別な将軍なのだ。王の指示を待たずとも、柔軟に、スピーディーに戦争が行えるため、ほかの国から恐れられた存在だ。671話から描かれた「任命の儀」で蒙武、騰、王翦、楊端和、桓騎の5人が六大将軍に任命される。しかし、6人目に関しては政の口から名前はあがらなかった。
六大将軍の最後の1人は空席のまま物語は進むが、事態は一変する。六大将軍の1人である桓騎が、趙との戦に敗北し討ち取られたのだ。六大将軍の空席は「2」となり、そこに誰が入るのかファンの間でさまざまな意見が飛び交っている。
最初に名前が上がるのは主人公・李信だ。李信は、前六大将軍・王騎の志を継ぎ、飛信隊を率いて各地を転戦している。史実では、秦に敵対する燕・斉・楚との戦いで武功をあげる活躍を見せたようだ。ただし、楚との戦いでは20万人もの大軍を率いたものの敗北してしまい、王からの怒りを買っている。しかし、その後の戦いでも活躍を見せたようだ。この史実をもとにするなら、六大将軍として描かれる日がくるのは間違いないだろう。
次に名前が上がるのは、李信と同年代で活躍を見せている王賁と蒙恬だ。王賁は、六大将軍の王翦を父に持ち、玉鳳隊を率いる将軍。李信とは出世を争うライバルだが、戦場では協力する姿勢を見せるなど互いに切磋琢磨する関係だ。史実では父・王翦に従い燕の都を落とし、その後、単独で魏を滅ぼす戦果をあげている。能力的には六大将軍に任じられても十分な史実だが、父親と同時に六大将軍に選ばれるのか疑問が残る。
父親が六大将軍という点でいえば、蒙恬も同様だ。彼は六大将軍・蒙武を父に持ち、楽華隊を率いる将である。李信・王賁とともに秦の次世代を担う注目株だ。
史実では、李信の副将として楚との戦いに赴いている。その戦には敗れるも、斉との戦いでは、李信・王賁とともに戦い斉を滅ぼしている。楚を攻めた際に、李信の副将だったことから、格で言えば李信よりも下だったのだろう。六大将軍になるとしてももう少し後なのかもしれない。
もう1人、六大将軍候補をあげるとするならば、李信の飛信隊で副将を務めている羌カイだ。暗殺者集団・蚩尤の一員として行動していた彼女は、一時隊を離れるも、姉同然だった羌象を殺した蚩尤に対する復讐を遂げたのち、飛信隊に戻ってきた。史実では趙の首都・邯鄲攻めに参加したとの記録があるものの活躍の度合いまでは分からない。史実の活躍から六大将軍に任命される可能性は低いだろう。
史実での活躍から考えると、六大将軍の残りの2席に座るのは、競馬で例えるなら李信と王賁が本命で、蒙恬が対抗、羌カイが穴といえるだろう。とはいえ、まだまだ連載は続く気配が満載。今後、どのような展開が待っているか楽しみに読み進めたい。