【ブギウギ】水上恒司、大阪の現場で刺激「試されている気がします…ボケやツッコミ」
俳優の水上恒司がNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』(月~土曜、午前8時)について取材に応じ、同作で演じる村山愛助への思いや演じる上で心掛けていることなどを明かした。愛助は、趣里が演じる主人公・福来スズ子の最愛の人。大阪にある日本随一の演芸会社・村山興業の御曹司。スズ子の大ファンだったが、やがてお互いにひかれ合っていく。さまざまな逆境を2人で乗り越え、スズ子の人生に大きな影響を与える運命の相手。
演芸会社・村山興業の御曹司で福来スズ子の最愛の人・村山愛助
俳優の水上恒司がNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』(月~土曜、午前8時)について取材に応じ、同作で演じる村山愛助への思いや演じる上で心掛けていることなどを明かした。愛助は、趣里が演じる主人公・福来スズ子の最愛の人。大阪にある日本随一の演芸会社・村山興業の御曹司。スズ子の大ファンだったが、やがてお互いにひかれ合っていく。さまざまな逆境を2人で乗り越え、スズ子の人生に大きな影響を与える運命の相手。
「戦前、戦中、戦後の激動の時代、そして日本が敗戦国というコンプレックスを抱く中で、男性が優位の状況にあっても、愛助はスズ子のことをたてるんです。愛助にとってスズ子は憧れの存在だからこそ、スズ子がいろんな選択をする中で、『スターとして駆け上がるためには……』と後押しをします。男性が優位の時代に逆行するようなことをします。今の時代にスズ子と愛助の姿を視聴者の皆さんに届けることは意味のあること。当時はなかなか無い男女の形だと思います」
そんな女性であるスズ子をたてる愛助を演じる上で心掛けたことはどんなことだろう。
「スズ子のことを一番に考えることですかね。スズ子にとってどういう愛助でいたら楽しく生きていけるか、ということをずっと考えていました。そこがすごく僕の中でベースにあります」
水上は九州出身。大阪弁の難しさはどうだろう。
「関西弁の方言先生のご指導をいただく前、最初に台本を読んだ時点では意外といけるかもと思ったんです。テレビでお笑い芸人の方を見てなじみもありましたから。でも先生に『全然ちゃうで』と言われました(笑)。『七色の方言使うな』とも。悪戦苦闘しています」
スズ子の歌とダンスに元気をもらえるという視聴者は多い。
「趣里さんが歌う『ラッパと娘』の音源を聴いた時から僕は愛助の役作りは全く心配ないと感じました。曲を聴いた時、役者が役を好きになれる、頭で考えなくていいという段階になったと思いました。心配より楽しみでしかないという状態。それを経てステージを見たら最高でした。音楽とドラマがうまくかみ合うと予想できないエネルギーが生み出される。本当に面白い作品になっていると思います」
スズ子の魅力をどう感じているのか。
「スズ子はそんなに暗いところがないんです。人生を喜劇としてとらえていく視点はすごく大事。つらいこと、苦しいこともへて、あの時、ああいうことがあったなと、自分の人生をとらえていけたら人生がより良く、楽しく生きていけるかなと。その視点を持つ重要性がスズ子にはあると思います」
趣里の座長ぶりはどうだろう。
「歴代のヒロインの中でもかなり厳しいスケジュールだそうです。芝居だけでなく歌も踊りもありますから。休日もボイストレーニング、ダンスのリハーサルがあり、その中でせりふも入れないとなりません。かなりタフな現場。ですが苦しい顔一つせず、何なら僕ら周りの人たちと楽しんでいます。『いい現場だったね。いい時間だったね』と思えるように趣里さんご自身もしたいと思っていると思いますし、周りにも同じように思っていただきたいという姿勢がしっかり伝わってきます。それを見て励まされ、背筋を伸ばさないといけないとも思います。俺も頑張ろう、この人にエネルギーを注ぎ込むぞ、みたいなポジティブな感情にしてくれるような立ち方をされています」
制作は大阪放送局。現場で大阪らしさを感じることも聞いた。
「やりとり一つにしても何か試されている気がします。オチだったりボケやツッコミだったり。現場にいてその感覚は刺激になっています。僕もツッコミますが、うける確率は1割8分くらいです(笑)」
スズ子との恋愛模様はほほ笑ましい場面も多いとされる。演じていてどんな思いなのか。その時の女優としての趣里をどう感じているのか。
「現実の僕はスズ子と同じく芸を生業(なりわい)にしている立場なので、スズ子を支える立場になるのは新鮮ですし、スズ子、趣里さんを見て、僕もそうあるべきなのかなとかと思うことも多々あります。現場に立っている趣里さんのスズ子のとらえ方と言うか、どうせなら笑おうぜみたいな、まあ、脚本がそうですが、そこに乗っかっていく趣里さんの才能は見ていて面白いです。趣里さんが演じるそんなスズ子を好きになれるのは大変うれしいです。何も疑問を持たず『好き』『愛しています』とちゃんと言えるのは本当にうれしいです。やっていて楽しいです」