【ブギウギ】戦時下のコントラバス「妖怪的四弦」 NHK「当時使われた本当の呼び名」

NHKの連続テレビ小説『ブギウギ』(月~土曜、午前8時)の第41回が27日に放送され、日中戦争の影響で、警察からさまざまな規制を受ける梅丸楽劇団の様子が描かれた。ピアノは敵性語とされ、「洋琴」と呼ぶように強制され、バイオリンは「提琴」、コントラバスは「妖怪的四弦」、サクソフォンにいたっては「金属製ひん曲がり尺八」と表現された。制作統括の福岡利武氏が取材に応じ、こうした規制や朝ドラで戦争を描くことに込めた思いを明かしてくれた。ステージ上では三尺四方の白線の中でのパフォーマンスを強いられるスズ子(趣里)の姿も。趣里の反応も紹介してくれた。

三尺四方の白線の中で歌うスズ子(趣里)【写真:(C)NHK】
三尺四方の白線の中で歌うスズ子(趣里)【写真:(C)NHK】

制作統括が明かす朝ドラで戦争を描く思い…パフォーマンスは三尺四方の範囲内

 NHKの連続テレビ小説『ブギウギ』(月~土曜、午前8時)の第41回が27日に放送され、日中戦争の影響で、警察からさまざまな規制を受ける梅丸楽劇団の様子が描かれた。ピアノは敵性語とされ、「洋琴」と呼ぶように強制され、バイオリンは「提琴」、コントラバスは「妖怪的四弦」、サクソフォンにいたっては「金属製ひん曲がり尺八」と表現された。制作統括の福岡利武氏が取材に応じ、こうした規制や朝ドラで戦争を描くことに込めた思いを明かしてくれた。ステージ上では三尺四方の白線の中でのパフォーマンスを強いられるスズ子(趣里)の姿も。趣里の反応も紹介してくれた。

 そもそも楽器についてはすべて当時の本当の呼称なのだろうか。

「当時、英語が禁止されていく中で、いろんなことが変わっていき、調べると楽器の呼び方が変わったことが分かりました。とり入れたら時代が窮屈になっていく様子を描けるのではと思いました。楽器については当時使われた本当の呼び名を使っています」

 モデルとなった笠置シヅ子さんも当時、実際に同じ制限を受けたとされるが、主人公のスズ子も三尺四方の枠内で歌って踊った。演じる趣里の反応はどうだったのか。

「ドラマでは分かりやすく白線の枠を作り、その中で歌って踊るエピソードにしました。それまではステージ上を自由に動き回るパフォーマンスを描いていましたので、趣里さんも調子が上がらないといった様子でした。音楽を聴くと自然に体が動く練習をしてきたのですごく窮屈だったと思います。趣里さんは『本当の話だけど、これで盛り上げるのは難しいです。当時の皆さんもやりにくかったでしょうね。全然動けませんから』というお話をしていました。ただ、現場では全然動けないことも面白がっていました」

 一般的には朝から視聴者に元気を与えてくれる朝ドラ。戦争を描くのは容易ではないはず。

「暗い話、悲しいエピソードがたくさんあるのですごく難しいです。今回の『ブギウギ』でも歌っている場合じゃないという時代を描くのは難しかったです。歌で人の気持ちをハッピーにしたいという企画だからこそ、歌えなくなるのはよりつらくなりますし…。影が強い時代だからこそ、影が濃くなると光がより強くなるという思いもありますが、見ている人の心に響かないといけないので簡単なことではありません。生きることが社会全体のテーマとなっていた時代。いつか歌えるときを信じて生きるというテーマがうまく伝わればいいなと思います」

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