『機動戦士ガンダム』仰天設定の数々 作中の細部に隠されていた意外な豆知識

1979年に放送開始されたアニメ『機動戦士ガンダム』は、登場するキャラやモビルスーツの個性が魅力のひとつで、40年以上たった今でもファンから支持されている。実は本作品には、ファンも驚く意外な設定がいくつかあるのはご存知だろうか。

『機動戦士ガンダム』に意外な設定?【写真:Getty Images】
『機動戦士ガンダム』に意外な設定?【写真:Getty Images】

小説版ではアニメとの設定が異なる箇所も

 1979年に放送開始されたアニメ『機動戦士ガンダム』は、登場するキャラやモビルスーツの個性が魅力のひとつで、40年以上たった今でもファンから支持されている。実は本作品には、ファンも驚く意外な設定がいくつかあるのはご存知だろうか。

 第18話「灼熱のアッザム・リーダー」では、フラウ・ボゥの意外な設定が見られる。ホワイトベース艦長ブライト・ノアは、同機で総舵手を担当しているミライ・ヤシマに、主人公でありガンダムのパイロットでもあるアムロ・レイのパイロット適正について相談していた。たまたまその場に居合わせてしまったアムロは大きなショックを受け、ガンダムを勝手に持ち出しホワイトベースから脱走する。

 アムロは、追いかけてきたフラウの説得を拒否し、ガンダムで偵察を開始した。すると、偶然にもジオン公国軍の鉱山基地を発見する。その場にいたフラウも崖の上から確認しようとするが、アムロはガンダムの左手を横に倒してフラウの視界をさえぎった。ここで、アムロの行動に憤ったフラウは、驚きの行動に出る。

 なんと自身の視界を遮ったガンダムの左手の小指を、軽々と持ち上げたのだ。ガンダムの機体は全長18メートル、重量43.3トン。指だけでもかなりの重量のはず。にもかかわらず、難なくガンダムの指を持ち上げるフラウは、か弱い女の子と思いきや、実はとんでもない怪力だったのだ。

 同回では、さらに耳を疑う設定がある。ジオン公国軍の鉱山基地を発見したアムロは、キシリア・ザビとマ・クベが搭乗する移動重機関砲座アッザムと交戦する。ガンダムは、アッザムが装備している「アッザムリーダー」の攻撃を受け、苦戦。

 アッザムリーダーとは、放熱磁場を作り出し、ターゲットの機体を4000度以上に加熱させる武器である。攻撃を受けたガンダムは、出力が低下しピンチを迎える。しかし、ここでガンダムの驚くべき設定が判明する。

「パイロット オヨビ カイロヲ ホゴスルタメ、ゼンエネルギーノ 98%ヲ ホウシュツチュウ」と、コックピット内に機械音声が響き渡るのだ。これまでガンダムがしゃべる描写はどこにもなく、あまりにも突然の追加設定に驚く視聴者もいたことだろう。この状況に対し、アムロは声に驚くどころか「98%? それじゃ動けない!」といたって冷静に対応している。

 加えて、「コウゲキ エネルギー テイカ」と、アッザムの放熱磁場が弱まっていることまで報告してくれるのだ。アムロは突然聞こえてくる機械音声に疑問を抱くことなく冷静に戦闘できることから、ブライトが疑念を抱いていたアムロのパイロット適正については杞憂だったといえるだろう。

 意外な設定はほかにもある。第43話「脱出」で描かれる本作ラストシーンで、アムロは、ライバルのジオン公国軍シャア・アズナブルとの死闘に決着をつけた。そして、宇宙要塞ア・バオア・クーをガンダムのコア・ファイターで脱出しようと試みる。サイド7の戦災孤児カツ・レツ・キッカの誘導もあってアムロは無事に生還できたのだ。本作品の感動シーンのひとつでもある。

 しかし、同作品の監督、富野由悠季氏が自ら執筆した小説『機動戦士ガンダム I』(KADOKAWA)では、アムロは敵のルロイ・ギリアムという兵が搭乗するリック・ドムに撃墜され、戦死する設定だ。アニメでは、アムロが戦場で躍進するシーンが描かれているだけに予想外の結末である。また、小説版では所々、アニメとの設定が異なる箇所があるようだ。

 紹介した本作品の意外な設定を振り返りながら、改めて視聴するのも楽しいかもしれない。

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