ケンシロウ、悟空、翼…ジャンプの主役が勢ぞろいした“伝説のゲーム”

1989年にバンダイから発売されたファミコンソフト『ファミコンジャンプ 英雄列伝』は『週刊少年ジャンプ』(集英社)で当時人気だったキャラが、同誌の創刊20周年を祝して大集結した夢のような作品となり、ジャンプファンを大いに喜ばせた。同作にはどんな魅力があり、どのようにファンを楽しませたのか今一度、振り返ってみよう。

『ファミコンジャンプ 英雄列伝』【写真:ENCOUNT編集部】
『ファミコンジャンプ 英雄列伝』【写真:ENCOUNT編集部】

夢のような人気キャラ集結が多くの人をワクワクさせた!

 1989年にバンダイから発売されたファミコンソフト『ファミコンジャンプ 英雄列伝』は『週刊少年ジャンプ』(集英社)で当時人気だったキャラが、同誌の創刊20周年を祝して大集結した夢のような作品となり、ジャンプファンを大いに喜ばせた。同作にはどんな魅力があり、どのようにファンを楽しませたのか今一度、振り返ってみよう。

 同作に登場するキャラは、『北斗の拳』(作:原哲夫/武論尊)のケンシロウや『ドラゴンボール』(作:鳥山明)の孫悟空、『聖闘士星矢』(作:車田正美)の星矢など、ぜいたくな顔ぶれだ。また、ギャグ漫画では『ついでにとんちんかん』(作:えんどコイチ)の間抜作や『Dr.スランプ』(作:鳥山明)の則巻アラレなども登場している。

 さらに、当時、連載が終了していた『ドーベルマン刑事』(作:平松伸二)などの人気作品キャラも参加するなど、キャラ構成がバラエティーに富んでいたこともあり、当時の子どもたちから注目を集めていた。

 ゲームの世界観は、ジャンプを読んでいた主人公(プレイヤー)を操作しピッコロ大魔王に支配されそうな「ジャンプワールド」を救うため、ジャンプ作品の人気キャラと協力しながら冒険するというもの。

 基本的にはフィールドを探索するアクションRPGではあるが、サブゲームの内容がとても豊富なのが魅力でもあった。例えば、レッドリボン軍と対決するサブゲームでは、レッド総帥が乗るモビルスーツに球を10発命中させるシューティングゲームが楽しめる。

 そのほかにも、レーシング漫画『サーキットの狼』(作:池沢さとし)の早瀬と対決するレースゲーム、サッカー漫画『キャプテン翼』(作:高橋陽一)の翼に頼まれて参加するサッカーのPK戦など、幅広いゲームジャンルを楽しむことができるのだ。

 ジャンプを代表する人気キャラが大集結した夢のような同作は、多くの人をワクワクさせたことは間違いない。SNS上でも「好きなキャラたちが共演するだけでテンションが上がっていた」「お祭りゲームとして内容も盛りだくさんで名作だと思う」など好意的なコメントが多い。

 また、同作は続編となる『ファミコンジャンプII 最強の7人』が91年に発売されている。続編では、『ろくでなしBLUES』(作:森田まさのり)の前田太尊、『ジャングルの王者ターちゃん』(作:徳弘正也)のターちゃんなどが登場した。

 ドラゴンクエストシリーズの生みの親である堀井雄二氏が監修していることもあり、プレイした人からは「とにかく戦闘システムと戦闘BGMが秀逸」「綺麗にまとまって遊びやすくなっていたから好きだった」など、評価する声が多い。続編もジャンプファンを楽しませてくれた名作ゲームだったようだ。

 ジャンプ発行が今後も続き、ファミコンジャンプのような人気漫画のキャラが集まるゲームが再び発売されることはあるのだろうか。ぜひまた作られることを期待したい。

次のページへ (2/2) 【写真】『ファミコンジャンプ 英雄列伝』実際のプレイ画面
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