堀口恭司、前十字靭帯を切って「おっしゃー!これで休める」 最強に近づくための超ポジティブ思考
日本人史上初のBellator世界王者・堀口恭司(アメリカン・トップチーム)が大みそかの格闘技イベント「RIZIN.45」に参戦することが決まった。また大みそかの前には初の著書『EASY FIGHT』(12月7日・幻冬舎)が発売されることもアナウンスされた。ENCOUNTでは“史上最強のMade in JAPAN”こと堀口の自伝的書籍に関する内容の一部を、随時掲載していく。
前十字靭帯を切っても「おっしゃー!これで休める」
日本人史上初のBellator世界王者・堀口恭司(アメリカン・トップチーム)が大みそかの格闘技イベント「RIZIN.45」に参戦することが決まった。また大みそかの前には初の著書『EASY FIGHT』(12月7日・幻冬舎)が発売されることもアナウンスされた。ENCOUNTでは“史上最強のMade in JAPAN”こと堀口の自伝的書籍に関する内容の一部を、随時掲載していく。
第4回は試合に勝つための、強くなるための根本的な堀口流の考え方を紹介する。
話は堀口恭司が朝倉海戦(2018年8月18日、愛知県体育館)に敗れ、米国に戻って、練習を再開しはじめた矢先のことだった。
「練習再開初日、軽いスパーリングをしてみたら、軽く相手に体重をかけられただけでヒザがガクっとハズレてしまった。
おかしいなと思いながら、翌日またスパーリングをやったら、ステップを踏んでいるだけでヒザがガクッとハズレてしまって、これはダメだなという話になった。
すぐにマイク・ブラウンに話したら、『ちょっと病院に行こうか』という話になって、付き添ってもらって病院へ行き、医師に診察を受けた。結果は、ACL(前十字靭帯)を断裂していて、すぐ手術が必要だという。自分はそれを聞いて、こう思った」
「おっしゃー! これで休める」
普通の感覚であれば、スポーツ選手にとって前十字靭帯を断裂する、という、もしかしたら選手生命にもつながるような大怪我をしてしまった場合、当然のように落ち込むに違いないが、堀口は真逆の心境に至ったことと綴(つづ)る。
「もちろん、ショックがまったくなかったのかと言えば、そういうわけではない。自分が休むことになったら、RIZINを含め、自分の力を必要としていた人たちには想定外かもしれない。それでも、自分は起こったことをマイナスには考えない。『まあいいや。せっかくた゛から毎日、釣りをしよう』みたいな。そういう感じで捉えていた」
このスーパーポジティブな発想力や考え方が、堀口の強さを形成している。
単純に考えないから負けが続く
さらに、自分が強くなるための練習方法と考え方についても著書のなかでは以下のように書かれている。
堀口は、もし自分が数字者だったとして、誰も解けない難問を解いてほしいと依頼された場合、例えば「3・14……」とされている円周率について、「1」という考え方を用いる、と明かしている。それはどういうことか。
「下手に小数点なんて付け加えると、自分で問題を難しくしてしまう場合がある。だったら『1』と決めて、そこに向かって進めばいいから、何も細かい作業なんていらないよね、という考えをする方法を自分はとっている。自分の考え方は、もしも相手が『2』を出してきたら、こっちは『2.1』を出すんじゃなく、『3』を出すようにすれば勝てる、という考え方。要は、よりシンプルに進めていく」とある。
「リング上で試合をするということは、1対1。これが陸上競技のように、タイムを競うとなればまた話は変わってくるだろうけど、自分のやっている試合は、毎回、対戦相手がいる。だったら、自分が相手よりどの部分で優っているか、そこを出せば勝利に近づけるし、裏を返せば、相手の得意な部分を出させないように徹底する場合もある。その選択を間違えると勝てなくなるし、間違わなければ勝利が手に入る」
そして、勝ち星に恵まれない場合のアドバイスとして、「なぜか勝てない選手は、単純に考えられていない場合が多い気がする。自分からすると、それが不思議でしょうがない」と明かす。
基本的には「同じ人間だから、自分にできないことはない」と考えるからこそ強くなれるし、勝利が手に入る、と何度も言い聞かせるように書かれている。