テレビ朝日、旧ジャニーズへの“忖度”認める 制作現場「配慮があったことは事実」

テレビ朝日は12日、特別番組『テレビ朝日 旧ジャニーズ問題検証』(午前10時)を放送。局員、OBの計103人からの証言を基に旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)との関係性を検証した。黒のスーツを着た大下容子アナウンサーと小木逸平アナウンサーが番組を進行した。

テレビ朝日【写真:ENCOUNT編集部】
テレビ朝日【写真:ENCOUNT編集部】

特別番組『テレビ朝日 旧ジャニーズ問題検証』を放送

 テレビ朝日は12日、特別番組『テレビ朝日 旧ジャニーズ問題検証』(午前10時)を放送。局員、OBの計103人からの証言を基に旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)との関係性を検証した。黒のスーツを着た大下容子アナウンサーと小木逸平アナウンサーが番組を進行した。

 番組には内藤正彦報道局長も出演し、「男性の性加害、被害に対する無知、無関心、そして、人権意識の低さがあったことは否定できません」などと話した。さらに、ジャニーズ事務所に関する問題を扱うことに、報道局員も慎重になっていた声を紹介した。

「ジャニーズ事務所の問題を扱うには編成局に相談する必要があった」「扱いにくい問題だった」などで、内藤局長は4月に元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトが記者会見した当日も報道しなかったことを「ジャニーズ事務所の反応を待っていました。忸怩(じくじ)たる思い」。そのうえ、「裁判結果を報じていれば、被害者が減らせたのではないかとの指摘は、報じることができた立場で重く受け止めます」などとコメントした。

 続いて、奥川晃弘コンテンツ編成局長が登場し、編成、制作現場の声を紹介した。「旧ジャニーズ事務所に忖度することはあったか」については、「忖度したつもりは全くない」「他の大口事務所と同じ扱い」「圧力は感じたことはない」「忖度というより貸してほしいというお願いだった」「紳士的な事務所だった」「忖度したことはある。他の事務所の男性グループはジャニーズが嫌がるだろうなと思った」「ある種、配慮はあったことは事実」

 奥川局長は「ジャニーズタレントのキャスティングに関して、7名が『忖度はあった』と回答しました」とし、「テレビ朝日は後発局ということもあり、キャスティングを強化したいという背景の中、旧ジャニーズ事務所のキャスティングは社の戦略として、上層部や編成幹部が動くことが多くなりました。評価は分かれると思いますが、テレビ朝日の社内においては、旧ジャニーズ事務所が神経を使う事務所である。そういう雰囲気が醸成されていたということです。それが一部の局員が『忖度があった』と言う理由の1つだと思います」などの見解を示した。

 テレビ各局では、NHK『クローズアップ現代』を皮切りに旧ジャニーズ事務所との関係性を検証する番組を放送。民放では日本テレビ、TBS系『報道特集』、フジテレビが社内調査し、「忖度(そんたく)があった」とする社員の証言などを伝えている。最近ではテレビ東京が10月26日午後5時5分から、検証番組『ジャニー喜多川氏の性加害問題~検証報告と今後の対応について~』を放送している。

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