日本プロレス史上指折りのイケメン戦士・安齊勇馬の野望「新時代ではなく、俺たちの時代にしたい」

日本プロレス界の父・力道山がプロレスを日本でスタートさせて約70年。藤波辰巳(当時)、武藤敬司など数々のイケメンレスラーが登場したが、現在の日本マット界で光っているのは安齊勇馬だろう。

イケメンぶりが際立つ安齊勇馬【写真:柴田惣一】
イケメンぶりが際立つ安齊勇馬【写真:柴田惣一】

毎週金曜日午後8時更新 柴田惣一のプロレスワンダーランド【連載vol.170】

 日本プロレス界の父・力道山がプロレスを日本でスタートさせて約70年。藤波辰巳(当時)、武藤敬司など数々のイケメンレスラーが登場したが、現在の日本マット界で光っているのは安齊勇馬だろう。

 中央大レスリング部から全日本プロレス入りし、2022年9月にデビューした超新星。キャリア1年あまりにして、トップ戦線に食い込む急成長を遂げており、期待を上回る逸材ぶりを発揮している。

 190センチ近い長身に、肩幅が広く逆三角形の体型。背中からの立ち姿は、アントニオ猪木の若獅子時代を思い出させる。スープレックスで華麗に投げ飛ばし、スケール感あふれるジャンピング・ニーアタックを決める…まるでレスラーになるために生まれてきたような男だが、加えてイケメンなのだ。

 アイドル顔負けの整った顔立ちで、流行のファッションを着こなす。街中を私服姿で歩いていると、芸能界からスカウトの声がかかるという。「何度かあります」と控えめに照れる。

 多くのイケメンレスラーを見て来たという長年のファンでも「二度見した」とにっこり。先日、アクションスターを育成する関西アクションアクターズの門下生とともに、全日本道場に一日体験入門した吉田理佳代表も「すてきです」と頬を赤らめた。超人気俳優らと共演し、イケメンを見慣れているプロである吉田氏からも太鼓判をいただいた。

 とはいえ「プロレスでちゃんと実績を残すことが第一」と精進する安齊。1年目から、永田裕志(新日本プロレス)と最強タッグ戦に出場、シングルのリーグ戦でもチャンピオン・カーニバルに参戦し、ノアのN-1 VICTORYに乗り込んでいる。

「いろんな経験をさせてもらった。これをどう生かせるか」と口を真一文字に結ぶ。狙いはもちろん三冠王座。中大の先輩であるジャンボ鶴田、諏訪魔も腰に巻いた王道の象徴だ。

 6月には外敵三冠王者・永田に挑戦。全日本に奪還とばかりに大健闘した。敗退したもののデビュー9か月での奮闘は評価されたが、本人は「いや、勝たないと」と悔しさいっぱいだった。

 今では「ベルトは近い」と手応えを感じている。まずは最強タッグ決定リーグ戦2023(11月12日、東京・後楽園ホールで開幕)優勝を見据えている。今回は本田竜輝との新時代コンビで参加となる。

「優勝して大晦日決戦(東京・国立代々木競技場第二体育館)で、タッグタイトル挑戦というプランを勝手に描いている」と目を輝かせる。

 初戴冠。そして三冠。海外マット遠征や新日本プロレスなどへの国内留学などにも「いろいろと試したい」と前向きそのもの。

 その先には芸能界進出もあるかも知れない。これまでのプロレスラーの映画出演とは一味違う「アクションスターとの二刀流」も決して夢ではない。知名度が上がれば女性ファンが押しかけるだろう。

「新時代にするのではなく、俺たちの時代にしたい」と頼もしいコメントをさらりと言ってのける安齊。計り知れない無限の可能性を感じるイケメン戦士から目を離すな。(文中敬称略)

次のページへ (2/2) 【写真】1安齊勇馬のキリリとした立ち姿
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