コロナ禍、デモ活動…全米で銃の売り上げ急増 専門家「社会秩序乱れ、将来への不安」

新型コロナウイルスの蔓延がいまでも拡大している米国で、銃の売上が急増している。ニューヨーク市郊外、ナッソー郡にある銃砲店「コロシアム銃トレーダー」のオーナーは、「商品棚に陳列するとすぐに売れてしまう」と述べるほどで、昨年5月比で80%増の売れ行きだという。

米国では新型コロナの影響で銃の売上が急増、女性の購入者も多い(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
米国では新型コロナの影響で銃の売上が急増、女性の購入者も多い(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

鉄砲店オーナー「棚に陳列するとすぐに売れてしまう」

 新型コロナウイルスの蔓延がいまでも拡大している米国で、銃の売上が急増している。ニューヨーク市郊外、ナッソー郡にある銃砲店「コロシアム銃トレーダー」のオーナーは、「商品棚に陳列するとすぐに売れてしまう」と述べるほどで、昨年5月比で80%増の売れ行きだという。

 バッグに入れられる300ドル(約3万2000円)前後の短銃が人気で、女性の購入者も多く、需要増は大都市だけではなく全米レベルで見られる。銃の需要が急増しはじめたのはコロナウイルスが拡大しはじめた時期と重なり、3月だけで全米で約200万丁が売られた。

 銃産業に詳しいジョージア州立大学のティモシー・リットン教授はニューヨーク・タイムズ紙に、「コロナ感染により社会秩序が乱れ、将来への不安や感染への憂慮が増すと、銃を購入しようと考える人が増える」と購入者の心理を説明している。

 さらにミネソタ州ミネアポリスで起きた黒人男性の殺害事件を契機に、全米でデモ活動が起こり、略奪や破壊行為が広がったため、市民が自己防衛の用途でさらに銃を購入してもいる。

 米国ではいまだにコロナウイルスは拡大の途上で、6月3日だけで1万9700人の新規感染者がでている。ちなみに累計の感染者は約185万人、死者は10万7000人だ。

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