韓国ダンスバトルで善戦 日本クルー『TSUBAKILL』の素顔 世界から熱視線に「頑張ってよかった」

韓国Mnetで放送されたダンスサバイバル番組『STREET WOMAN FIGHTER 2(ストリート・ウーマン・ファイター2)』に出場した日本チーム『TSUBAKILL(ツバキル)』が、都内でENCOUNTのインタビューに応じた。日本を代表する一流ダンサー兼振付師6人が強豪ライバルチームとダンスバトルを繰り広げ、世界中の視聴者から注目された。帰国した6人に出演の手応えと今後の課題を聞いた。

世界への第1歩を踏み出したTSUBAKILL【写真:舛元清香】
世界への第1歩を踏み出したTSUBAKILL【写真:舛元清香】

Mnetのダンスサバイバル番組『STREET WOMAN FIGHTER 2』で強豪チームと激突

 韓国Mnetで放送されたダンスサバイバル番組『STREET WOMAN FIGHTER 2(ストリート・ウーマン・ファイター2)』に出場した日本チーム『TSUBAKILL(ツバキル)』が、都内でENCOUNTのインタビューに応じた。日本を代表する一流ダンサー兼振付師6人が強豪ライバルチームとダンスバトルを繰り広げ、世界中の視聴者から注目された。帰国した6人に出演の手応えと今後の課題を聞いた。(取材・文=鄭孝俊)

『STREET WOMAN FIGHTER』の第1シーズンは韓国で2021年8月にスタート。女性ダンスチームによる初のサバイバル番組として注目を集め、人気を背景に第2シーズンが8月から放送されている。同番組に初めて日本から出演したダンスクルー『TSUBAKILL』は、リーダーのAkanen(アカネン)、$AYAKA(サヤカ)、MIKI(ミキ)、Momo(モモ)、YUMERI(ユメリ)、Rena(レナ)からなる6人組。今回は日本でも振付師として注目度の高いRIEHATAが、審査員として出演。ジャスティン・ビーバーらと仕事をしてきた米国の強豪クルー・JAM REPUBLIC(ジャムリパブリック)や現在、K-POP人気グループの振り付けをしている1MILLION(ワンミリオン)、BEBE(ベベ)などのクルーが参加している。

『TSUBAKILL』。このチーム名についてAkanenは「ツバキの花の赤いイメージと強い女性を描いた映画『キル・ビル(Kill Bill)』を合わせました。美しくもあり、強くもあり、という花びらのような、かっこいい女性、キレイな女性になるという意味を込めました。今回は『スウパ2』に出演するために特別にチームを結成しました」と説明した。そして、「集められたメンバーはとてもバランスが良かったと思います。いろいろな性格のメンバーが集まったのでお互い補い合えました」と振り返った。力強い上に技巧が伴ったハードなダンスを繰り出し、審査員や他チームを驚かせた。だが、9月放送の第4回で脱落となった。

 それでも、得たものは大きいようだ。MIKIは「『スウパ』は世界的に有名な番組なので、世界で活躍できる1歩を踏み出せたのではないかと思います。他のチームは最初、本当に怖かったですが、皆さんすごく熱くて本当に素敵な方たちでした」。$AYAKAは「この番組に挑戦しなかったら、経験できなかったことが多かったと思います。番組の力がすごいと感じました」と手応えを口にした。Momoは「ダンサーがここまでピックアップされて、ダンサーたちだけで番組ができる、ダンサーたちだけでコンサートができるという規模がすごいです。今までいろいろなダンスの仕事をさせてもらいましたが、ダンサーだけを見てくれる世界に触れて可能性がすごく広がりました」と目を輝かせた。

『TSUBAKILL』の挑戦日本人ダンサーのグローバルな可能性につながった【写真:舛元清香】
『TSUBAKILL』の挑戦日本人ダンサーのグローバルな可能性につながった【写真:舛元清香】

 米国でダンスを学びSMAP、BoA、三浦大知らのバックダンサーを務めるなど知名度の高いAkanenは、感情を込めて熱戦を振り返った。

「K-POPミッションの際、音を取るような振り付けを考えましたが、韓国のチームはそこをガッツリ抜いて振りの数を少なくするなど、私たちのスタイルとは全く違っていました。こういう作り方もあるのか、と自分的には衝撃が大きかったです。コピーミッションで対戦した韓国チームの『BEBE』は音の取り方も違えば、構成も全く違っていて、結構シンプルでスッキリ、覚えやすい。それに対して私たちは、アクロバットを取り入れて構成を複雑にしました。パフォーマンス終了後、韓国の観客から熱い声援を頂いたこと、同時に脱落したことでうれし泣き、悲し泣き、その両方で涙があふれました」

 アクロバティックなダンスを披露して、審査員を驚かせたYUMERIは「3歳から始めたゴルフと小学校から始めた野球の経験、加えてトランポリンで練習した成果が、アクロバティックなダンスを可能にしました。特にゴルフはダンスの力の入れ具合や抜き具合に役立っているような気がします」と言った。YUMERIは、JYPエンターテインメント所属の5人組ガールズグループ・ITZY(イッチ)の楽曲『SNEAKERS』の振り付けの一部を担当したことで、今後のグローバルな活躍が期待されている。

 チームとしての課題を聞くと、Renaはすがすがしい笑顔を浮かべて言った。

「日本チームには知名度もあって功績もあるダンサーが集まっていたにもかかわらず、グローバル投票の数字が伸びなかったことが悔しかったですが、番組が始まってから『TSUBAKILL』への韓国の皆さんの反応や世界の反応が熱くてうれしかったです。脱落した時はすごく悔しかったですが、反響のすごさに触れて『頑張ってよかった』『うちら、すごかったんだ』と感動しました」

 反省点で全員の意見が一致したのは「衣装の準備不足」。チーム全体で見せるミッションでは、韓国チームの衣装が個性的で魅力的だったという。だが、自分たちの日本チームは白か黒の衣装しかなく、「体育祭の衣装のようになってしまった」と悔しがった。

「韓国に行く前にもっと衣装をそろえて持って行ったら、その印象から違う結果が出たかもしれません」(Akanen)。

 韓国には約3週間滞在。ほとんど会場と宿舎の往復で睡眠時間は2、3時間という過酷なスケジュールが続いたという。宿舎での食事が合わず、栄養面で不安を抱えるメンバーもいて苦労が続いた。それでも、『スウパ3』が放送される場合のことを聞くと、6人は「ぜひ、再挑戦します!」と力強く声を合わせた。『TSUBAKILL』の挑戦が、日本人ダンサーのグローバルな可能性につながったのは間違いない。

『STREET WOMAN FIGHTER 2』はCS放送Mnetと動画配信サービスMnet Smart+で字幕版を放送・配信中。

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