eスポーツの“原点”は90年代前半の対戦格闘ゲーム? 少年たちを夢中にさせた人気作たち
子どものころ、ゲームをするなら勉強しなさいと叱られた経験を持つ人もいるだろう。しかし、そんな時代はもう過去になりつつある。2000年代になると、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指すeスポーツという言葉が使われ始めた。以降、eスポーツの市場は右肩上がりで成長し、eスポーツを教える高校まで誕生。勉強するならゲームしなさいと叱る親が現れてもおかしくない状況だ。
技のコマンドが斬新だった
子どものころ、ゲームをするなら勉強しなさいと叱られた経験を持つ人もいるだろう。しかし、そんな時代はもう過去になりつつある。2000年代になると、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指すeスポーツという言葉が使われ始めた。以降、eスポーツの市場は右肩上がりで成長し、eスポーツを教える高校まで誕生。勉強するならゲームしなさいと叱る親が現れてもおかしくない状況だ。
そんなeスポーツの原点とも言えるのが、1990年代に大ブームを巻き起こした対戦格闘ゲームである。本記事では、当時の対戦格闘ゲームから特に人気を集めた3作品を紹介していく。
最初に紹介するゲームは、91年にアーケードゲームとして登場し、92年にスーパーファミコンに移植されたCAPCOMの『ストリートファイターII』(以下、ストII)だ。プレイヤーは、リュウやケンといった個性豊かなキャラクターから1人選び、ほかのキャラクターと1対1のバトルをくり広げる。キャラクター固有の必殺技を出すにはコマンドを素早く入力する必要があった。
ゲームセンターなどのアーケード筐体で1人プレイをしていると、別の筐体から対戦相手が乱入し、対人対戦が始まることも。対人対戦では、お互いの技術力を競い合って必死でプレイをしたという人も少なくないだろう。また、世界屈指のプロゲーマーである梅原大吾氏がプロゲーマーになったきっかけが本作の世界大会優勝であることから、日本にeスポーツが育つ土壌を作ったゲームとも言える。SNS上では、「いまも現役で遊べるレトロゲームの1つ」「古いゲームだけどコンボとか戦い方とか奥深さがすごい」といったコメントが上がっていた。
次に紹介するのは、91年に登場したSNKの『餓狼伝説』だ。テリーとアンディのボガード兄弟や、ジョー・ヒガシを操作して、最強武闘会「キング・オブ・ファイターズ」を主催するギース・ハワードを倒すためにバトルを勝ち抜いていくゲームだ。コマンドを入力すれば必殺技がでる操作方法は『ストII』に似ているが、奥行きのある2ラインバトルが戦いの幅を広げていた。
本作にハマっていたプレイヤーからは、「学校で残影拳の真似してた」「ひたすらバーンナックル使いまくってた」など、当時を懐かしむ声が寄せられていた。
また、2023年8月6日には新作ゲーム『餓狼伝説 City of the Wolves』のティザートレーラーが公開され、1999年以来の最新作に注目が集まっている。
最後に紹介するのは、93年に登場したSEGAの『バーチャファイター』。世界初の3D格闘ゲームで、シンプルな背景をバックに、ポリゴンで作られたキャラクターの動きは斬新だった。SNS上では「『ポリゴンで人間を表現するなんて』とたかをくくっていたが、プレイしたら驚いた」「初見のインパクトが絶大で、そこからゲーセンに通いまくった」などの声が寄せられている。
2021年には『Virtua Fighter esports』というeスポーツをタイトルに入れたシリーズ作品を発表。さらに、SEGA公式のプロ大会を開催するなど、eスポーツシーンを盛り上げるために一石を投じている。
今回紹介した対戦格闘ゲームにハマった人たちが、子どもにeスポーツの英才教育を課す時代が来ているのかもしれない。親子でゲーム対戦に夢中になれるのも、長きに渡って継承されてきた格ゲーの魅力だろう。