元BiSHのアイナ・ジ・エンドと岩井俊二監督が25日、都内で行われた音楽映画『キリエのうた』のティーチイン付き舞台あいさつに登壇した。

「監督：岩井俊二×音楽：小林武史」による新たな映画『キリエのうた』は、壮絶な運命と無二の歌声を宿したキリエの音楽がつなぐ13年に及ぶ壮大な愛の物語。降りかかる苦難に翻弄（ほんろう）され、切なくもドラマティックに交錯していく男女4人の人生を描く。

　会場に詰めかけた観客で、この日初めて本作を見る人が少数派なことが判明する中、初めて見る際と2回目以降に見る際、それぞれの注目ポイントを聞かれると、歌うことでしか“声”が出せない路上ミュージシャン・キリエ（路花）を演じるアイナは「2回目以降は、例えば音楽の聞こえ方だったり、キリエのお腹とか。初めての人は（集中力を欠いたら）置いていかれちゃうかもしれないので、トイレに行ってから劇場に入ってしっかり見てください」とコメント。

　岩井監督は「1度目は心を白紙にしていただいて、展開が“どうなってるんだろう”ってなると思うんですけど、お家に帰るころには頭の中で整理ついているはずなので（笑）、心配せずに1回目は踏み込んでみるという感じで見ていただけるといいかなと」といい、「2回目以降はみなさんの推しを中心に追いかけてもらえるとより楽しめるんじゃないかと思います」とおすすめした。

　さらに、何度も鑑賞している人に向けて、より細かな見どころポイントを尋ねられた岩井監督は「最初は物語にどっぷり浸かって欲しいですけど、最後のほうはお腹（笑）」と答え、「妊娠12週目ということで、人によっては“（ふっくらして）見えるんじゃない”という人もいると思うんですけど、アイナさんの場合、凹んでいるようにバキバキに筋肉がついていて6つに割れていたので（笑）、そこはいろいろ修正を頑張りました」と告白。

　これにアイナから「岩井さん、あの編集すごくこだわったみたいで、お時間をかけてくださったんですよね」と声をかけられた岩井監督は「反射のツヤとかいろいろ。お腹をずっといじっていました（笑）。なんか変態オヤジみたいに（笑）。結構なカット数があったので労作というか大変でした」と苦労を明かし、「12週という状況を調べていたので、ちょっと難しいかな。直さなきゃって」と撮影中から修正することが頭にあったことを明かした。