6年もの遠距離恋愛を支えたぬいぐるみ 販売元も反応の奇跡の物語がネットで話題「心洗われた」

子どものときに抱きしめて眠ったぬいぐるみ、旅行時も一緒に連れて行ったなど、人形との思い出を持っている人は少なくないはず。SNSでは東京の大学に進学することが決まった彼氏に、「私の分身」として贈ったうさぎのぬいぐるみが注目されている。ドラマのような展開には、販売元からもコメントが寄せられたほど。これが初投稿というピーちゃん(@usa_wanwanwanko)さんに、表示回数164万回と大バズリしたエピソードについて聞いた。

遠距離恋愛中のキューピッドに 38歳になったピーちゃん【写真:X(@usa_wanwanwanko)より】
遠距離恋愛中のキューピッドに 38歳になったピーちゃん【写真:X(@usa_wanwanwanko)より】

リプライには、ぬいぐるみにまつわる感動エピソードが続々

 子どものときに抱きしめて眠ったぬいぐるみ、旅行時も一緒に連れて行ったなど、人形との思い出を持っている人は少なくないはず。SNSでは東京の大学に進学することが決まった彼氏に、「私の分身」として贈ったうさぎのぬいぐるみが注目されている。ドラマのような展開には、販売元からもコメントが寄せられたほど。これが初投稿というピーちゃん(@usa_wanwanwanko)さんに、表示回数164万回と大バズリしたエピソードについて聞いた。

「#初投稿 です。 当時付き合っていた彼が東京の大学に行くことになりました。ついて行けない私は、うさぎのぬいぐるみを買って、代わりに連れて行ってもらいました。そのぬいぐるみは、パペットになっていて、手を押すとピーと鳴る、なんとも愛らしいぬいぐるみでした。→  #吉徳 #ぬいぐるみ」と始まったのは、38年前の実話だ。投稿には胴体の中に手を入れて動かすことができる、うさぎのパペット人形を写した1枚の写真も掲載されていた。

 ピーちゃんさんは「当時、大学進学で上京が決まった彼に、『東京についていけない私の代わりにぬいぐるみを連れて行ってもらおう』と考えました。具体的にどんな子を、とは決めていなかったのですが、百貨店に行っていろんな子を見た中で、『この子が一番かわいい!』とビビッときて選んだのがピーちゃんでした」とコメント。関西と東京で、それぞれの暮らしが始まった後は「当時はメールや携帯電話はなかったので、手紙や家の電話を使ってのやりとりでした。手紙は100通を超え、電話代は月2万円ぐらいかかっていました。大学の長期の休みのときや連休のときなどに彼が帰省してくれ、会っていました」と明かし、約6年半もの間、愛を育んでいたという。

 1万回のいいねが押された投稿は、矢印の後に詳細を記した数件の投稿がひもづけられている。2つ目の投稿には「→東京で一人暮らしを始めた彼は、その子を『ピーちゃん』と名付け、話しかけていたそうです。帰省の時はピーちゃんも連れて帰ってきて、一緒に出かけました。ピーちゃんが6歳になった時、私達は結婚しました。子供も生まれ、ピーちゃんは娘の部屋で過ごすようになりました。→」と書かれており、遠距離恋愛が見事に成就し、子宝にも恵まれたことが分かる。

 ひもづけされた投稿の中には「彼が一人暮らしを始めて少し経った頃、彼は体調を崩し寝込んでしまいました。彼のお母さんが看病に行き、その後私にお手紙をくださいました。『貴方にもらったというぬいぐるみを見せてくれました。息子の病気は体だけではないんだなぁ、と感じました』と。今、そのお母さんと一緒に住んでいます」という心温まるものもあり、ピーちゃんは長く2人を見守り続けていたようだ。

 続く投稿には「→最近娘が『ピーちゃんは吉徳というところのぬいぐるみだ!』という事を発見しました。昔、『キャンディ』という名前で販売されていて、再販されていたのです。娘は喜んで、 #キャンディ ちゃんをお迎えしました。吉徳さん、ありがとう! ピーちゃんは38歳になりました。」とぬいぐるみにまつわる奇跡のエピソードが判明。これには販売元の「吉徳」の担当者も驚き、公式の「X」アカウントで、「なんて素敵すぎるお話…!! まるで絵本のよう。ぬいぐるみ部門一同、感動の嵐です。キャンディのパペットは情報として一部残っているものの、カタログや写真データとしては残っていない、超激レアな子です…。どうかこれからもご家族一緒に、ピーちゃんとキャンディをかわいがってあげてくださいね」とリプライを寄せていた。この流れを見ていた人からは「朝から泣けました」「素晴らしいエピソードですね。ぬいぐるみも愛されていてとてもホッコリしました」など感動のコメントが多く寄せられていた。

 ピーちゃんさんは「娘が復刻版のキャンディちゃんをお迎えすることができたので、ピーちゃんが私たちにとって特別な子であることや、今も吉徳さんがぬいぐるみを作り続け、復刻版も作り、情報を発信してくださっていることへの感謝の気持ちを吉徳さんに伝えたいと思いました。Xに投稿すれば吉徳さんに伝わると思い、自分でやり方をいろいろと調べましたが、なかなかできず、娘に教えてもらってやっと投稿できたのが、今回のタイミングになりました」と投稿した経緯を告白。「私の投稿が吉徳さんに届いて良かったとホッとしました」と満面の笑みを見せた。

 反響については「『素敵』『泣いた』『ほっこりしました』『心洗われた』などのお言葉をいただき、『少しでも誰かの癒やしになれたのかな』とうれしく思います。『小1の入院のときに担任の先生からもらったうさたんの話』、『貧しかったお母さんが唯一持っていたぬいぐるみの話』も印象的で、私もそれぞれのぬいぐるみストーリーを知ることができて心温まりました。『うちの子も吉徳さんのぬいぐるみだった』という声も多く、投稿して良かったとつくづく思いました」と思いを込めていた。

次のページへ (2/2) 【写真】復刻版のぬいぐるみとピーちゃん
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