浦沢直樹氏、アニメ『PLUTO』上映会を開催 世界中の原作ファンへ「こぎつけました!」
漫画家・浦沢直樹氏が、20日に都内で、Netflixから独占配信されるアニメ『PLUTO』の上映イベントを開き、世界中にいる原作ファンに第一声。アニメ化を喜んでもらおうと「こぎつけましたよ!」と声を発した。
2003年の作品「アニメが配信される意味を、とても深く胸に感じております」
漫画家・浦沢直樹氏が、20日に都内で、Netflixから独占配信されるアニメ『PLUTO』の上映イベントを開き、世界中にいる原作ファンに第一声。アニメ化を喜んでもらおうと「こぎつけましたよ!」と声を発した。
「2003年に取り組み出した作品で、随分時間がかかりましたが、ようやく、こぎつけました!」といい、20年がたって「アニメが配信される意味を、とても深く胸に感じております」と万感の思いも口にした。
世界最大級の動画配信サービスを展開するNetflixでアニメ化された本作は、来週・10月26日から世界配信される。
今日のイベントは、世界最速のワールドプレミアという催しとなり、主要声優の藤真秀(ゲジヒト役)、日笠陽子(アトム役)、関俊彦(プルートゥ役)のほか、芸能界きってのマンガ&アニメ好き・内田理央もスペシャルゲストとして現れた。
浦沢氏による『PLUTO』は、手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』のエピソード『地上最大のロボット』を独自の視点と解釈でリメイクした作品。<人間と高性能ロボットが共生する近未来>で起こる上質なサスペンスドラマで、手塚治虫文化賞マンガ大賞をはじめ、“漫画界のカンヌ”と称されるアングレーム国際漫画フェスティバルのインタージェネレーション賞を獲得するなど、国内外で高い評価を獲得。原作の単行本の全世界累計発行部数は、1000万部を超えるセールスがある。
浦沢氏は、上映を待つファンに、こう呼びかけた。
「『PLUTO』は、ただ楽しいだけの物語ではないです。手塚先生はいつも、とっても難しいテーマに挑んでおられました。『ブラックジャック』もそうです。人間の命とは何だとか、もの凄く難しいテーマに挑んでいました。『火の鳥』も人間の命、それは不滅なのか、そういうことに挑んでおられました。凄く難しいテーマではあるんですが、それを一生懸命にエンターテインメントにして、皆さんに届ける。みんなで考えてみようと、僕らに提示しておられました。今回の『PLUTO』も、皆さんの心の中に『なんだこの気持ちは…』っていうことが芽生えてくれたら、とってもうれしいですし、それが世界中に届けば良いなと思っています」
全世界に贈る「愛と憎しみの記憶の物語」。業界から「日本マンガ/アニメの新たな歴史が刻まれるかどうか、大きな期待がかけられている。