俳優の小野武彦が14日、都内で行われた映画『シェアの法則』初日舞台あいさつに、貫地谷しほり、岩瀬顕子、メガホンをとった久万真路監督とともに出席した。

　本作は、劇団青年座が2021年に上演した舞台が原作で、東京でシェアハウスを経営する老夫婦と、年齢も国籍もバラバラな個性豊かな住人たちとの交流を描く。小野はシェアハウス・春山家を切り盛りする春山秀夫役で、芸歴57年にして映画初主演を飾った。

　撮影中のエピソードを聞かれると、久万監督が「小野さんが誰よりも早く現場に到着されるので、小野さんに先を越されないように現場に毎日行っていました」を紹介した。

　小野は遅刻しないよう撮影が始まる最低30分前に到着するように心がけているといい、「若い頃に主役と準主役、天知茂さんと山村聡さんっていう大ベテランを2時間待たせたことがあって。それ以来、絶っ対に遅刻しまいと。だから最低30分前には着こうかなって」と過去の教訓を活かしていることを打ち明けた。

　シェアハウスの住民でキャバクラ嬢の美穂を演じた貫地谷は、久万監督と久々の仕事だったという。「実は私は19歳のころ、大学に進学するか、それとも芸能界1本で行くか悩んだときに久万さんに相談したことがある」と回想。

　周囲は「夢があるなら（大学進学を）やめてもいい」と助言する人が大多数だったが、久万監督は大学進学をすすめた。貫地谷は「久万さんは『俺は女子大生の貫地谷が好きだな』と言ってくれたんですけど。でも、まぁ（大学進学は）やめたんですけど（笑）」と話して笑わせた。