スターダムの頂点目前の“狂乱娘”鈴季すず、「嫌いで嫌いで仕方なかった」ジュリアとの物語
2021年いっぱいでアイスリボンを離脱し、ハードコアユニット・プロミネンスの一員としてスターダムのリングに登場してから2年弱。“狂乱娘”こと鈴季すずを取り巻く環境は大きく変わった。今年4月にそのプロミネンスを脱退し、スターダムに本腰を入れて参戦すると、9月30日、神奈川・横浜武道館で行われた『5★STAR GP 2023 ~優勝決定戦~』では見事優勝。そして10月15日に東京・大田区総合体育館で行われる『第13回ゴッデス・オブ・スターダム ~タッグリーグ開幕戦~』では、世羅りさ&柊くるみというプロミネンス勢との“初”対決が実現する。話題に事欠かない鈴季に、今の心境を聴いた。
プロレス界における「姉」ジュリアとの関係性の変化
2021年いっぱいでアイスリボンを離脱し、ハードコアユニット・プロミネンスの一員としてスターダムのリングに登場してから2年弱。“狂乱娘”こと鈴季すずを取り巻く環境は大きく変わった。今年4月にそのプロミネンスを脱退し、スターダムに本腰を入れて参戦すると、9月30日、神奈川・横浜武道館で行われた『5★STAR GP 2023 ~優勝決定戦~』では見事優勝。そして10月15日に東京・大田区総合体育館で行われる『第13回ゴッデス・オブ・スターダム ~タッグリーグ開幕戦~』では、世羅りさ&柊くるみというプロミネンス勢との“初”対決が実現する。話題に事欠かない鈴季に、今の心境を聴いた。(取材・文=橋場了吾)
プロミネンスが結成された当初は、スターダム以外にも複数の団体に参戦していた鈴季。しかし、アイスリボン時代に「姉」のように慕っていたジュリアがいたスターダムは特別な団体だった。
「スターダムは正直、ジュリアがいるってだけで嫌いな団体でした。SNSも見なかったですし。でもプロミネンスとしてスターダムに上がってみたら、ジュリアしか見ていませんでしたね」
鈴季にとって、ジュリアのアイスリボン離脱は晴天の霹靂。残されたメンバーで奮闘するしかなかった。頼りにしていたジュリアの抜けた穴は自分が埋める――。アイスリボンで十分な実績を残したうえで、鈴季はアイスリボンを離脱し、プロミネンスとしてスターダムに乗り込んだ。しかも蛍光灯を手にして乱入したために、ファンからの拒絶反応も凄かった。
「誹謗中傷の雨あられでしたね……でもその経験があったから、通常ルールのプロレスでトップに立ちたいという思いも出てきました。ジュリアがプロレス界における『姉』なら世羅りさは『師匠』、プロミネンスでは『戦友』ですかね。4月に『鈴季すずデスマッチ十番勝負』を終えてプロミネンスを離脱したのは、『プロレス界の顔』になりたかったからです。いろいろな団体に出るのもいいんですが、スターダムでトップになることが近道だと思ったので。ひょっとしたら、ジュリアがいたからというのは大きいかもしれないですね」
スターダムでジュリアと戦ううちに「前のような関係に戻れるのかな」と鈴季は思ったという。「ジュリアさんは鈴季さんが来たときから、ずっとそう思っていたように感じました」と問うと……。
「見ている方々と自分たちとでは感じ方は違うかもしれないですね。なんせジュリアのことが嫌いで嫌いで仕方なかったですから(笑)」
ついにプロミネンス勢との対決へ…「花束までもらって送り出してくれたのに」
今やそのジュリアから、彼女が結成したユニット「Donna del Mondo(ドンナ・デル・モンド)」に勧誘されているという事実もある。ただしこれはジュリアが「酔っているから」という条件付きで語ったものだが。
「今は、スターダムに上がってから一番組んできた(星来)芽依ちゃんとのタッグで、優勝することしか考えていないですけどね」
その『第13回ゴッデス・オブ・スターダム ~タッグリーグ開幕戦~』では、世羅りさ&柊くるみというプロミネンス勢と”初”対決となる。
「世羅りさとは何度も組んで何度も戦ってきたので、何をしてくるかは大体想像がついていますけど……、柊くるみとはリング上ではあまり接点がないんで、予想がつかないのは怖いですよね」
その世羅と柊は、9月10日に横浜武道館で開催された『ドリーム・タッグ・フェスティバル 2023』の試合後に鈴季を襲撃した。しかも、ジュリアとのスターダムでの初タッグを結成し、林下詩美&舞華との死闘が終了した直後だった。
「もうぼこぼこにされましたね……。プロミネンスを脱退した時は花束まで贈ってくれたのに(苦笑)。これは『嫉妬』だと思っています。私がスターダムで結果を出していることへの嫉妬。ぼこぼこにされた分は、タッグリーグで返しますよ」