『機動戦士ガンダムSEED』名シーン3選 泣き虫だったキラ・ヤマトを成長させた戦闘

2002年の放送開始から20周年を迎えたアニメ『機動戦士ガンダムSEED』には数々の名シーンが存在する。例えば、フリーダムガンダムが戦艦アークエンジェルを救った場面は多くの視聴者を虜(とりこ)にした。今回は泣き虫の主人公キラ・ヤマトを成長させた、3つの名シーンを紹介する。

『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』ティザービジュアル【写真:(C)創通・サンライズ】
『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』ティザービジュアル【写真:(C)創通・サンライズ】

優しい心のキラが精神面で大きく成長

 2002年の放送開始から20周年を迎えたアニメ『機動戦士ガンダムSEED』には数々の名シーンが存在する。例えば、フリーダムガンダムが戦艦アークエンジェルを救った場面は多くの視聴者をとりこにした。今回は泣き虫の主人公キラ・ヤマトを成長させた、3つの名シーンを紹介する。

 1つ目はキラが初めて「SEED」を発動したシーンだ。SEEDとは限られた人物に宿る特殊能力のようなもので、発動の際は種が割れる演出になるため通称「種割れ」と呼ばれている。PHASE11「目覚める刃」でキラはSEEDを覚醒させた。

 地球連合軍であるアークエンジェルに対して、ザフト軍は攻撃を仕掛けてくる。ザフト軍はモビルスーツ(MS)3機だが、アークエンジェルはムウ・ラ・フラガのモビルアーマー(MA)とキラのストライクガンダム。ザフト軍3機のうち、フラガはバスターガンダム、キラはデュエルガンダムと交戦する。

 そして残りの1機であるブリッツガンダムがアークエンジェルに接近し、仲間が窮地となったことでキラの種割れシーンが登場した。彼の空間認識能力や反応速度が上がり、デュエルの攻撃をよけて、アークエンジェルを襲うブリッツに膝蹴りする。こうして、追ってきたデュエルのパイロットに深手を負わせ、ザフト軍を撤退させたのだ。

 キラはその後も種割れでピンチを切り抜けており、ネット上では「キラの初めての種割れは印象深い」といった声があがっている。

 次に、PHASE21「砂塵の果て」におけるアンドリュー・バルトフェルドとの戦いだ。PHASE19にてキラは彼と対面しており、戦争について「どこで終わりにすればいい? 敵である者をすべて滅ぼしてかね?」と問われていた。PHASE21の戦闘中、彼の問いがキラの頭をよぎる。

 戦況はアークエンジェル側が有利となり、キラはバルトフェルドに降伏を求めるが彼は応じない。そしてキラは決死の覚悟で襲ってきたバルトフェルドが乗るラゴゥにトドメを刺し、爆発する機体を見て「殺したくなんかないのに」と泣き叫ぶのだった。

 同シーンでは、軍人ではないキラが戦争について考え、「敵を倒さなければ仲間を守れない」という葛藤に苦しむ姿が描かれている。優しい心を持つキラが戦争に向き合い、精神的に成長するきっかけになった名シーンと言えるだろう。

 最後は、PHASE30「閃光の刻」で描かれたアスランとの戦闘シーンである。キラとアスランは親友でありながら、対立する軍に所属するため、戦わなければならなかった。そしてPHASE29「さだめの楔」にて、キラはアスランの前でニコルが操縦するブリッツを撃破する。

 アスランは大切な仲間を殺され、次はキラを撃つと覚悟を決める。その後再び2人は戦闘になり、キラの友人・トールがスカイグラスパーで援護した。するとアスランの投げたシールドがスカイグラスパーを直撃し、トールが犠牲に。お互いに仲間を目の前で殺されたキラとアスランは、熾烈(しれつ)な戦闘へと発展していく。

 アスランは操縦するイージスを形態変化させてキラのストライクを捉えると、アスランは機体から脱出してイージスを自爆させる。爆発を受けながらも生還した2人は、互いの仲間を殺したことや大切な親友を深く傷つけたため、戦いを悔やむ結果に。

 この戦闘を経て、キラは相手のコクピットを狙わずにMSの腕や足を破壊して戦闘不能にする戦い方になった。アスランとの死闘は、パイロットとしての技量も向上させた名シーンとなっている。

 24年1月には劇場版『機動戦士ガンダムSEED FRREDOM』が公開予定だ。さまざまな戦いを通して成長したキラが、どのような姿を見せてくれるのか期待が膨らむ。

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