「洒落にならん」「なぜこんなことを」 河川敷に禁止わなが仕掛けられる…怒りの声殺到

「とにかく絶対に許せません」――。東京・足立区の荒川河川敷で、狩猟用わなである「トラバサミ」が発見された。地域猫が挟まれ、けがを負ったという。もしも子どもが触ったり踏んだりしたら、大きな人的被害が及ぶ危険性もあった。SNSで注意喚起を発信した男性は「大きな問題であり、ショックを受けています」と憤りの思いを語った。

荒川河川敷で狩猟用わな「トラバサミ」による被害が発生した(第一発見者が撮影)【写真:高沢守(@MamoruTakazawa)さん提供】
荒川河川敷で狩猟用わな「トラバサミ」による被害が発生した(第一発見者が撮影)【写真:高沢守(@MamoruTakazawa)さん提供】

鳥獣保護管理法で使用は原則禁止、すでに警察が動いている

「とにかく絶対に許せません」――。東京・足立区の荒川河川敷で、狩猟用わなである「トラバサミ」が発見された。地域猫が挟まれ、けがを負ったという。もしも子どもが触ったり踏んだりしたら、大きな人的被害が及ぶ危険性もあった。SNSで注意喚起を発信した男性は「大きな問題であり、ショックを受けています」と憤りの思いを語った。

 草むらに置かれた鉄製のトラバサミ。物々しい雰囲気を漂わせている。

「これは冷静に考えれば、人、とくに子供が罠にかかれば手足を失うかもしれない大事件です」。必死の訴えをXに書き込んだのは、高沢守(@MamoruTakazawa)さん。動物愛護や地域猫の保護活動をライフワークとして取り組んでいる。

 高沢さんによると、9月26日夕方、ボランティア従事者の2人が河川敷の土手の階段付近で、地域猫がトラバサミに前足を挟まれて倒れているのを見つけた。必死に助けようとして何とか器具を外したが、負傷した猫はそのまま去っていったという。

 被害の一報を聞いた高沢さんはその後に現場に駆け付け、警察に連絡。翌日に警視庁が金属探知機を使って周囲を捜索したが、何も見つからなかったという。「警察の方でパトロールを強化するという話を聞いています」と語る。

 トラバサミには1メートル70センチほどの針金が結び付けられており、柵か何かにつながれていたことが考えられ、「何者かによって草むらに仕掛けられていた可能性があります」と推測される。

 環境省や各自治体によると、トラバサミは人や動物の生命または身体に重大な危害を及ぼす恐れがあることから、鳥獣保護管理法で使用は原則禁止とされている。

 それにもかかわらず、使ってはいけないトラバサミによる地域猫の犠牲が起きた。高沢さんは「悪意を感じます。衝撃的で、怒りの思いです。万が一、子どもが手を触れたら、指がちぎれてしまうかもしれません。大問題だと思います」と心境を明かす。実は河川敷の周辺では、2か月前と1週間前にいつもエサを食べに来る地域猫が突如、相次いでいなくなってしまい、今回のトラバサミ被害の猫も含めて行方不明の状況にあるという。「毎日探しているのですが、とにかく動物たちが心配です」と声を震わせる。

「1人1人がもうちょっと小さな命のために行動する世の中になれば」

 暴挙が伝えられると、ネット上では「洒落にならん」「コレ、ヤバいよね」「これは本当にあかんやつや」「気づかず踏んだらと思うとゾッとする」「なぜこんなことをするのか謎すぎる」などの怒りの声が続々と寄せられている。

 また、今回の事態を受けて、足立区は公式サイトで9月27日に、「荒川河川敷左岸(西新井側)における金属製の狩猟器具のようなものの発見について」とする注意文を掲載。発見地付近に注意喚起の看板を設置、区職員による現場点検といった今後の対応について記載している。

 他にも、愛犬が散歩中に“毒入り”とみられる異物を食べてしまうなど、動物たちが不可解な事案によって犠牲に遭うケースが全国で後を絶たない。社会不安を招きかねず、社会全体で解決に取り組む必要がある。

 高沢さんは「1人1人がもうちょっと小さな命のために行動する世の中になれば、と願っています。日頃からみんなで注意しながら啓発に取り組むことができれば。それに、日本の法律がもっと動物のことを考えてくれる内容になっていけば、そう思っています。今回の件はかなり悪質なので、早期の犯人逮捕につなげてほしいです」と話している。

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